《裏切られた俺と魔紋の奴隷の異世界冒険譚》362話
「……ごめんなさい。…え?……あれ?」
し落ち著いたことで恥ずかしさが込み上げてきたのか、リッシーは俯いたまま申し訳なさげに離れようとした。だが、指が俺のシャツに引っかかって離れられなかったようで、焦った聲をらしながら解こうとしていた。
俺も手伝おうかと思ったんだが、これは引っかかったというか、強く握り続けたせいで指が固まっちまったんじゃないか?
前に妹の歩も同じ狀態になったことがあるし、焦らなくても放っておけばそのうちくようになるはずだ。
力ずくで外そうとし始めたリッシーの両手を握ると、リッシーがビクッと反応した。
握りつぶされるとでも思ったのか?
さすがに戦闘中じゃねぇのにそんなことはしねぇよ。
「力み過ぎて一時的に指が固まっただけだろうし、し放置すれば普通に外れるだろうから焦るな。無理に外そうとしたら無駄に怪我するだけだから、とりあえずさっきの戦闘についての話でもしておくか。そしたら話しているうちに指も緩むだろ。」
「え?あ…はい。」
さっきまで恥ずかしさからか申し訳なさからかで俯いていたリッシーがなぜか呆けたような顔を向けてきた。
リッシー的には予想外だったのかもしれないが、べつに戦闘毎に反省會をするのはおかしなことではないだろ。まぁ話を聞く姿勢にはなったようだからいいか。
「まず聞いておきたいんだが、なんで最初に同じ攻撃をしてきたんだ?」
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「そ、それはリキさんに勝てる可能が1番高い攻撃だと思ったので、使わないわけにはいかないと思いました。強めの『グラビティ』を使えばきを封じられると思ったので、多の対策を取られていても勝てると思っていました。ご、ごめんなさい。」
「いや、謝る必要はねぇよ。何も考えずに同じ行をしたわけじゃないなら問題ないしな。実際、名剣リッシーと『グラビティ』の組み合わせは良かったと思うぞ。普通のBランク冒険者相手に初見ならほぼ確実に殺せるだろうしな。ただ、格上相手に同じ攻撃をする場合は多工夫したところで対処されると思った方がいい。初見なら驚いて対処が遅れることはあるが、予想できる攻撃なら見てから余裕で躱せるからな。『グラビティ』もあのくらいの重さなら力技でどうとでも出來るし。本気でやるなら『グラビティ』だけで潰すくらいの強さでかけるべきだろう。」
「よ、余裕で……あれ?でもリキさんのランクって……。」
「あぁ……Fだ。」
「あ、…はい。」
リッシーがまた俯いた。
さっきのBランクってのはフレドたちくらいならって意味で、俺はランクを上げるのを面倒がってるだけだからそこで落ち込まれても困る。Sランクのマナドールには慘敗したが、クレハには勝てるからAランク上位ではあるはずだし。
「俺はランクを上げるのが面倒でそのままなだけで、Aランクのやつになら勝て……そういやギルドからSランクの試験をけないかとかいわれてるし、実質Sランクみたいなもんだろ。だから、俺に対処されたからってそんなに落ち込むな。」
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「……え?」
呆けた顔ではあるが、リッシーが顔を上げたから話を続けて大丈夫だろう。
「そんで話を戻すけど、リッシー的には決まったと思うような攻撃だったんだろうが、予想が外れたからって固まっちまったらその瞬間に殺されるぞ。今回は歩くルールだったから平気だったが、それでも5歩分くらい無駄にしたからな。」
「……はい。」
「まぁでも、立ち直った後にひとまず範囲攻撃をするって選択は良かったと思うぞ。」
