《負け組だった男のチートなスキル》第二話 チート能力?

神は助が理解していないのに気づき説明を始めた。

「えっと、ワシも人間が持っているのは初めて見るんじゃが、そのスキルはスキルを作り出すことが出來るスキルじゃよ」

「スキルを作るスキル??」

未だ助は神の言っている意味が理解できない。スキルを作り出すスキル?

「そうじゃのう……つまり、普通は努力や才能、勉強でに付けるスキルを、君は自分で作り出せるんじじゃ!」

「ああなるほど……って、えぇ!?」

ようやく助はそのスキルのすごさに気付いた。とんでもないスキルである。

「ちょ、ちょっと待ってください、なんですか、その馬鹿げたスキルは」

「だから、ワシも人間のスキルで見るのは初めてだって言ったじゃろうが」

神はぶっきらぼうにそう言った。本當に初めて見るのだろう。

助の方は自分が持っているスキルのチートっぷりにただ純粋に驚いていた。まさかそんなチートなスキルを自分が持っていたなんて誰が思うだろうか。

しかもそんな力を持っているんだったら、これからの人生が華々しくなるのではないかという希さえ生まれる。

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「じゃあステータスを開いたまま、その文字をってみるんじゃ」

「はい、分かりました」

技能創造スキルメーカー……スキルを作り出し自分のとすることが出來るが、スキルスロット上限を超してしまうとそのスキルは裝備出來ない。

「うん、初めは分かったけど、後はさっぱりだ」

いくら説明を見たとはいえ初めての単語が出てきて訳が分からない。

そしてこの表記は神も見えていたようで、簡単にまとめて助に話し出した。

「相変わらずものすごいスキルじゃなぁ、ちなみにスキルスロットというものは、レベルが上がるたびに上限が増えていくものじゃ。ちなみにお主はレベル1だからスキルスロットは2つのみじゃな」

「なるほど……って、2つだけですか?」

「そうだと言っておるだろう、全く自分の事になると何でそう用心深いんだか……」

神はぶつぶつとそう呟いた。

そんなことより早くチートスキルについて知りたい助。

しばらくして自分がすることを思い出したのか、顔をあげて助を見て口を開いた。

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「そうじゃ、他にもお主に教えないといけないことがあったわい」

