《転生先は現人神の神様》01 プロローグ

「あっ……」

何もない真っ白な空間にの? の? 聲が響く。

「まあ、やってしまったものは仕方ないか……この人なら……うん」

◇◇◇◇

おや……? ここは何処だろうか。真っ白な部屋? いや、白すぎない? 左右の確認……うん、病院じゃないな、ベッド無いし? と言うか床に寢てたのか。とりあえず起きようか。狀況の確認をしないとな。

「うん、訳が分からんな……」

なにもないぞ? やっぱ白すぎるな。は問題無さそうだ。しかし、靜かだな? 何も聞こえないな? さて、どうしたものか……。

「やあ、おはよう」

「っ!?」

背後から聲がした。完全に不意打ちだ。振り返って目にったものは……

? がこたつっぽいものにっている。もう訳が分からない。

「まあ、こっち來て座りなよ。説明するからさ」

「は、はぁ。失禮します……?」

「うんうん、ミカンもあるよ」

どうやらこの子が説明してくれるようだ。ここはおとなしく従うべきか。報が足りなすぎて判斷もできないし話せるなら話した方がいいか。おとなしくこたつにるとしよう。

「さて、意識ははっきりしているようだね? 自分の名前やここに來る前は思い出せるかな?」

「えっーと、名前は熊埜堂 林太郎。ここに來る前は確か飲みを買いに行って……?」

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「うんうん、バッチリだね」

「あの、ここはいったい……?」

「ここはねー。言わば神様の世界?」

「は……?」

何言ってだこいつ? やたらニコニコしてるが電波系だったか? いや、でもなー……なんかこの子の背中になんかあるんだよなぁ。こう、羽っぽいのが……。

「ま、信じろとはいいませんがねー。と言うか信じる信じないはぶっちゃけどっちでもいいんです」

「あ、はい」

「それであなたの死因なんですが……私の手違いです、申し訳ありません」

「おい、え? 手違い?」

「はい、手違いです。ぶっちゃけ手がりました」

ぶっちゃけたなぁ……。俺の死因【神様の手がった】。

なんということでしょう。

「……死んだ時の記憶っていうか、ここに來る前がぶちっと記憶に無いのはもしかして?」

「ええ、私のせいですねぇ。向こうでは心停止辺りですかね……」

「お、おう……なんとも呆気ないと言うかこう、なんとも言えない気持ちになるな……」

「いやー、面目ない。久しぶりにやってしまいましたよ……」

「前にもやったのか……」

「大4000年ぐらい前ですかねー」

「4000!?」

「はい」

4000年前って……。いや、神様ならたいしたことは無いのか?

「それでここにお呼びした理由なんですが」

「はい、なんでしょう?」

「異世界行ってみたりとか興味ありませんか?」

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「……異世界?」

「ええ、異世界です。今まであなたが居たのが第6番世界ですねー」

「6番世界……?」

「今私が管理している世界は10個です。その中の6番目があなたの住んでいたところ。これですねー」

前の神様? が右手を軽く振るうと目の前にディスプレイのようなが出てきた。そこに映るのはネットでよく見た地球を宇宙から撮ったような映像だ。

「こ、これは……」

「ちなみにこーすると」

更に神様? がキーボードのような作すると……。

「日本……」

「はい、正解です。ちなみに転生する異世界ですが、9個の中から選んで構いません。更にある程度の容姿や能力を選んでいいですよ。」

「地球じゃダメなんですか?」

「あー、別に構いませんがー。別の個になりますねー。」

「別の個?」

「ええ、要は熊埜堂 林太郎には戻れない、ということですね」

「ああ、なるほど……あくまで転生であって復活ではない、と」

「そういうことです」

「異世界ねぇ……」

要するに小説などでよくある異世界転生させてあげるよってやつか……。うーむ、俺つえーや知識チートができると。更に容姿も能力もある程度選べると。

89歳にして言葉通りの突然の死をくらったわけだが……。どうせ第二の人生を始めるなら別の世界で? それとも同じ世界で別の道を……ってのもありだが、むむむ。

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「悩んでますねー」

「悩みますねぇ……」

「それはそうと怒らないんですか?」

「……何をです?」

「手がって殺してしまったのですよ?」

「あー……」

確かにこの人の「手がっちゃったてへぺろっ」で死んだわけだが……。ぶっちゃけ未練はそんなにない。と言うか無いな。

妻はもう先に逝っちまったし、子供もとっくに人、孫の顔も見たし? うん、未練ないな。

「まぁ、死んじまったもんはしょうがないですし?」

「さっぱりしてますねぇ……」

「ちなみに聞きますが、手がって無かったら何歳まで生きてました?」

「ん、んー……そうですねぇ」

ぽちぽち作してるな、分かるんだろうか?