「はい!」
「ただ、範囲攻撃をするにしても長時間の火ってのは選択ミスかもな。相手にダメージを與えるつもりだったり一度引かせるためなら短時間で強めの範囲攻撃にした方がいいだろうし、時間を稼ぐために使うなら視界を奪う火より風とかの方がよかったんじゃないか?風でも相手を押し返して時間を稼ぐことはできるし、結果を目視で確認できるが、火だと視界を奪われるからな。もちろん目視以外で相手の位置や行を把握できるなら、相手の視界を塞ぐつもりで火を使うのはアリだと思うが。でもリッシーの反応からしてリッシー自が把握出來てなかったみたいだから長時間広範囲の視界を塞ぐ魔法はやめておいた方がいいと思うぞ。もちろん次の攻撃をあえて隠すためなら話は別だがな。」
「……確かに、そうですね。」
「それともう1つ気になったんだが、なんで魔法名だけデカい聲でいうんだ?パーティーで戦ってるときなら前衛にどんな魔法を使うか伝える意味でってのもわかるが、1対1で詠唱は小聲なのに魔法名だけデカい聲ってのが意味わからん。相手にこれからこの魔法を使いますって宣言するとか舐めプ過ぎんだろ。それともあえてそう印象付けて、俺が油斷したところで小聲で無詠唱の魔法を使うつもりだったとかか?」
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「……え?…あ、いえ、考えたことなかったです。ナメプ?はよくわかりませんが、いわれるまで前衛に知らせるという理由があることすら知りませんでした…。ただ、魔法はこう使うものだと思っていたので……でも、確かに相手に次の攻撃をわざわざ宣言するって考えると馬鹿みたいですね…。いや、こんなことにも気づかなかったわたしが馬鹿なだけですね。」
魔法は大聲で唱えるものって教わってたならそれが普通と思っててもおかしくないか。必殺技をぶみたいな覚なんだろう。魔法馬鹿が大半を占めるガンザーラなら魔法名は堂々と唱えた方がカッコいいからとか思ってそうだしな。知らんけど。
「自分が當たり前と思ってることは間違っていたとしても気づけないものだからな。気にするな。次から気をつけていけばいい。」
「……はい。」
「あとは最後まで冷靜に判斷できるようになった方がいいとか、焦ったときこそ距離をとって余裕を持った方がいいとかあるが、その辺は口でいうより実際に戦って覚で覚えた方がいいだろう。」
「……はい。」
なんか微妙にテンション下がってやがるな。
さっきのがトラウマになったってじではない気がするんだが……もしかして落ち込んでるのか?
「勘違いしてそうだからハッキリいっておくが、あくまで格上を相手にする想定での話をしてるから改善點がけっこうあるだけで、Cランクくらいの相手なら速度に全振りしてるような特殊な相手でもない限り、前衛職相手でも十分に時間を稼げるし、うまくやればリッシー1人で勝てるくらいの実力はあるからな。」
「……え?そ、そうなんですか?」
そもそもさっきいった通りBランク相手でも初見なら『グラビティ』と名剣リッシーのコンボで一撃だろうしな。
というか冒険者ランク基準でいったらCランク相手でもEランクのリッシーからしたら格上じゃねぇか。初めにある程度の距離があればって前提があるにしてもCランクに勝てるだけの魔法が使えるんだから十分凄えよ。
Eランクに上がってるってことは昇格試験をけるのが面倒でけてないってわけではないだろうし、もしかして他のパーティーメンバーに遠慮してEランクで止めてるだけとかか?まぁその辺はパーティーの空気とかもあるだろうから余計なことをいうつもりはねぇけど。
