「終わったわよ」

「呼んできます！」

テアさんが走ってった。大変だなあの人。今日だけで何往復してるんだ？

座って待ってたらドタドタと音がして扉が開き、強面おじさんがいた。

「おう！　早すぎんだろ！」

「シードラゴンだけだったわよ。多分」

「なんだ、多分って」

「飛び抜けた魔力量は他にいなかった」

「ああ、なら問題ないだろう。現場の被害は？」

「なくとも私が著いてからは無いんじゃない？　”ドラゴンブレス”はけ止めたし、戦闘は船があるより奧、沖に出て戦ったし。著く前は知らない」

「ふむ、そうかそうか。ああ、報酬の話だが、シードラゴンのサイズで次第で上乗せするとか言ってたぞ？　後素材は別料金な」

「どこが売れるの？」

「龍種は全だ！　牙に爪、目や鱗はもちろんだって薬になるぞ！」

「は？」

「當然食う！　高級食材だ！　シードラゴンなんかめったに取れん！　基本こっちが餌だからな、がははは！」

「……ふむ。解ナイフ頂戴？　報酬から引いといて」

「テア！　ナイフ！」

スッ。　テアさんが無言でナイフを取り出した。

「登録した直後ですし、持ってないだろうなと」

「そ、そうか」

テアさん優秀ですね。

「さて、どこで解しようか」

「隣に買い取った魔素材の保存や解をしてる場所があるぞ」

「４０メートル級る？」

「は？　るわけねぇだろ。そんなでけぇのかよ。そんなのどこに……って”ストレージ”か」

「そうよー。王都の外で解して、持ってきたほうがいいかしら？」

「あー、ちょっと待ってくれ。どうせなら騎士にも解する前に見てもらおう。解ナイフの使い方は大丈夫か？」

「突き刺すだけじゃないの？」

「テア、説明してやってくれ。俺は連絡れてくる」

「はい」

テアさんから説明をけたが、素晴らしき、ゲーム仕様解ナイフ。

言われた通り、ステータスリングにナイフを當て、リンクさせる。

するとステータスリングの設定に解ナイフの設定が追加される。

皮のサイズ、のサイズ、蔵やはどうするかを設定するとその通りにその場に解されるそうだ。當然れは自分で用意する必要があるそうだが。

よって、まず解ナイフを使う前に抜き。

その後にナイフで皮やなどに分ける。多殘っていたはしょうがないと。

皮は基本１枚で、後で使うところやしいところを自分達で切るんだってさ。

抜きして、お腹切って中出してとかしなくて良いんだね！

ちなみにこのナイフもアーティファクトでした。まあ、ですよね。

は部位ごとに１キロブロック分割にしとこうか。

説明聞いて設定してたらギルマスが帰ってきて、設定終わる頃に騎士が來た。

「おや、隊長」

ヘルムート隊長だった。ご苦労さまです。

隊長は私を顔、、お腹、足……と流し見て……

「ルナフェリア様……なんかでかくなってません？」

「大１５歳。流石にすぎると思ったんだけど、全然びなかったね。まあ、これに吸われたんだろうね」

むにむに。

「そうですか？　結構びたと思いますけど……」

「５年で１４センチよ。１０から１５の５年で。全然でしょう？」

「……確かにそうですね」

「まあ、やたら付きが良くなってが育ったのだけど、それは置いといて……」

ギルマスの方に視線を向けると……。

「おう！　じゃあ移するか」

「西門を出たところでお願いします」

「分かったわ。じゃあ行きましょう」

ギルマスと隊長と一緒に外へ出ると、１番隊の騎士が數人ほど待機していた。

馬車で。解するがだけに、見張りらしい。……それだけでは無いようだが。

貴族達への牽制も兼ねてるんだろう。１番隊、しかも隊長付きだ。

４０メートル級のシードラゴンを単獨討伐。騎士はともかく冒険者達の前でもやったから、報規制や報作は恐らく無理だろう。

そうなると當然私を取り込みたい、もしくは縁を持ちたい者が出てくるだろう。

しかし私の正を知っている王族からしたら『余計な事をするな』一択だろう。

そこでそれらを牽制するために隊長付きで１番隊をかした……と言うところか。

まあ、その辺は任せよう。馬車に乗り込み移。王都広いんだこれが。

「ん、ギルマス？」

「おう、なんだ？」

「シードラゴンのってどのぐらいの量で取引される？」

「大１００ミリリットルだな」

「ないのね……」

「ドラゴンのですからね。それでも結構な値段しましたよね？」

「うむ、するな」

「ふむ……。問題はあれからどれ位取れるかね……」

４０メートル級のシードラゴンってどのぐらいよ？　……知らんがな。

５リットルのれ數個用意して、１００ミリリットルに分ければいいか。

そういえばこの世界って単位が一緒なんだな……。

まあ、理由なんてどうでもいいか。

創造神様との話題として頭の隅に追いやっとこう。

「……《質創造》」

《質創造》でガラス板を作って《魔導工學》で形を作る。

《魔導工學》は生産スキルで、実は家を作ってる時にスキルを取った。

このスキルは魔道を作るための魔法陣の書き込みや、魔石の加工ができたり、魔裝を作るための魔導文字を書き込んだりできる。

《魔導工學》を使用するには対象にれている必要があるが、便利なのは確か。

スキルレベルは無く、どこまで魔法を理解しているかが全てらしい。

魔法やスキルの簡単な説明はポップアップで出るけど、結局はどう使うかよな。

まあ、何ができるかとかは後でのんびり研究しよう。どうせ時間は沢山ある。

ガラスを作ってからガラス瓶に加工して數個作する。

作っては投げ、作っては投げ。”ストレージ”にね？

ある程度作ってから顔を上げると、皆がガン見していた。

