《3人の勇者と俺の語》1章 ホイス村

ホイス村はのどかな村だった。

バスタールの世界において辺境とも言える北方の森に囲まれた靜かな村。

特産は果樹園で取れるアパルの実、厳しい寒さを越えるためにその甘味をギュッと閉じ込めたこの地方のアパルの実は他の地方に比べると段違いの味しさであり、

貴族や王族にも獻上されていた。

ホイス村はそういった理由からも辛い納稅などに苦しめられることもなく、

狹いながらも慎ましやかに村民たちは穏やかな日々を送っていた。

この村に住んでいるリクはアパル農家の家に生まれ、父親の仕事を手伝いながらのびのびと暮らしていた。

リクには3人のなじみが居た。

近くの川、池で漁をして村民に貴重な魚などを供給している一家の子供カイ。

森にり山菜、キノコ、時に狩猟により食料供給の一翼を擔う家の子供クウ。

ホイス村唯一の教會の司祭の子供セイ。

同い年の4人は暇さえあれば森を走り回り、川で遊び、村を探検して過ごしていた。かけがえのない友達だった。

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「カイ! そっちに行ったぞ!!」

「任せてー! エイッ!」

カイは慣れた手つきでリクたちが追い込んだ魚を銛で一突きにする。

「やったねカイ! 私も森で山菜取ってきたから早速料理しよ」

「もう準備してあるから材料ちょうだいねー」

「セイの料理はカーチャンよりも旨いからなぁ!」

「そんなこと言うとおば様に言いつけますよ?」

「あー、ウソウソ! かーちゃんの料理は最高だなー!!」

カイが慣れた手つきで魚の臓を取り除きセイに渡す。

セイは魚と山菜を蒸し焼きにするようだ。

手持ちの香辛料と村では貴重な塩をし加えて、手作りの竈の火にかける。

「これでよし。臓はエルンにあげたら?火を通さなきゃダメだよ」

「はーい」

エルンはリクの飼っているフェレックというだ。

細長い狐のような格好で、あんまり人には懐かないのだけど、

2年前リクが森で怪我して弱っている子供のフェレックを助けてあげて、

それ以來この4人にはすっかり慣れてくれている。

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森に遊びに來るとひょっこりと顔を出してくる可い奴だ。

火を通した臓を味しそうに食べるエルン。口元真っ赤でスプラッタ。

「もっとちゃんと焼きなよリク! 変な蟲とかいたら大変だよ?」

「火を通し過ぎるとボソボソしてうまくないじゃーん……」

「魚はたまにニョロニョロしたの付いてるんだよリク、エルンが病気になったら私は哀しい」

「わかったよ! 次から気をつけるよ!」

「リクはキノコとかも確かめないですぐ食べるから危険」

「そうよ、こないだも私が解毒の魔法かけなかったら大変だったんだから!」

みんなから注意されてさすがのリクも頭をかいながらバツが悪そうにしている。

リクは言葉遣いこそ男の子だけど、立派なの子。

明るい茶の短髪でボーイッシュな髪型の似合うハツラツとした

言葉使いや行はまんま男の子な、殘念人である。

カイは深い青、が當たると青く見えるしい長髪を後ろで束ね、

睨んでいると誤解されるけどある人種にはご褒のような鋭い目つき、

それでもクールビューティー(古い)なの子、年齢よりもし上に見られることを本人は気にしています。

クウは銀髪、遠い親戚に白髪の一族のが隔世伝したんだろうって村の大人たちは話している。その銀髪の神的な雰囲気もあって近寄りがたい人。

だけど中はボーッとしててイマイチ何を考えているかわからないことが多い、でも大事なことをビシっとしてきたりするそんな不思議系のの子。

セイはしっかりもの、4人の中のまとめ役。簡単な回復魔法も使えて教會のお仕事を手伝っていたり村での評判もとてもいい、セイがいるからこの4人はある程度自由に遊ぶことができている。

