《スキルゲ》夢から覚めて

「ここで疑問なんだが・・・・・・」

僕は、ゆっくりと捕縛されている蒼井明に近づく。

 「夢と結界を統合させているお前が

 を放棄し、この結界でとして存在しているお前が

 結界からはじき出されるとどうなるんだろうな?」

「お前、お前なんかに、僕の計畫がッ!」

 もう、蒼井明は何の余裕も見せない。

暴れた。彼が取った行は、そう表現するしかない。

封じられた四肢を解放させようと、にあらゆる負荷を押し付け、力を放出させている。

その姿は、知を持たない野獣のようにも見える。

だが、暴れれば、暴れるほどに鎖は執拗に拘束を強めているいるように見える。

やがて、蒼井明の目に宿るのは諦めの

それと―――

「僕は必ず帰ってくる。必ずだ。

僕―――

いや俺は、お前の心臓を握りつぶしてやる」

蒼井明の目には、明確な殺意が滲んでいた。

彼は必ず、帰ってくるだろう。拠はない。

けれども、その強い意志はいずれ、僕に屆く事になるだろう。

ここまでやられて、ここまで掻きされて、それでも

不思議と、それが楽しみにじている自分に驚く。

「良い。だが、次は真っ直ぐ來い。僕の周囲の人間を巻き込むな」

最後に一発だけ、く握りしめた拳を

蒼井明の顔面に捻じりこんだ。

そのまま、彼は後方へ弾け飛び

地面に叩き付けられる事もなく、音もなく消えていった。

それに連するように、周囲からが消えていく。

、部屋を形するラインだけが殘り・・・・・・

やがて、それも消え去る。

僕も、僕らの意識も―――

無。

全てが無に帰す。

やがて、無から有が生じる。

周囲に線がり、る。

さっきまで、蒼井明と戦っていた場所と同じ場所。

違うのは蒼井明は消滅しているという事。

それと、僕らを迎えてくれる仲間達が待っていた。

僕は生還した。そして、僕は滝川晴人の救出に功していた。

嗚呼、徐々に実が沸き上がる。

そのが外に零れ落ちないように、自分で自分の抱きしめた。

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      つづく...
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