「あぁ。だからリッシーには現時點の格上……冒険者ランクでいうところのBランクくらいのやつを相手に初見じゃなくても対応出來るようにさせるつもりで訓練してるから、いちいち落ちこむ必要はねぇよ。」
躓くたびに落ち込んでたら無駄に時間がかかっちまうからな。
そもそも條件付きならフレドとかカミエルあたりの実力のやつらにも既に勝てるんだし、無駄に落ち込んだりして時間を消費しなければBランク相手に條件とか関係なく時間稼ぎが出來る程度にならリッシーでもすぐになれるはずだ。出來ればクレハ相手でも時間稼ぎが出來るくらいにはなってもらいたいが、それはさすがにこの短期間では難しいだろうな。
「が、頑張ります!」
「そろそろ手の強張りも解けたし、訓練再開するか。」
「はい!」
さっきまでガチ泣きしてたのが噓のようにやる気に満ちた顔でリッシーが返事をした。
……俺がいうのもなんだが、こいつもわりと頭がおかしいよな。
殺す気でこいとはいったが、いくら代わりの加護があるとわかってても本當に最初から殺す気満々の攻撃が出來るって時點で頭のネジが緩めな気がするし、トラウマになってもおかしくないことをされてガチ泣きしてたのにし時間を置いたら躊躇なく再戦出來るとか頭おかしいだろ。
オドオドとした態度は演技なんじゃねぇのか?いや、観察眼で見ても違和ないから、たぶん演技なわけではないんだろうけど。
まぁ嫌がっても無理やり訓練させる気だったから、俺としては手間がかからなくて助かるがな。
訓練してちょっとした反省會をして魔力が減ったらイーラと『マジックシェア』をしたり、いつの間にかイーラがいなくなってからはマジックポーションでリッシーのMPを回復させたりしてからまた訓練という流れを何度か繰り返し、だいぶ日が高くなってきたからキリのいいところで終わりにした。
最初の1回以外は全部俺の勝ちだったから、リッシーは毎回腕や肋骨を折られているのに最初以外泣かなかったし、文句もいわずにやり通しやがった。いや、もちろんいいことなんだが、抱きしめた時は泣きはしなかったが毎回苦痛に顔を歪めてぶくせに魔法で回復させて訓練再開するときにはいつも通りになってる姿は何度見ても不思議なじだった。
まぁ頭のおかしさも戦闘においては利點でもあるし、使える魔法の種類も思いのほか多かったから、リッシーはレベルを上げるだけでもけっこう強くなりそうだな。
「今日の訓練はここまでだ。お疲れさん。」
「あ、ありがとうごさいました!」
終わりを告げるとリッシーは勢いよく頭を下げてきた。
既に怪我は完治させているが、今さっきも骨を折られたっていうのにずいぶん元気だよな。しかも俺に対して嫌悪や恐怖が一切なさそうだし。
どうやら他のやつらも訓練を終わりにしたようで、カリンとヴェルとアリア以外がこっちに向かって歩いてきていた。
3人が戻ってきてないのはカリンのせいみたいだな。
カリンは地面にうつ伏せで倒れていて、それを困った顔でヴェルが見ていた。ヴェルが慌てている様子がないから死んでるわけではないだろうし、アリアが向かっているから問題はないはずだ。たぶん休みなしでやったから起きられないほどに疲れているとかだろう。
ふと視界の隅でふらつくように歩いていたピリカールが、バランスを崩して倒れかかったのが見えた。だが、それを予想していたかのように近くまで來ていたパトラが倒れかけているピリカールを橫から支えた。
ピリカールは大盾を背負っているからけっこう重いだろうにブレずに支えられるってパトラは意外と力があるんだな。
「支えに來てくれたんだね〜、ありがとう〜。みんなを守るために強くなれるって実できる訓練ができて〜、すごく幸せなんだ〜。」
ピリカールはパトラの方に顔をかしたが、完全には向かずに虛な目でお禮をいっていた。…回復薬と間違えて変な薬使ってないよな?
