《天才年、異世界へ》第3話

「私も連れて行ってください!」

「は?」

弘一郎は一瞬乃がなんと言ったのか理解できなかった。するとそんな弘一郎に乃がもう一度言う。

「私も連れて行ってください!」

「ぇ、あ、別にいいけど乃はそれでいいの?」

「もちろんです!」

 弘一郎がこう聞いたのにはもちろん理由がある。弘一郎は100年に一度の天才であると同時に、100年に一度の鈍男なのだ。ゆえに彼は、乃が誰かのことが好きなのは知っているが、その行為が自分に向けられるとは思っていない。ゆえに、こう聞いてしまったのだ。

「でも、危険な旅になるよ?それにクラスメイトとも離れなきゃいけないし」

「承知の上です。私には弘一郎君が離れることの方が許容できません!」

「でも…」

弘一郎は尚も説得を続けるが、

「うるさいです!私の決心は揺るぎません!」

と、一言で切り捨てられた。

「分かったよ……。じゃあ一緒に行こうか。王様、いいかな?」

「え?あ、はい。構いませんよ。あと、さっきは渡しそびれましたがアイテムボックスです。者にれて収納と念じれば使用できます」

「では、行ってきます」

「はい、ご無事で」

そうやって、弘一郎は旅立った。

 その後王は、騎士団に勇者達の訓練を任せて、仕事に戻った。

〜〜???side〜〜

「くそ、いつもいつも僕の邪魔をしやがって!しぐらい顔がいいからって、木村のやつめ!」

男は荒れていた。そこにメイドがやってきた。朝食が出來たそうだ。

「朝食はなかなかのものだな」

そうして男は、しだけ気分が良くなった。

その後広間に行くと、更に気分が良くなった。

なんでも木村が旅に出るらしい。

それを聞いて男は、

「クク、これでようやく乃が俺のものに」

 だが、そこからの事は、男にとって不快だった。

目の前で乃が弘一郎について行くといい、それを斷ろうとする弘一郎にますます腹が立った。なんだこんだで、2人はそのまま出て行った。

「くそっ!」

男が荒れていると、聲が聞こえた。

「どうかしましたか?」

だった。

(このままじゃ納得いかねえ、いっそ、王のことを)

 そう思った男は、王に話しかけた。

「なあ、お前達には勇者が必要なんだよな。なら、その勇者のために一杯盡くすべきなんじゃないか?」

「はい、そうですね」

「ならさ、王様も盡くせよ。だけは、立派なんだからさ」

「はい?」

「いいからさっさと服をげ!俺が犯してやるよ!」

 そう言って男は王に襲いかかった。

「ひいっ!」

この時ばかりは、王も普通のだった。そして、男の魔の手が王れようとした時、

ゴキッ!

と鈍い音がなった。

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