《二つの異世界で努力無雙 ~いつの間にかハーレム闇魔法使いにり上がってました~》命をかけて
くそ……!
俺は心で舌打ちをかました。
古山の手には、まだあの忌々しいトランプカードが握られている。
対して、俺は雙剣を二つとも失ってしまった。まだ戦えるだけのMPは殘っているが、この狀況は明らかに不利だ。
加えて。
「古山さーん! 頑張ってください!」
「よければ俺も加勢するぞー!」
周囲では、五十人もの構員が、俺たちを囲んで騒な聲をあげている。
仮に古山を倒せたとしても、まだ大勢の敵が殘っている。それだけでなく、この構員たちが古山に加勢する可能も充分ありうる。そうなれば勝算はゼロだ。絶対に勝てない。
だが。
俺は全に魔力を込め、スキル《闇の雙剣》を発した。
あまりにも絶的な戦況。
でも引くわけにはいかないのだ。
俺はいま、佐久間祐司と、高城絵、二人の命を背負っているのだから。
「おいおい、勝てるつもりかい? こんな狀況でさ」
「知らん」
やらないわけにはいかない。俺がやられれば、きっと彩坂も危ないだろうから。
俺は覚悟を心に刻み、
「おおおおおおっ!」
一心不で古山に飛びかかった。
戦いの最中、彩坂や佐久間がなにやら口論しているのが聞こえた。
だが、そちらに耳を傾けていられいられる余裕はない。
俺は目の前の戦いにのみ意識を絞りながら、この絶的な戦いへとを踴らせた。
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