「なんでしょう?」

「これから行く世界の事じゃよ。お主らにとっては転移という形じゃが、向こうの世界では異世界から召喚したという形で呼び出されたことになる」

「召喚?」

助は召喚という言葉を聞いて、異世界から召喚される勇者のことを思い浮かべる。

「そうじゃよ、勇者の召喚じゃ」

「人の心を……って勇者!?」

「忙しい奴じゃのう、そうじゃ、勇者として召喚されたことになるんじゃよ」

助には自分が勇者というのは想像すら出來ない。

「言ってしまったあとでは、言いにくいのじゃがお主は勇者召喚の対象外じゃろうな」

「それは良かった……え? なんで!?」

「簡単に言うとじゃ、その型に加え基本ステータスを含めたお主に勇者は無理じゃ」

神から自分で自覚のある悪い部分を直球で指摘された助。神公認で指摘されたとなると、これはもうどうしようもない。

「でもそのスキルならステータスを補えるほどの力を持てるはずじゃ、しばらく修行でもしてそれから、お主の仲間たちに頼んで冒険に同行すればいいじゃろ」

「仲間……」

助はクラスメイトを含めてあの學校の生徒たちが頭に浮かんだ。自然に顔を歪む。

クラスメイト以外の學校の生徒達は大將たちほどのいじめはないが、見下しているような目は他の奴らも同じだった。

そんな奴らが自分を仲間にれてくれるだろうか? というよりは、助自信が一緒にいたくないという気持ちが強い。

「なんじゃ? 仲が悪かったのか?」

「犬猿の仲といいますか……」

「うむ、人間というものは、めんどくさい生きじゃのう」

神は相変わらず興味なさげに言った。

「それで神様、自分はどこに飛ばされるのでしょうか?」

「それはもちろん、勇者召喚の場じゃよ」

「え? 勇者にはなれないんじゃ……」

「勇者として召喚されはするが、勇者として認められないという事じゃよ」

「えぇ、知りたくない未來だった……」

勇者として召喚されながらも、ステータスと見た目が悪いから勇者として認められないあげく、その宣告を公の場でされるなんて恥ずかしい以外のなにものでもない。

しかもそれにそれを知った時の、奴らの顔が目に浮かぶ。

「ま、がんばってくれ」

他人事のように神は棒読みでそう言った。

「絶対そう思って無いですよね!?」

「そうじゃな。あ、それと今のうちに、スキルを作ってみてはどうかの?」

「やっぱそうじゃないですか! え? 確かにそうですね」

神に言われるがままに助はこれから作るスキルを考え始めた。といわれてもどんなスキルがあるのか分かるはずもなく自分で作れるわけが無い。

「んー、全然思いつかないんですけど……」

「そりゃあそうだろうな、まだその世界に行ってもいないんじゃから」

「なら、何でそんな提案をしたんですか!」

助は神のマイペースな態度に振り回されていることを察しながらも神に尋ねる。それしか助に出來ることは無いからだ。

「それはのう、ワシがおすすめのスキルを教えようと思ったからじゃよ……お、そうじゃった、お主の犬猿の仲の仲間たちにも、異世界転移祝いとしてスキルを一つプレゼントしたんじゃが……お主にはいらぬな」

「だからなんでそんなこというんですか? 落ち込みますよ!」

神の悪戯が段々と激しくなっているようにじる。しかもそれを絶対楽しんでやっていることぐらい分かる。

「それはその者たちにあげたスキルを教えようと思ったからじゃよ。知っておいても損はないじゃろ?」

「ま、まぁそうですけど」

正論を言われ頷くしかない助は神に対して何故か悔しい気持ちに包まれた。

「あの者らにあげたスキルは『鑑定』じゃよ、他の者たちのステータスを見ることが出來たり、や道の効用などが見えるようになるスキルじゃ」

「便利ですね、そのスキル」

「そうじゃろ? お主もそのスキルを作り出せばどうじゃ? あげても良かったんじゃが」

「もうツッコミませんからね」

神は相変わらず嫌味をれてくる。だがこれ以上ツッコんでもスルーか正論を返され、返って自分にダメージが及ぶだけなので言い返すことはせずに、素直にスキルを作る作業にった。

