《転生先は現人神の神様》19 城壁と魔法裝置
さて、さてさて。
城壁そのは《土魔法》で良いけど、それだけじゃつまらないよねー。
ただの城壁じゃつまらない。となると、魔法裝置にするか? うーん、うーん。
1回整理しよう。
城壁に必要なのは、耐久力に防力。當然だな、壁が脆かったら意味が無い。
ただ、城壁って上空には無力。この世界は攻撃ヘリとかは無いが、代わりにドラゴンとか飛行タイプがいるし、人も飛ぼうと思えば一応飛べなくもない。
それを考えると対空はあるに越したことはないんだが……。
結界をろうにもこの王都の規模はなぁ?
魔力タンクを用意し、"メディテーション"で普段から溜めておく。
更に敵魔法を分解し吸収。それらを使って"マナシールド"を展開する?
魔法吸収機構か……鬼門だな。
マナが魔力になり、魔力が魔法になり、魔法はマナへと戻る訳だし、できなくは無い、かな? あ、そうか。魔力が魔法になるが、魔法は魔力の塊か。
”マジックシールド”は魔力の通過を防いで魔法を防ぐ盾だもんな。
じゃあ難しくないな? 魔法じゃなくて魔力として捉えてしまえば良い。
魔力がれたら吸収する外壁にすればいいんだな、よしよし。
魔力を吸収し、余剰分で"マナシールド"を張り、戦闘モード時更に余るようなら"魔力収束砲マジーアキャノン"で薙ぎ払うと。
案は決まった、後はこれをどう形にするかだ。壁の形やサイズは指定されなかったし、これに合わせて作ろう。
・・・・・・
・・・
・
あーでもない、こーでもないと脳シュミレート。そんなこんなで指定した3日。
「ふーむ、やっぱこれか……?」
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「ルナフェリア様ー。治安部隊の者ですがー」
「むん? どーしたー?」
「城壁の全て撤去完了しました」
「そう、分かったわ。では始めましょうか。さ、引っ越すわよー」
「「「わーい」」」
霊達は、今日も元気です。ええ、そりゃもう。
「北門行くけれど、貴方はどうする?」
「私は城へ戻ります!」
「ん、分かったわ。お引越しは壁壊してからね」
「やあやあ、早速始めようか」
「我々は何かすることありますか?」
「あー、そう……ねぇ。ちょっと待って」
魔眼で王都全を確認する。
「王都にるために並んでる人達が邪魔ね……。全部るまで待つと言うのは無理だから、そうね。私が城壁作る範囲を示すから、それより外側で検査してくれる?」
「分かりました。では早速指示を出しに……」
「ああ、そうか。それも私がするわね」
「はい」
《風魔法》で王都全に拡張する。風の霊達も手伝ってくれるから非常に楽。
『私よ、騎士の皆聞こえる? 今から城壁予定位置を示すわ。作業の邪魔になるから、それより外側で検査をしてもらえる? 各門の列が予定地より外側になり次第作業を開始するわ。パトロール中の治安部隊の皆は城壁に人が近づかないようにして頂戴。今あるのは崩すから近くにいると埋もれるわよ。ちなみに今回の城壁はステータスボールに変わる機能も追加予定よ。楽しみにしていて? 以上よ、よろしくね』
「ステータスボールに変わる機能ですか?」
「そうよ。今は1人1人見て、荷もチェックしてだから効率が非常に悪い。それを解消するための機能をね」
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「そ、そんな事が?」
「とある魔法裝置を門に設置するだけよ。貴方達騎士達は問題があった場合のみけば良い。それ以外は見送るだけでいいわ」
「お、おお」
「まあ、まだ」
城壁予定地を指定して、魔眼で列が外側になるのを待つ。
お城から騎士達がゾロゾロ出てきて、船で各門へ向かったと思ったら手伝いを始めた。これならすぐ終わりそうだね。
今ある城壁を崩して出た土を再利用するとしても、確実に足りないから地面から回収しよう。が空くけど、水路作るのに出る土で埋め立てればいいでしょう。
計算上材料は問題なく足りるはずだ。デザインも決まった……な。
・・・・・・
・・・
・
騎士達が頑張ったおかげで列が外側まで行った。さあ、始めようか。
『全ての列が外側まで行ったのを確認したわ。さてさて……ふむ、悪くない城壁ね、しっかり"リインフォースメント"もかかってるし、対魔法耐もなかなか。これを作った者達は優秀だったようね』
手でれた箇所から魔力を流し、城壁全に行き渡らせる。
『……これから新しい城壁として生まれ変わらせてあげる。お疲れ様。"ウォールブレイク"』
その言葉が王都全へと響いた時……。
ピシ! ピシピシ!