「ふむ、94歳ってところですかね」

「ほうほう、死因は?」

「醫療ミス」

「おおい!」

「本當ですよ? ほら」

地球の映っていたディスプレイにつらつらと文字が浮かぶ。えー、なになに? ふんふん……。まじか……。

「いやー、ついてないですねぇ」

「我ながらついてないねぇ……ま、これじゃあたいして変わらんな」

「ま、この際さっさと忘れて、來世はどうします?」

「どーしましょうかね……」

「やりたいこととかあれば言って下さい。それができる、もしくはできそうな世界に能力持たせて送りましょう」

「隨分親切ですね」

「久々の話相手ですし? 別にここに殘って話し相手でもいいですよ?」

「そんな選択肢が……」

「ただ長くここにいるのはお勧めしませんけどねー」

「それはまたなぜです?」

「人間がここに長くいると魂がですねぇ……」

「……ふむ、聞かなかった事にしよう。さて、第二の人生か」

「魔法が使える世界にー、科學が地球より発展している世界にー、勇者と魔王がいる世界だったりー、あなたの世界で例えるならゲームのような世界? だったりありますねー」

「魔法! 魔法かー」

「使えますよ魔法」

「ゲームのような世界って?」

「あー、それはですねー。10番世界のことですね」

目の前の映像が変わった。地球のような球が映っている。

「あー、地球に似ていますが中は全然別ですよ。人間に獣人、エルフやドワーフ、更に霊や妖、魔はもちろん天使や悪魔まで盛りだくさんです。サイズも10番世界の方が大きい」

「oh... ファンタジー」

「この世界はスキルがあるんですよ。そのスキルは努力次第で誰でも覚えられます。10番世界はそういうコンセプトです」

「努力さえすればスキルを覚えられると……」

「スキルがないとダメーってわけではありませんが、スキルは作補助です。例えば調合スキルですが、スキルを持っていてもレシピ間違えれば當然失敗しますし、タイミング間違えても當然失敗します」

「スキルの意味……」

「レシピが分かったり、素材の狀態が分かったり、タイミングが分かったりがスキルの補助です。スキルレベルが上がればその度も上がります」

「あー、なるほど……」

「あくまで作るのはその人であってスキルではありません」

「ゲームみたいに素材集めたらスキル使ってはい完とはならないと」

「そーいうことです。ちなみにこの世界だと私のサポートがけられますねー」

「え?」

……つまりだ、この10番世界は他の9個の世界と違ってこの神様? が結構弄くり回しているようだ。この神様? は話を聞いている限りおそらく創造神なんだろう……。まぁそれは後で聞けばいいとして、基本的にこの人? は世界が滅びないように見ているだけで、滅びそうになった時のみ手をだす。だが、この10番世界だけは例外で、思いつきで種族を増やしてみたり、スキルを増やしてみたり、魔の新種を作ったりと結構やりたい放題しているらしい。だからこの世界だけはある程度サポートできると。それでいいのか? 神様……。

「では質問に答えますが、まず私は創造神で合ってます。そして10番世界ですが、この世界のコンセプトが生命の可能と私の遊び場です」

「質問まだしてないんだが……と言うか最後!」

「相手の思考を読むぐらいちょろいもんです。思考どころか相手の過去だって見れますし」

「あ、はい」

「行くなら10番世界、おすすめです。と言うか是非とも10番世界で私の手伝いして下さい」

「手伝い?」

「ええ、結構好き勝手やってるとは言っても限界があるんですよねー。あ、あいつ調子のんな! どーん! とかやるとヘタしたら世界の8割消し飛んだりしちゃうので」

「なにそれ怖い」

「ふっ、強すぎる力も困ったものです」

……なんかドヤ顔で言っているがそこはスルーしといて、創造神様のお手伝い。世界が10個ある中でずっと1つの世界を見ている訳にも行かないから俺に見ていてしいということらしい。見てろと言っても実際はその世界で生きいるうちはやばそうなとき直で分かるようにするとかなんとか。話してて思うが、この神様結構テキトーというか大雑把と言うか……。

