《スキルゲ》獨白 その②

蒼井明。人間からモンスターへと変化を遂げた人間。

そして、モンスターとしての種類は―――

インキュバス。

夢の中に現れる悪魔。

そして、彼が冗談じりに出したサキュバスは、同種モンスターであり、インキュバスの型である。

しかし、人間に自の子を宿らせるのが目的の悪魔だと考えると―――

一瞬、謎の震えがを貫く。

「一、何を考えてるんですかね?」

言わなくても予想はつきますが、と蒼井明は言う。

「まぁ、良いでしょ。どこまで話ましたかね? 嗚呼、そうです。晴人さんの次に賢志さんのを乗っ取る計畫でしたね。嫌な顔しないでくださいよ。僕がインキュバスだからと言っても的な意味じゃないですよ」

「わかってるわい」と晴人が関西人らしい突っ込みをいれる。

いや、晴人は別に関西人じゃないのか。

「さて、話を戻しましょう。僕は、晴人さんのを乗っ取った後にどうしたかと言いますと・・・・・・

失蹤します。まぁ、先ほども言いましたが、は晴人さんですが中は別人ですからね。知り合いにでもあったら誤魔化せる自信はありませんでした。丁度良い隠れ家もありましたからね。それが夢の世界ではなく、現実の我々――― いえ、あなたたちがいる場所。『天使を敬う會』の地下室に隠された地下室なわけですが―――」

「何のつもりだ?」僕は蒼井明の話を遮った。

「はて?何のつもりだと言われましても?」

蒼井明はキョトンとした表で答える。本當に何を言われているのかわかっていない様子だ。

「なぜ、この場面で、説明を始めた?それも、あからさまにわざとらしくだ」

時間稼ぎ?

いや、この世界に誰ができる。

蒼井明に援軍はない。

―――本當にそうか?

結界という現象は100%解明されているわけではない。

まして、夢と結界を繋ぐという離れ業。

何があってもおかしくない。

しかし、そんな僕の思考に対して、蒼井明の表は変わらない。

キョトンとしている。本當に僕の言っている意味がわかっていないのか?

「アハ」と蒼井明は笑う。

「人間ってのは、圧倒的なアドバンテージを取ると油斷をする。それは、思考能力も同じ事。だから、貴方の言っている意味が分からなかったのですよ。僕は勝ちを確信しているのですから」

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