《天才年、異世界へ》第7話
ゴブリンの巣の殲滅を果たした弘一郎達は村へ向かっていた。
「あー、こういう時って暇だよねー」
「乃、油斷大敵だって言っただろう?」
「ごめんなさい」
「わかればいいんだ」
そう言って弘一郎は乃の頭をでる。乃が幸せそうにしていた。すると、
「キャーーーーーーーーーーーッ‼︎」
のび聲が聞こえた。
「弘一郎君」
「うん、すぐに向かおう」
そうして2人は駆け出した。
到著するとそこには、1人のとおそらく護衛であろう騎士達の死、下卑た笑みを浮かべた5人の男の姿があった。
「この狀況を見ればわかる。問答無用で殺す!
   木村流『雷』」
そう言って弘一郎は飛び出して、武を振った。それだけのはずなのに、線上の3人の男が真っ二つとなった。
「な、なんだてめえは⁉︎」
「仲間に何しやがる⁉︎」
「黙れ、死ね」
そうしてもう1人斬られ、殘り1人となる。そこで初めて気づいたかのように男がぶ。
「なんで、なんで............
武が木の棒なんだよ⁉︎」
「そこにあったからだ」
「舐めてんのか⁉︎」
「ああ」
「ククク、油斷大敵だぞ?もう俺の勝ちだ」
実は男は話しながらも移していた。そして、乃を人質にしようとした。
「ガッ⁉︎」
勘違いしてもらっては困るが、ゴブリンの時は完全に油斷していただけであり、乃は最強の男、木村弘一郎が認める天才である。そのようなものは、世間の言う天才の枠には収まらない。
乃は、一瞬で男に近づき、隠し持っていたナイフで
男を突き殺した。その様は、殺人鬼というよりも戦乙ヴァルキリーと表現できるほどにしいものだった。
「の子は?」
弘一郎はそう言って馬車に近づいた。
「大丈夫かい?もう、男達は撃退したよ?」
そう言って馬車を覗き込むと、弘一郎は絶句した。
(貓耳に、それに尾もある)
「ねえ、その尾、ってもいい?」
「ひぃっ!殺さないで…」
「大丈夫だよ。僕の目を見て?」
すると、は恐る恐る顔を上げ、絶句した。
目の前にいる年の顔はしすぎたのだ。
「ねぇ、大丈夫?」
話しかけられて、正気を取り戻したはその年の顔に溢れている慈の表を見て、助かったことをようやく理解する。
「君の名前は?」
「は、はい!私の名前はシャルルです。シャルと呼んでください!」
「わかった、じゃあシャル。どうして君はここに?そして君はこれからどうするの?」
「わたしは……」
「ねぇ、まだ〜?」
「全く乃は辛抱を知らないな……。じゃあシャル、歩きながら話そうか」
そう言って3人で歩き始めた。
その時、森はシャルの心のように輝いていた。
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