「…大丈夫?カンノ村まで歩けそう?」
「パトラ〜……疲れたね〜。私も疲れたよ〜。なんだかとても眠いんだ〜……パトラ……。」
「……ダメそうだね。視線だけじゃなくて會話も噛み合ってないし。まぁ仕方ないよね。1番攻撃されることの多いピリカールの訓練はあたしたちより大変だったろうから寢てていいよ。大盾だけベルトごと外すね。」
パトラはピリカールに肩を貸しながら用にピリカールが背負っている大盾を留めごと外し、パトラが大盾を自の背中に留めで裝著した。そして、半分寢てるピリカールをお姫様抱っこした。
というかパトラは人1人を抱えてやれるほどの元気が殘ってるんだな。セリナの訓練がそんなに簡単ってことはないと思うし、やっぱり他のパーティーメンバーと比べたら強いんだろう。
そんなパトラのもとにラスケルが小走りで近づいていった。
「パトラ代わろうか?」
「大丈夫。ラスケルの方が疲れてるでしょ。」
「疲れてはいるけど、それはパトラも同じだろ?」
「まぁそうだけど、あたしの訓練容はみんなと比べたら比較的マシだったからさ。…それじゃあカリンを運んであげてくれない?カリンはそんなに力ないのにピリカールと同じくらいキツそうな訓練だったから。」
パトラにいわれてラスケルが今気づいたかのようにカリンを見た。
カリンはアリアに魔法をかけてもらっているのにまだうつ伏せに倒れたままだ。
「あぁ、あれは確かに手助けが必要だな。じゃあ僕はカリンを抱えてくるから、ピリカはよろしく。」
そういってラスケルはカリンのもとへと小走りで向かっていった。
俺の隣にいたリッシーは慌てたようにパトラのところに走っていった。
「パトラさん!お、大盾持ちます!」
「え?…ありがとう。助かるよ。でも大丈夫?たぶん1番キツい訓練はリッシーだったと思うんだけど。」
「大丈夫です!私はほとんどいていないので、皆さんよりは元気ですから!」
「そ、そう。まぁリッシー本人が大丈夫っていうならお願いしようかな。」
「はい!」
若干顔を引き攣らせたパトラがリッシーに背中を向けるとリッシーが苦戦しながら大盾を外し、必死に持ち上げつつパトラと一緒に戻ってきた。
カリンはけっきょく自力で立ち上がれなかったようで、ラスケルにお姫様抱っこされたようだ。
橫山も疲れているようだし、半分寢てるような顔をしてはいるが、なんとか自力で戻ってきた。
こいつらこのあと學校なんだよな?大丈夫なのか?
全員が集まったところで、俺に顔を向けてきた。
このまま帰るつもりだったんだが、一応締めの挨拶をした方が良さそうだな。
「みんなお疲れ。今日はここまでだ。午後に授業をける予定なら仮眠をとった方がいいかもな。まだ時間はあるだろうし、空き部屋は貸してやるから飯食ったら好きに過ごしてくれ。つっても飯はまだできてないか?」
「…先ほど連絡したので、わたしたちが戻ってシャワーを浴び終えた頃には配膳も済んでいると思います。」
「ということだ。や汗や土で汚れてるから、先にシャワーは浴びてもらうが、晝飯もウチで食っていけばいい。じゃあ戻るか。」
「「「「ありがとうございました!」」」」
寢ている2人以外から育會系のような禮が返ってきて驚いた。
まぁ悪い気分ではないから軽く頷いてから村の方に歩き出すと全員がついてきた。
しばらく歩いたところでアリアが隣に並んで見上げてきたんだが、俺が顔を向けてもなぜか何も話し始めなかった。そのせいでただ見つめ合ってるだけになってるんだが…。
「……どうした?」
「…カリンさんたちとの訓練はこれからも続けるのでしょうか?」
アリアの質問の意味がよくわからなかった。
カリンたちのことを本気で鍛えるって話は朝飯のときに既にしたと思うんだが。
「そのつもりだが、なんか問題でもあるのか?」
「…問題というわけではないのですが、オークションが近づいているうえに魔王討伐も控えているので、優先順位の確認がしたいと思いました。」
……あぁ、そういやそうだったな。
「オークションまであと何日だっけか?」
「…オークションは年明けの3日間行うらしいので、全てに參加する場合は16日後からになります。黒龍の鱗の全鎧が出品されるのは3日目だと思うので、3日目だけの參加でしたら18日後です。…パワンセルフ王國では年末に今年の最強を決める大會を行っているので、その大會に參加する予定でしたら前日には付を済ませる必要があるため、14日後より早くに到著するように向かった方がいいかと思います。前日だと定員超えで參加出來なくなる可能もあります。」