髪は腰のあたりまでばしたしウェーブのかかった金髪で、瞳のも金でこの瞳は大聖母の生まれ変わりと言われておりいずれは中央の教會に行くことが決まっている。

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なお、みなさんは興味が無いので書くかどうかは悩みましたが、

私には大事なのでそれぞれの部裝甲の厚さは、

ソラ>>>>リク>>普通の人くらい?>セイ>>>>カイ

であることを記します。何のことかわからない人は気にしないでください。

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

生まれた日も近く同い年の友達のいない村でこの四人は姉妹同然に暮らしており、毎日を幸せに暮らしていました。

「シャーーーーーーーーーーーーーー!!」

「びっくりした! エルンどうしたの?」

エルンが突然警戒音を発した時。

空が突然、割れた。

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「これが、次元の狹間……とんでもないエネルギーの嵐だな」

「魔神の気配も急がないとわからなくなる、たぶんあの先の裂け目だと思う……それにしても、が、引き千切られそう、急ぎましょう」

幾重にも結界を作るメディアスが苦しそうな表を作る、

ウォルフェンは聖剣の力を使い自らに保護をかけていた。

「まずいな、全力で次元斷を使った反が思ったより……強い……」

裂け目へ向かう速度が目に見えて遅くなっていく、聖剣にもその輝きが瞬くことが増えている。

「ちょっとウォルしっかりしてよ! このままだと狹間に飲み込まれるわよ!」

「そうは、言ってもよ……がいうことを聞かねーんだよ……」

メディアスは助けようにもすでに亀裂へ向って流される力に逆らうほどの余裕はない、徐々にウォルフェンと距離が開いていく。

「ウォル! 貴方がいなければバルビタールは誰が倒すのよ!!」

相変わらず、キツイこと言うやつだな。

そうはいっても、これはピンチだな。

「くっ……」

ついにを支えることが出來ずに突っ伏してしまう。

こ、こんなところで、こんな中途半端に……

『やれやれ、弟子として認めてやったのにこのたらく。

お前は相変わらずの不肖の弟子だな……』

その聲に導かれるように顔をあげると、そこには真っ白な犬が立っていた。

魂の輝きでわかる。バイセツだ。

(おう、バイセツが見えるってことは俺ももうおしまいってことか。)

『馬鹿モンが! 勇者が諦めてどうするんじゃ!』

(そんなこと言ったって、さすがの俺様でも、もう一握りの力もでねーよ)

『こんなになって、死を経験してわかる。お前の縁はここでは終わらない、次元の狹間、この場所でお前はバルビタールを倒す相棒と出會い、

そして、異次元で新たな仲間と出會い魔神を打ち倒す。

そう、聖剣の送り主がおっしゃっていた。

不肖の弟子のためにもう一度力を貸そう……』

犬の姿のバイセツから優しいが広がっていく、

につつまれたウォルフェンは不思議な景をみた、

迫り來る巨大な塊、それからかばうように現れる人影、

そしてウォルフェンは気を失ってしまう。

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さっきコンビニで買った楽しみにしている漫畫「転生したらバブルスライムだった件」を機嫌よく振り回しているこのオトコ、一ノ瀬イチノセ 渉ワタル。

高校一年生。高校験から開放され、大好きな漫畫を好きなだけ読むことが出來る生活を手にれ、今も読書の最新刊を帰って読むことを夢見て帰路についている。

長は176センチ、友人曰く「なんでもそれなりにできるけど、うまくなる前に飽きる」と言われる格の通り、績も中の中のちょっと上、スポーツもそつなくこなすけど、上手いかと言われれば微妙。趣味は漫畫とゲーム。顔もかっこいいわけじゃないけど、別にブサイクでもない。友達は多いけど、親友ってノリはない。目立つこともない普通の存在。

