《二つの異世界で努力無雙 ~いつの間にかハーレム闇魔法使いにり上がってました~》そりゃ自分の死を見たら驚くよね

「……ふう」

どっと疲れが沸き、俺はため息をつく。

いくら魔法使いといえど、所詮は高校生。命の危険をじるや、彼らは一目散に逃げていった。古山章三を除けば、リベリオンの連中はたいした驚異になりえない。

もちろん、佐久間祐司のように、ステータスとは関係なく特殊能力を持っている可能もある。

だから油斷はできないのだが、これまでの戦いを経て、そんな魔法使いはそうそういないと思うようになってきた。だからこそ佐久間もナンバー2たりえたのだろう。

もし他にそんな魔法使いがいるとしたら、間違いなく、このだろう……

俺はそう思いながら、背後の彩坂を振り返る。彼も最初は俺に加勢しようとしていたが、途中からぽかんと口を開けて俺の戦いを見守っていた。

彩坂育

レベル5にして、《時空転移》なる反則スキルの持ち主。

そしてその飛び抜けたスキルがあったからこそ、二つの異世界は危ういところで均衡を保てている。俺がいまこうして生きていられるのも、間違いなく彼のおかげだ。

そんなと俺はいまや人関係にあるということがいまだに信じがたいーーのだが、いまはそんなことを考えている場合ではない。

「どうするか……高城……」

「うん……」

俺の問いかけに彼も沈鬱に頷く。

あまりに急に死んでしまったために、どうも実が沸かない。いますぐにでもひょっこり顔を出して、「吉岡くん!」と顔を出しそうなーー

「吉岡くん!」

「えっ」

さすがに驚いた。

振り向くと、そこにはドンピシャで高城絵の姿がーー

いや、違う。

たしかに高城には違いないが、彼は俺の知る絵ではなく、異世界の高城絵だ。つまり、彩坂をいじめていた張本人。

まずいと思ったのか、彩坂はさっと絵の死の前に立った。

俺もが見られない角度に移しながら、高城を迎えれる。

「ど、どうした、いったい」

「彩坂さん、いる?」

「え?」

「ちょっと話したいことがあってさーーって、あ、いたいた」

「あ、待てそっちに行くなーー」

つかつかと彩坂に歩み寄っていった高城は、見てしまった。

もうひとりの自分の死を。

高城は數秒だけ目を瞬かせ。

「いやああああああああああっ!」

に響きわたるような大音量で、盛大な悲鳴をあげた。

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