大會は別にどうでもいいと思ったが、俺とアリアの話を聞いて興味を持ったっぽいやつが數人いるな。
「ここからパワンセルフだったか?そこまでは何日くらいで行けるんだ?」
「…パワンセルフ王國の王都キョーシンまでイーラが全力で飛んだ場合はちょうど1日くらいだと思います。地図上での直線距離はカンノ村からフォーリンミリヤまでと同じくらいです。」
そしたら大會3日前に著くようにと思ったら移も考慮してあと11日くらいしか余裕がないのか。
魔王討伐は急げば1日で終わらせて、コヤハキのダンジョンでのレベル上げをオークション後にするとしてもカリンたちの訓練時間が足りるかは微妙だな。
魔王討伐をオークションの後にしてもいいかもしれんが、最強を決めるとかいう大會に參加したいやつがいるなら、その前にレベル上げさせてやりたいし、そうすると余計にカリンたちの訓練が…いや、連れていけばいいだけか。
「カリ……ラスケル。パーティーメンバーはこれから1ヶ月くらいの間になんか予定ってあるか?」
振り向いてカリンに確認しようかと思ったらまだ寢ていたから、ラスケルに確認した。
「えっと、カリンの希で來る前からもともと1ヶ月くらい滯在する予定でしたし、來てみたら學校があって、興味があったのでしばらく通おうって話になったので、學校以外は予定はとくにはれてないです。」
「なら、訓練した後にレベル上げに一緒に來るか?そのあとそのままパワンセルフに行くからしばらくは學校に通えなくなるけど。」
「いいんですか?強くなれるのはとてもありがたいですけど、僕たちが一緒に行ってしまうとリキさんたちが得られる経験値が減ってしまいますよ?」
「その分多く殺せばいいだけだから、その辺は気にしなくていい。まぁ急ぎで返答がしいわけではないから、カリンとピリカールが起きたらパーティーメンバーで話し合ってくれ。3日後くらいまでに返事をくれればいい。」
「わかりました。ありがとうございます。」
「…そこまで……もうカリンさんたちはリキ様の仲間なのですね。」
隣にいたアリアの呟きが聞こえたから顔を向けたら、わずかに驚いたような顔をしたアリアと目が合った。驚く要素あったか?
「ん?まぁ、そうだな。じゃなきゃ俺のジョブを教えたり有用なスキルを教えたりはしないだろ。」
「…………そうですね。…今後の訓練はリキ様はどういった予定で考えていますか?」
「細かくは決めてねぇけど、あと5日くらいここで訓練して、魔王討伐はさっさと終わらせて、ダンジョンに5、6日通ってパワンセルフに向かうってじでいいんじゃねぇかと思ってる。カリンたちが一緒に行かない場合は8日くらい訓練して、俺たちだけで魔王討伐とダンジョンでのレベル上げをして、そのままパワンセルフだな。あぁ、サーシャの鬼島はオークション後だな。」
「…サーシャのオニジマ?」
サーシャは最初からオークション後になるかもと伝えていたからか何も口を挾んではこなかったが、アリアが首を傾げながら聞いてきた。
「鬼族が住んでるっていう鬼島だ。サーシャが行きたいっていってたから、時間ができたら観にでも行こうと思ってな。」
「…ケモーナの南側にあるアオイさんの故郷の島のことですね。行くならもうし暖かくなってからの方がいいかと思うので、オークションのあとというより、もっと後でいいと思います。」
普通に場所を知ってるとか、さすがアリアだな。というかアオイの故郷なのか。もしかしたらと思いはしたが、本當にそうだとちょっと驚きだわ。
最初はオークション後にそのまま向かうのもありかなって思っていたんだが、アリアがそんなことをいうのならかなり冷え込む場所なのかもしれないし、急ぐ必要はないか。
「そうだな。」
「なっ!?」
さすがにそんなに後回しにされると思っていなかったのか、サーシャが驚きの聲を上げた。
もともと気が向いたらっていった気がするんだがな。
「まぁ行かないわけじゃないんだから我慢してくれ。」
「…仕方ないのぅ。」
サーシャが口を尖らせながら渋々と了承した。
「…それではリキ様の予定通りにけるように準備だけしておきます。」
「あぁ、頼んだ。」
いっそ訓練の計畫は全部アリアに任せた方がいいんじゃねぇかと思ったが、既に俺のやり方で始めちまっているし、今回はまぁいいか。
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