「そんなもんですよ神様は。1人1人見るなんてできるわけもなく。と言うかめんどくさい」

「なんだかな……」

「ま、その代わり! 私の手伝いとして行ってくれるならかなりのサポートをお約束しましょう! ついでに話し相手にもなって下さい」

「最後が本音かな?」

「はい」

「俺の中の神様のイメージが崩れていく」

「そんなもんです神様。いっその事あなたも神様なります?」

「……は?」

「そうですねー、10番世界で空いてる席はっと……」

待て待て待て? 今この人なんて言った? 神様なるかって? そんな簡単になれちゃうもんなの!? 神様とは一……。

「私がやる分には簡単ですねー。10番世界というのが條件にはなりますが。おお? ふむ、太神と月の神が空いてますねぇ。どうです?」

「太神と月の神……え、神?」

「ええ、神。転生と言ったでしょう? 別なんか簡単に変えれますよ」

「ハハハ、どうせなら見てるだけより旅とかしたいので……」

「ふむ、じゃあ俗にいう現人神ということで」

「現人神と言うと確か……いや、いやいやいや! ダメでしょう!?」

「いいですね現人神、そうしましょう。私のお手伝いですし力はあったほうがいいですね。うん、簡単に倒されても困りますし、何より話し相手がいなくなってしまいます。それはいけません」

「」

空いた口がふさがらないとはこのことだ? まさかの神様確定? 89年生きてきて結構落ち著いたつもりだったが、神様相手じゃこんなもんかね……。

「太神と月の神どっちにしますー?」

「はぁ、もういいです。太神って男ですか?」

「男ですねー。とは言え神なので人間で言う男と言うよりはただの見た目的な問題でしかないけど」

「ふーむ……」

89年男で生きた。ふと來世はでとか若い時は思ったこともありはしたが……。

……ダメだこの人目が笑ってない。割とマジだ。そこまで手伝いがしいのか? ……これ違うわ、話し相手の方だ。うわ、ニッコリしてる。と言うか思考読むな。

うーむ。太神か月の神か……。どっちがいいんだ? そもそもこの2人って、神様は柱だっけか。この2柱何するんだ?

「あー、一応10番世界には既に3柱が存在しています」

「ほうほう」

穣と大地の神、戦と勝利の神、慈長の神、の3柱ね。これは自然発生した神々ね」

「自然発生……」

「うん、自然発生。だからあなたの方がその3柱より強くなるわね」

「……えっ!?」

「まあ、戦うことはないでしょうけど。それはそうと太神より月の神がお勧めねー」

「89歳のおっさんに神になれと申すか……」

「太神はちょっとねぇ……」

「何か問題ですか」

「あれは目立つから現人神にはできないかなぁ」

「なるほど」

「月の神は力がかなりのものだからお勧めよ。超優良件」

神……神ですかー。まあ、十分生きて死んだし神としてのんびり生きるというのもありなのかなぁ……いやそんな」

「うんうん、神様ライフ楽しみましょう?」

「あ……はい」

「私は與える知識を纏めますかねぇ……現人神だからっと」

これはもう拒否権無いですね。うん。

まぁ、別に男であることに拘りなんて無いからでもいいけれど、神……。

あ、なんか超ニッコリしてる。どうせ神なるなら人でお願いします。

「あ、そういえば魂もし弄らないとダメね……」

「えっ?」

なんかサラッと弾発言された気がする。

「神様なるのに人間の魂のままじゃ問題がね?」

「どう変わるんです?」

「そうねぇ。『魂はに引っ張られる』ということを聞いたことは無い? それは実際にあってね。ある程度バランスが取れないと非常にまずいのよ。『神の()』に『人間の魂』をれると間違いなく人格が持たない。その逆『人間の』に『神の魂』をれるとが持たない。と言うかが消し飛ぶ。1.5のペットボトルに海はらない。ここまではいい?」

「はい」

「せっかく転生するのに人格が壊れてしまったらそれは『あなた』とは言え無くなってしまう。それを防ぐために『人間の魂』から『神の魂』として作り変える。価値観がし変わったり、の波が緩やかになったりが主な変化かな?」

の波は……まぁわかるとして、価値観の変化ですか」

「あなたの世界から考えると……。人を殺しても大したことじゃなくなる?」

「ああー」

「と言うか人間至上主義ってあるじゃん?」

「人間こそが最高のなんたら?」

「そうそうそれ。人間こそが一番で他の種族はゴミだなんだってやつね。10番世界でも國によってはあるのよ」

「そうなんですか……」

「でも私達『神』からしたら人間だろうがエルフだろうが獣人だろうが『あ、そう』で済んじゃうのよね。」

「それは、まぁ」

「人間を頂點にその他とやたら優劣つけたいようだけど、私達からしたら人間を含めその他大勢でしか無いわけで、例えるなら人間が蟻ね。蟻の巣という街や國で働き蟻やら王蟻やら別に殺したところでなんとも思わないわけで」