「どうしたの？」

「……何も言うまい……」

「ガラスと言う質でれを作っただけよ」

「ガラス……ですか……」

まあ、ガラスはガラスでも強化ガラスだけど。

「隊長！　到著しました！」

「分かった！　では、解しましょうか」

ぞろぞろと降りると、西門からちょっとだけ離れて、道からし逸れた所だ。

至って普通の平原である。通行人いるが？

……まあ、騎士がここで良いって言ってるんだから良いか。

さて、問題はどうやってを抜くかだが……。

……実見ながら考えるか。

空中に手をばし”ストレージ”に腕突っ込むと、途中から腕が消える。

シードラゴンどこだこら。あ、これか。

「出すわよー？」

「おう！　頼む！」

「お願いします」

”ストレージ”の中のを摑んで引っ張りだす。

「どーん。……あっあっ」

頭から直立で出てきたシードラゴンのが王都の方に……。

「「「ちょ！」」」

「”プレスティージオ”」

倒れるけど途中で止める。

「はーい、倒れるのはこっちよー」

王都とは逆側にそっと寢かせる。

「ルナフェリア様……勘弁して下さい」

「……今のはわざとじゃないわよ？」

ヘルムート隊長が超見てくる！　めっちゃ疑ってる！

ぷいっと視線を外す。

「さて、どうを抜こうかしら……」

「……ハァ」

溜息つくんじゃないよ隊長。ギルマスに肩叩かれてるし。

私の味方は居なかった。

「誰もシードラゴンに近づけぬように！」

「「「は！」」」

思ったんだけど、普通のガラス瓶じゃダメじゃない？

って空気にれちゃダメだよね？

ああ、でも”ストレージ”だと時間経過ないのか……。

うーん、もう瓶とか言わずタンク作るか。

下の方に蛇口みたいの作ってそこから小出しできるようにしよう。

そのタンクから余分な空気を抜いて、冷やしておく魔道にしてしまうか。

人間のの場合、分離させて保存させてたような気がするけど、調合に使うこれはどうなんだろうね。

まあ、さっさと作るか。蓋はゴム使って完全に閉。

更に蓋部分に《風魔法》で中の余分な空気を抜いて貰って……。

蓋とは別に本の方は《氷魔法》で部を冷卻っと。

壊れないように《魔導工學》の”リインフォースメント”を忘れずに。

強化ガラスも真っ青の耐久になってるが、都合がいいから気にしない方面で。

これにれて”ストレージ”に放り込めばいいな！

氷に開けて、に結界張って水が混じらないようにタンクに移すか。

後はオリジナル魔法の方でを抜くか……。

どうせなら真空の中で作業するか。私に影響ないし。

「それじゃあ、作業するわね。結界部にらないように。死ぬわよ」

「えっ？」

「中の空気抜いてだけ処理しちゃうわ」

「お、おう。とりあえず結界にらなければ良いんだな？」

「そうね。……あ？　待って」

「なんだ？」

「……真空にしたら氷って……昇華する？　フリーズドライの完？」

……ダメだねこれは。

「何言ってんのか全然分かんねぇ」

気にしないでくれギルマス。

「やっぱなんでもない、普通に抜くわ……」

「お、おう」

難しく考えるのをやめよう。魔力でゴリ押し１番。

開ける部分の氷を《火魔法》で溶かします。

結界で筒を作り、シードラゴンとタンクを繋ぐ。

後はシードラゴンにを開けて、を流し込むっと。

ダバダバ、ダバダバダバ。

「を抜いたらナイフぶっ刺せばいいのよね？」

「そうだな」

しばらくしたら全部抜けたので、解しますか。

シードラゴンを１回浮かせて、まず氷を砕いて外そう。

氷にそっと手を添えて……

「ブレイク」

ピシピシピシ、パリィン！

そしたらシードラゴンの下に”マテリアルシールド”でを作る。

そんでナイフをぶっ刺す。

するとナイフから無數のがシードラゴンのに走り、設定通りに分解された。

「おおー。面白いわね」

「未だに原理が分からないんですよね、これ」

「そうなのね」

「まあ、気にしてんの一部だけだがな」

私も原理は別に知らなくてもいいかな。

創造神様に聞いても『そういう』って返ってきそう。

端っこに”ストレージ”を開いて、”マテリアルシールド”ごと突っ込む。

これで回収完了したので皆で撤収する。

隊長さんも含め、１人１キロずつをプレゼントした。

羨ましそうな顔で見てくる強面のおっさんがうざかったのでちゃんとあげた。

とか數えるのも面倒だから、こんな數個ぐらいあげてもいいだろう。

數十トンは普通にあるだろうからね……。細い言っても４０メートル級だし。

冒険者ギルドに戻ってギルマスとや鱗、に爪や牙などの値段を決める。

隊長達はサイズは見たので一旦戻って、お金を持ってくるらしい。

そう取れるもんじゃない挙句に狀態もいいため、かなり高値になる。

本來はギルドが冒険者から買い取って、ギルドで保存し、相手と取引になるが、今回は討伐した私が”ストレージ”で保存が完璧というのと、後で私を害そうとしても不可能――権力的にも――だろうと言う事になり、ギルド、私、相手との話し合いで値段を決め、決まった値段の數％をギルドへ渡すことになった。

珍しいだけに取引額がほぼ言い値のため、この方が儲かる。

ギルドが報と取引場所を提供してくれるし、買い手が來たら呼んでくれる事になった。

必要な事は決め終わってししたら、ヘルムート隊長が來て平民なら數十年は暮らせるだろうって金額の報酬を貰った。

多くない？と聞いたら、港街潰されるよりは安いもんだと。

ついでに王様が食べたいから売ってしいと。

……しょうがない、お城行くか。