と、數百年に渡り王都を守り続けて來た城壁から音が聞こえ始める。
ゆっくりと城壁に無數の亀裂がって行き、外側からポロポロと崩れ始める。
一気に破壊しないのは當然飛び散らないように、できるだけ靜かに壊すため。
そして、今まで數百年頑張って來た城壁は、安らかに眠りにつくかのように、靜かに、靜かに城壁という形を失って行った。
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城壁のあった場所に殘るのは、城壁だった土の塊。
今度は地面に手を置き、《土魔法》を使用する。すると塊が一斉にるようにき出し、予定地へと移する。當然川は避ける。自分も予定地へと"ジャンプ"。
これで、準備は整った。
城壁の作にる。
『さて、作りましょう。形は星形正十六角形ヘキサデカグラム。中から、外から見たパット見は円形。でも空から見ると星形。頂點となる16箇所は櫓やぐらにしてっと』
ふんふふーんと、鼻歌が聞こえそうな程度には軽くやっているが、やってることは明らかに化の所業である。
數十キロに及ぶ都市城壁を一箇所からかずに、1人で、見る見るうちに作り上げていく事なんかできるわけがないのだが、そこは魔法に特化した月の神。簡単にやっている。まあ、ルナからしたら今作っているこの城壁はただの土臺で、本番はこの城壁に刻む魔導回路と魔導文字の方なのだから、當然である。
・・・・・・
・・・
・
そして、土臺となる城壁が完する。
『んー、よしよし。そしたら門を開けてっと。先に門を魔法裝置にしようか』
門に設置する魔法裝置といえば、俗にいうセキュリティーゲートですよ。
盜賊とかの犯罪者が潛ったら警報が鳴るので、鳴ったら騎士達が取り押さえる。
當然妨害系魔法対策も萬全。そもそも、魔法がかかっている時點で問答無用。
王都にるのに強化魔法とか必要ない。りたければ全部切れ。
荷馬車などに積んでいる荷も同様。
魔道などがあった場合、犯罪者達とは別の警報が鳴る。鳴ったら騎士達がチェックすればいい。
北門から東門へ移する。こっち側はマーストがあるため、商人達の行き來が激しい。そのためテストには丁度いい。ということで東門を魔法裝置に改造する。
「やあ、ちょっと協力してくれたまえ」
「おっと、ルナフェリア様。何をすれば?」
「ここに並んでる人達を通して門を潛らせて。騎士達はこっち來て頂戴」
「は、はあ。おいお前達、ちょっと集まれ」
騎士達を門の側で、門を見張るように配置する。そしたら商人達に門を潛って貰う。何人か通って貰っていると、オレンジにった。
「む、止まりなさい。騎士達數人で荷を調べて。なんか魔道があるはずよ」
「は、はい」
商人と荷を橫にずらし、荷をチェックさせる。その間も並んでた商人達は門を潛って行く。黒は裝置自に何かしらの問題が、緑なら正常作しているサイン。
通った時にオレンジなら魔道が、黃なら何かしらの魔法使用、赤なら何かしらの犯罪者であることを教え、別の門もセキュリティーゲートへと改造していく。
これで、門は効率化が完了。
後は魔導回路と魔導文字だ。これからが本番だが、その前に引っ越しだけ済ませておく。地面ごと家と果樹、サトウキビに魔法裝置をお引越し。”マナシールド”とマナ濃度一定化の結界を土地にっておく。
さて、仕上げと行こう。
回路と文字を城壁の側に刻む。ただ、パット見はそうと見えないように、だ。
大樹や果実、妖に霊、霊王はもちろん太や月、畑などの絵畫を刻む。
パット見は城壁側に書かれた絵畫、実際は魔導回路と魔導文字を駆使して書かれた魔法陣その。いやあ、考えるのに苦労した。《思考加速》して頑張ったよ。
効率を捨てるわけにもいかないから、あーでもない、こーでもない、これじゃ絵として変だなんだと大変だった。面白かったから後悔はしてない。
16箇所の頂點である、櫓やぐら部分に大樹を配置し、それが"マナシールド"をる際の基點になるようにした。
大樹のの部分から上に輝いていき、上空にシールドを張ると言う無駄に洗禮された無駄な演出付き。こんなことしてるから苦労するんだ。
これらを脳シュミレート通りに刻んでいく……。ズレなく、無駄なく、丁寧に。
絵自が無駄だ? 気にしたら負け。
…………ふぅ。流石にこれは時間かかった。最後に"リインフォースメント"をかけて。
城壁の完だ!