「なるほど……」

「まぁ、10番世界の蟻は魔獣なんだけどね。変えるなって言うなら変えないこともできなくは無いけど、んな意味でお勧めはしない。人が死ぬところは普通に見かけることになる世界だからね」

「魔獣や魔?」

「うん。移中に襲われて帰って來ないとか普通にあるからね。別に蟻(人間)と話す気が無くなるとかそんな事はないからね? 『種族』として見るか『個人』としてみるかは貴方次第、個人的に気にったのがいれば加護をあげてみたり、孤児を引き取って育ててみたり好きにするといいわ」

「ふむ、むしろ価値観は変えて貰った方が楽ですか」

「楽だね。確実に楽。特にあなたの世界の人は……ね。目の前で人が死んでいちいち泣いたり吐いたりしてたら生きていけないわよ」

「あ、グロ耐も付くんですね」

「それが『普通』ってことになるからね。は喜怒哀楽の怒の部分は確実に弄るわ。簡単にキレられちゃね……」

「ふむ……。じゃあお願いします」

「任せなさい。悪いようにはしないわ」

真っ白い世界で創造神様とこたつで話すこと早數時間……。數時間? そういえば時間ないし太もないからわからんな。どのぐらい立ったんだろう? まぁ、いいか。

「さて、人がいいってことだけど的には? どのぐらいの長がいいとか、髪の長さとかとか」

「うーん……」

そう言われてもなぁ。人とかで真っ先に出るのはアニメとかの2次元キャラ? アイドルとか蕓能人なんかどうでもよかったしなぁ。

「ふむふむ」

もしかしなくても:思考読まれた。

はこれでよしっと。後は……ああ、そうだ。あなたのお仕事ね」

「お仕事あるんですね」

「神様としてのお仕事よ。世界が滅びそうな危険があった場合いてくれればいいから。逆に言えば滅びそうにならない限り一切かなくてもいいわ」

……つまり、『世界の滅びそうな危機』には必ず『神』としていてしい。それ以外は好きにするといいって言うことか。

あれ? この世界大丈夫か? もしかして俺次第?

「そうよー、あまりお勧めしないけど知的生命殲滅してもいいわよー」

「お勧めしない? ダメじゃなく?」

「別にいいわよ。ただ、話し相手私だけになるわね」

「……それは寂しいですねぇ」

「そ、だからお勧めはしない。」

「ふーむ……」

「簡単に纏めるわよ?」

ぬ、突然の真顔。さっきまでとは明らかに空気が違う。

なんだろう、神様っぽい。

「っぽいじゃない。神様です。あなたの今後を決める真面目な話よ。しっかり考えなさい?」

「はい」

「あなたのお仕事は『世界の滅びそうな危機』が起きた場合に私の代わりに原因を排除してくれればいい。で、それ以外はあなたの好きにしていい。神と知らしめても、人間に紛れるもよし。冒険者として世界を歩き回るも自由」

「かなり自由ですね?」

「いいのよ、そんなんで。神なんかじゃなく、人間とかエルフがいいと言うならそうするわ。あなたの今後を決める大事な事。しっかり考えなさい」

ふむ、神か……。人じゃないから3大求はないのか。食事がいらず、寢る必要もなく、はそもそもがない。食べる事はできるし寢ることもできなくはないか。飽きたら山なり森なり海なりに隠居して寢て過ごし、數百年後に変化を楽しむ旅に出るとかもできるな……。全スキルレベル最大のスキルコンプリートを目指すとか。肝心のお仕事だけど、排除するための力は貰えるみたいだし問題はないか? んー、別になんでもいいかな?

「じゃ、神決定」

「あ、はい」

「まぁ……、辛くなったら言いなさい。何とかするわ」

「分かりました」

「うん、じゃあ早速行こうか」

「はい」

それじゃあ、あなたに新しい名をあげる。

あなたの名は……そうね、ルナフェリア。

……いってらっしゃい、ルナ。起きたら連絡してちょうだい

その聲と共に意識が無くなる。微睡みへとわれるがままに。最後に見たのは母の様な優しい微笑み。突然終わった89年の人生。でも、これから神としての永い永い日々が始まる。これは、月の神の気ままな語。

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