「って、スキルってどうやって使うんでしょう?」

「それはスキルによって様々じゃ、さっきのしたようにステータスを出してその名前をれてみればわかるはずじゃよ」

技能創造スキルメーカー……使用方法は、頭の中でイメージと名前を思い浮かべることで作り出すことが出來る。ただしイメージが的でないと作ることが出來ない。

裝備するかどうかは、作った後に頭の中に選択肢が現れる。

なんかいろいろと便利な能力のようだった。でもスキルについて何も知識がない今は作ることが出來ないことに気が付いた。

「そこで、『鑑定』が役に立つんじゃろうが」

「また心を……でも、確かにそうですね」

鑑定で相手のスキルを見れば名前と能力を知ることができ、スキルを作り出す材料がそろうという訳らしい。

「いいことを思いついたわい、お主『鑑定』のスキルは、スキルスロットの上限が上がった時に作るといいじゃろう。今は『隠蔽』のスキルを作ってみないかのう?」

「『隠蔽』って、どんなスキルなんです?」

「『隠蔽』は自分のスキルを隠蔽するスキルじゃよ、お主のスキルを他の連中に見られると厄介じゃと思うぞ?」

「確かにそうですけど……でもスキルを隠しちゃうと、ステータスがいよいよゴミ以下になっちゃいますけど」

「スキルを隠さんでも十分ゴミ以下じゃがな」

神から再び毒が吐かれる。もう心の耐久値がゼロに近かった。

だが神のいう事はもっとも? だったので、今は『隠蔽』を作ることに集中する。多不安が殘っているが、今は神の手のひらの上で踴ることにしよう。

「神様、どんなイメージでやれば?」

「仕方がない、隠蔽持ちのステータスを見せてやるわい」

神はそう言いステータスと呟いた。

名前 unknown

種族 神族

レベル unknown

力 unknown

魔力 unknown

攻撃力 unknown

力 unknown

敏捷力 unknown

スキル 隠蔽

「こんなじじゃな」

「ありがとうございます。スキルのイメージは摑めました。でも神様のステータスのほぼすべてが、隠されているんですが」

「まあ、ステータスを隠すスキルもあるからのう」

「そうなんですね。でもおかげで分かりました。スキル欄に『隠蔽』しか出ないようになるんですね」

「そういうことじゃ」

神から見せてもらったイメージを頼りに頭の中でスキル『隠蔽』の名前を浮かばせ、イメージもそれに合わせると、頭の中に聲が響いた。

『スキル「隠蔽」を作りました、裝備しますか?』

助は心の中で頷いてステータスを確認する。

名前 高月

種族 異世界人

レベル 1

力 自信なし

魔力 心もとない

攻撃力 ありません

力 我慢我慢

敏捷力 なんですかそれは?

スキル 技能創造 隠蔽

隠蔽……他人からステータスを見られる際、スキル欄にはこのスキルしか表示されなくなる。

「相変わらずのステータスじゃのう」

「う、言わないでください」

橫から神がステータスを覗き込んで口を挾む。何故かステータスの言葉も変わってるが、人によってステータスの表記が違うと言っていたので神には違う文字やら數字に見えているのだろう。

あとは文字が変化した原因には心理的な要因も関係あるのかもしれない。

「そういえば神様にも、隠蔽のスキルの効果はあるんですか?」

「いやないな。ワシはすべてのスキルを持っているからな。『隠蔽』を破るスキルも持っているという訳じゃ」

「そ、そういうことですか」

神様のチートっぷりに助は軽くひいた。だが相手が神であることをがると當然と言えば當然だ。神なら何でもありだろという考えで。

とりあえず自分のスキル欄にちゃんと『隠蔽』スキルが表示されていたのでホッとする。これからこうやってスキルを作っていく事を想像するととてもこれからが楽しみだ。

「では最後に『人族言語認識能力』をお主に付けて、あ、ちなみに、他の奴らにも渡してあるからのう」

「そうですか、ありがとうございます。それで何の能力なんですか?」

「人族の言葉が分かるようになる能力じゃ、初めから言語取得は嫌じゃろ?」

「確かにそうですね、ありがとうございます」

神は助の頭に手を置いて何かを唱え始めしばらく置いた後、手を離した。

これでその言語所得とやらは終わりなのだろう。

「ではお主を転移させるぞ? こんなに長く話をしたのは、お主だけじゃわい。後ここでの時間は外の世界では進んでないから安心してよいぞ」

「それはあなたのせいだと思いますが……まぁ、いろいろとありがとうございました」

助がそう言い終わった後、目の前が真っ白になった。次第に神の姿とこの空間が見えなくなる。

そして最後に目の前が再び真っ白に染まった。

しばらくの間、目が眩んだ。

目が冴えてくると見慣れた顔がそこら中にいた。學校の人たちである。

そして助たちを見上げるように知らない顔の人々が疲れた顔でこちらを見ていた。今、助たちの居る場所は魔法陣が描かれた祭壇のような場所である。

そこに全校生徒約120名が立っていた。助は狀況を理解すると神が言っていたことを思い出した。

「異世界」

これから待ちける苦難と希に抱き助は顔を上げた。

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