《スキルゲ》夢での決闘 その⑧

「何があったんや?」

晴人は再び問いかけてくる。

「あいつの、蒼井明へとどめを刺す時に違和じたんだ」

「違和?」

僕は「あぁ」と頷き、話を続ける。

「この戦いの最中に幾度か違和があったんだ。

なんで蒼井明は戦いの最中に挑発を繰り返し、嘲笑いを繰り返していたのか」

「戦いで相手を挑発するのは珍しいとは思わへんけど?」

晴人は不思議そうな顔を見せて言う。

確かに、戦いの最中に相手を挑発して、正常な判斷力を削ぐのは珍しい事ではない。

だが、しかし―――

「だが、この戦いは最初から蒼井明を追い詰めた狀態から始まった戦いじゃなかったのかい」

「・・・・・・」

晴人は沈黙する。狀況確認に頭を巡らせている様子だ。

「なるほど、確かに9割9分・・・・・ いや、10割の確率が蒼井明の敗北が決まってた戦いやった。だとすると、あの挑発は勝つための目的やなくて、俺らから逃げ切るための挑発やったと?この狀況から逃げる方法があったと?そういうことなのか?」

晴人が捻り出した解答。

けれども、僕はそれを否定した。

「いや、違う。 あいつの目的。蒼井明が目的としていた事は―――

この場所で死ぬ事だったんだ」

「死ぬ事?なんでや?こいつは自殺でもしようとしてんか?」

晴人は驚きと他のは混じった表で聲を上げる。

「死ぬ事・・・・・・。いや、違うな。それは僕の言い間違えだ。正しく言えば、死ぬ事によって・・・・・・

不老不死の存在へ変化しようとしていたんだ」

不老不死。それが僕のたどり著いた解答。

あまりにも現実離れした言葉。晴人も絶句していた。

構わず、僕は言葉を続ける。

「僕たちは勘違いしていたんだ。お前の意識を夢に閉じ込めた元兇である存在。蒼井明を倒す事によって、夢の世界を消滅させる。それこそが解決方法だったのだと。けれども、これは本的な部分で間違っていたんだ」

「間違い・・・・・・。いや、わからん。わからへん。もっと分かりやすく説明できんか?」

「無茶を言うなよ。僕だって混してるんだ。要するに蒼井明の目的は、僕らを挑発を行う事によって、正常な判斷力を削ぐ事と共に、僕らに確実に殺されるためだったんだ。そして―――

蒼井明の計畫。彼がどの様にして不老不死を得ようとしていたのか?

それを語る直前、弾き倒していた蒼井明が起き上がってきた。

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