ファーサイス魔導城壁 アーティファクト
    ルナフェリアの作品。
    王都ファーサイスを囲む難攻不落の城壁。
    れた魔力を吸収し、防衛機能へと回す。
    セキュリティーゲートを蔵している。
セキュリティーゲート アーティファクト
    ルナフェリアの作品。
    都市の門に配置し、潛った者の職業や荷をチェックする。
    基本的に潛らせるだけで良いので、ステータスボールより効率的。
    マナと魔力、魔法、全てをチェックしているため、無視する事はまず不可能。
相変わらず早いポップアップだこと。ファーサイス魔導城壁だって。
ふふふ、現狀の最高傑作ですね、分かります。
れた魔力、魔法を含め吸収し、それを使用し上部に”マナシールド”を張る。
"マナシールド"の維持に十分な場合、"魔力収束砲マジーアキャノン"を攻撃された側、つまり吸収した魔力の多い方向にぶっ放す。
當然飛び越えられない高さの城壁に加え、取り付いた場合も、城壁にれればその部分から魔力を吸収するので、その部分の側の魔法陣がる。よって場所も丸分かりである。
更に"メディテーション"で常にマナも吸収している。
まずは城壁そのの魔力強化。これは"メディテーション"の魔力で常時。
余剰分を魔力タンクで保存。
隊長格はタンクの魔力を使用した"マナシールド"の展開作を可能。
手作はもちろん、城壁への敵魔法を知したら自展開。
空からの手段がないなら防衛戦最強だな。この王都は自給自足が可能だし。
城壁を落とすために攻撃魔法を撃てば吸収される。理攻撃で壊そうにも私が作った城壁だ。そう簡単に壊れやしない。
さて、後は水路を作って、城壁作るのに使って空いた部分を埋めるかね。
その頃王城では。
執務室から外を眺めつつ國王、宰相、騎士団総隊長の3人で話していた。
「ほんと、とんでもないな」
「とことん味方で良かったですよ。騎士達も鍛えて貰ってますしね……」
「そうなのか?」
「ええ。とは言っても、あの方も我々を相手にトレーニングしているようですが、圧倒的に強いので、ほぼ我々が相手してもらっているようななんですよね」
と、苦笑じりに総隊長が言っている。
「最近は水でできた殺傷能力0の剣を10本り、10人の騎士を相手にしているんです。1人1本縦橫無盡にく剣を捌きながら、ルナフェリア様本に近づくと言うトレーニングですね。ちなみに剣にれると濡れるだけですが、死亡扱いとなり失格です」
「お、おう……」
「たまに20本、1人2本だったり、20本で20人同時だったりしますが」
「あれだけの事ができるのにトレーニングですか……」
「ルナフェリア様は経験の差は如何ともし難いと仰ってましたね。後、力のゴリ押しはスマートじゃないとも」
「そ、そうですか」
「まあ、騎士達は順調に強くなっていますよ。失敗しても濡れるだけなので思いっきりできますし、萬が一にも怪我をしても治して貰えます。何よりあの容姿なので楽しそうですね、奴らは。そこらの令嬢どころか王族すら霞む挙句に、騎士に変な夢見てないですし。ただ、最近一部がドMに育ち始めました」
「おい、大丈夫なのかそれは」
「まあ、騎士としては例え腕を切り飛ばされても怯まないので優秀と言えますね。人間としてはちょっとどうかと思いますが」
総隊長は苦笑しながら答えるが、國王と宰相は眉間を抑えている。
「ま、まあ騎士や我々との関係は良好と思っても良さそうだな? 問題は貴族達だが……」