多分將來的にはに、「ワタル君はいい人なんだけど、それだけなの」と振られてしまうような、そんなタイプの男だった。

実はこの男。もうすぐ死ぬ。

正確には死ぬ予定だった。

次の曲がり角を曲がると居眠り運転をしているトラックが突っ込んできて、

短い人生の終わりを告げてしまう。

そういう不幸の星の下に生まれてしまっていたのである。

心の底から楽しみにしていた新刊を読むことなく、(新刊読みたかったなぁ……)と哀しい最期の記憶を経て死亡する。そういう運命であった。

彼の運命を変えたのは、歩く先に見えるる犬だった。

「ん? なんだ……アレ? 犬?」

彼がその犬に気がついた時、同時にその方向へトラックが突っ込んで來ることにも気がついてしまった。

彼は考えるよりも早くその犬を助けるためにいていた。

彼は目立つことはなかったが、ただ一點していた。

自分が飼っている犬シロウの小さいころとそのる犬が重なって、

いてしまったのだ、

犬を抱き寄せるために道路へ飛び出し。

彼の記憶が途切れる。

(ん……? ここは……?)

気が付くと薄ぼんやりとしたの中に浮いていた。

『お主が勇者の希なんじゃな?』

目の前の犬が喋っている。ああ、これは夢か、犬は助けられなかったんだな……

『いや、お主はこれから様々なたくさんの命を助けるぞ』

おお、助かっていたのか。それは良かった。でもなんか僕は変な狀態だから死んじゃったのかな?

『そうじゃの、お主はお主の世界では死んだことになっているな。しかし、その魂の輝きは勇者の助けになる、故にこの場へ來てもらった。』

勇者の助け??? どういうこと??? 僕、家に帰る途中に、犬を見かけて、トラックが……あ!? 転バブ!? 漫畫は???

『落ち著け、もしお主が勇者の助けとなってくれるならその漫畫とやらの続きを読ませてもいいと神は言っている。』

やります!! 絶対やります!! 任せて下さい!! 続きを読みたいんです、何でもしますから!!

『ありがとう。勇者を頼んだぞ。』

僕はりに包まれて、そして彼と出會った。

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なんか、巻き込んですまねーな。一応俺が勇者のウォルフェンだ。

勇者? そういえばさっきそんな話に、それよりも転バブは!?

『落ち著け、まずはそいつの話を聞くのじゃ』

は、はい! 聞きます! めっちゃ聞きます!!

な、なんか熱いやつだな、よかったら名前を教えてくれないか?

あ、僕はワタルです、イチノセ ワタル。16歳です!

俺と同い年か、とりあえず説明するか、俺は勇者として魔神を討伐した、

いやしたはずだった。最後の最後で魔神を別次元に逃がしてしまったんだ。

おお、異次元転送!!

あ、ああそうだ。んでその魔神を追って次元の狹間に飛び込んだまでは良かったんだが、戦闘の影響でそのままくたばっちまうとこだったんだが、聖剣くれた神様が助けてくれて、そしてワタルを呼んでくれた。

僕? 僕は何の変哲もない高校生ですよ? 勇者でもないし、一般人です!

ああ、わかってる。でもその魂の輝きが俺に近い。

俺のはもう限界なんだ、だからお前のに勇者の力を譲りたい、

その力で別次元に逃げ込んだ魔神を倒してしい。

俺のせいで別次元の奴らに迷を掛けたくないんだ、

こんなこと押し付けられて本當に申し訳ないけど、頼めないか?

……キタ……異次元転生がキターーーーーーーーーーーーーー!!

うぉっ!? びっくりした!

けます! やります! 勇者の力を持つ初期チート持ち!

ヒャッホウ!! 漫畫の続きも読めるし! やります!!

ありがとう! 言ってることはよくわかんないけど、任せたぜ!

『儂も力を貸そう。ともに魔神を倒そう!』

勇者ウォルフェンはとなりワタルのに吸い込まれていく、

そしてワタル一行は目的の裂け目へ今度こそ突していくのであった。

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