「現狀これといったきはありませんね」
「我々騎士からすればお世話になってるのもありますが、あの方の強さや格を1番理解しているのも我々でしょう。そう言う意味では騎士を持っている家は下手な事はしないかと。ちなみに騎士達の間では一種のアイドルと化しているので、あの方の味方するでしょうね……」
「アイドル……」
「結構やんちゃですよ、あの方。やんちゃやってる時は非常に楽しそうで微笑ましいですよ? 容の高度さに目を瞑ればですが」
「高度さ、ですか?」
「イメージからのオリジナル魔法で遊び始めるんですよね……」
「ああ、なるほど……」
と、そんなこんな話していると。
「國王様、出現しました」
「ちょい、名前省くな」
「……ああ、っていいぞ」
國王が許可を出すと、話題の本人がってきた。
「最近私の扱いがてきとーになってきた件について」
「……そんなことは、無いだろう?」
「微妙に間があった件について!」
と言いながら頬を膨らませている。が、それもすぐに戻り。
「まあ、良いんだけどね。最近取り繕うのも面倒になってきたからね」
「おう、ちゃんと被っとけ?」
「ドラゴンを被る……」
「碌な事にならなそうだな?」
「まあ、そんな事はどうでもいいのよ。城壁の仕様を説明するわね。機能なんだけど……」
と、ファーサイス魔導城壁の3つある防衛機能を教える。
「うーむ、ただ壁作るだけじゃないだろうとは思ったがな」
「私の[稱號]に[魔導技師]がついたから魔裝だね」
「世界最大じゃないでしょうか……」
「そうでしょうね」
魔道と魔裝の違いだが……。
魔道は魔導ランプや魔導コンロなどの魔法の道。
魔裝は所謂マジックアイテムと言われる、武や防などの魔法の武
戦闘に使用するかしないかで覚えるのが早い。
ついでに土地の位置も確認して撤収する。
「1人1個ずつお食べ」
と、我が家で採れたペルシアを置いていく。これがかなりウンマイ。
仮にも國王様に渡すんだから高級品のマスカットと言われるかもしれんが、我が家のマスカットは食えたもんじゃないのでな。あれは何度も言うがジュース専用。
聖域と化した我が家で採れる果実は、どれも最高級品に値するので問題ない。
私が割りと好き勝手やってるのも、こうしてみつぎ……手土産を渡していたり、魔導城壁なんか作っちゃったり、シードラゴン倒したりでなんやかんやと國に貢獻しているため、あまり強く言えないのだ。ふはは。
簡単に言えば利害関係の一致。
私はこの國でのんびり過ごしたい。この國は私が居るだけで恩恵がある。
その最たるものが、聖域かられる霊の加護。
私が居る→霊達が集まってくる→霊達の力が私によって活化され、周囲に強い影響が出る→農作の品質上昇、収穫量増加、長速度の増加などがおきる。
というわけだから、ぶっちゃけ聖域かどうかは関係ない。
そして今回私が土地をしいがため、城壁の作と。
私が好き勝手やって損するなら文句も言うだろうが、どう考えても得であり、私が王都を出て行ったら、霊達も移する事が容易に想像できてしまうので、機嫌を損ねる事は避ける。私が居なくなった時點で恩恵がなくなるからだ。
ちなみに、出かける分には問題ない。私がそこに帰ってくるのが分かっているので、霊達はお留守番している。
マナ濃度が結界によって一定を保っているため、そこが過ごしやすのもあるが。
そんなこんなで、私は快適に過ごせている。
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