ユキムラがファス村に住んでから初めての冬が來る。

すでにユキムラの文化侵略により魔改造済みのファス村は、過去のように寒さに震え、食料や燃料の備蓄を気にして過ごす時代は過ぎ去っている。

村は區畫整備され地面は歩きやすい石畳の道路。

街燈が定期的に置かれていて魔道による照明が夜でも暗闇をじさせない。

各家は十分な間隔を取られており、全て石造りかレンガ造りになっている。

保溫を考えると木製よりも気が高いためその方式が選択されている。

木のぬくもりがしい人は裝を木造にしたりしている。

各家庭に水道、魔道による水の供給が可能になっている。

深いをほったり川に流していた排泄も、特にユキムラが心をそそいだ魔道により水洗式トイレが完備されている。

キッチンにも魔導式コンロ、オーブンが設置され、お湯の出るシャワーに浴槽も一部家庭にはつけられている。

ユキムラは大きな風呂が大好きなので共同浴場も作した。

いつの日か源泉かけ流しの溫泉を作る。ユキムラの野である。

こんな大革命が起きれば當然人の流れも変わる。

街から來た商人はこの村の変化に腰を抜かし、家族を連れ立って移住してきた。

噂を聞いて村の人口も大きく増加している。

周囲を囲っていた塀と柵も大きく拡張している。

ガッシュは流石レンの父親。様々な適を持っていて開発の中心でその手腕をっている。

ユキムラは軽く助言するくらいでほとんど研究やら職ばかりしている。

家は拡張に継ぐ拡張をして周りから建て替えや引っ越しを提言されているが、使い慣れてきたからとごちゃごちゃした家で心から楽しそうに暮らしている。

「師匠ただいまー、また鉱石とか材料集めてきたよー」

「おお、レンありがとう。紅茶飲むか？」

「ミルクたっぷりで！　しっかしこのキャタピラってのは凄いですね。

スキーイタと組み合わせれば新雪だろうがあっという間に移出來るって皆言ってるよ」

レンにホカホカと湯気を立てるミルクティーを渡してやる、アチチと言いながら紅茶を飲むレン。

すっかり逞しくなっている。

キャタピラは文字通りキャタピラに捕まる取っ手をつけて雪の上を自走してくれる。

その後ろにスキー板（短いファンスキーのような形態だ）を付けた人が引っ張られる。

たったこれだけで雪道の移効率は跳ね上がる。

「春になったら師匠が言っていたロープウェーってのを作るし、そうすれば採掘場まで座っていればつくんだろ？村長が泣いて喜んでるよ！」

魔道によって回転させたロープに籠をぶら下げただけの造りを考えているが、ミスリル繊維を編み込んだロープなら化や冬場発熱させて雪などの影響をけない。

科學では莫大なコストがかかるも魔法があれば代替品が安価なエネルギーコストで作れる。

「マジックポシェットも作れるようになったからね、これで鉱山業も村の産業になる」

ミスリルを狀にして染料に混ぜて染めた布を製してカバンを作り、魔石と組み合わせればマジックバッグの完だ！

空屬魔石はレアだからまだ數は揃えられない。

というか自分で使う魔改造マジックバッグを作ったせいで在庫がなくなったわけだ。

おで種類は500、個數制限1000まで到達した。

ゲームの方のVOでは両方ほぼ無限までユキムラは作している。変態だ。

現在村は最初にユキムラが訪れたときの4倍位に囲いを広げている。

農業地區、畜産地區、製造地區、商業地區、住居地區、公共地區と大分かれている。

人が増えたことで々なトラブルが生まれるかと思われたが、全ての恩人であるユキムラに迷をかけない、嫌なら出て行く。という暗黙の、しかし絶対の掟があった。

新しく村に來たものはユキムラによる指導をけて自分の適を見つける。

新規プレイヤーがない時代に一生懸命新規プレイヤーのお世話をして、続けてもらったりしていた古參プレイヤーたちに混じってゲームの中では世話焼きだったので、全く苦ではなかった。

むしろ生産力が上がっていき出來ることが増えることが何よりも楽しかった。

限られた人口を適した場所に配置して産出と加工と建築、消費のバランスを取っていく。

そういった効率化を考えることもたまらなく楽しい時間だった。

「師匠、今日採掘に行ったら巖がいつものようにキラキラしていたんだけど、そこを採掘しようとしたら目の前に変なが現れたんだけど……」

はじめレンが話していることを目の前に置かれた魔道をいじりながら聞いていたユキムラだったが、

次の言葉でその聲に全神経を集中させることになる。

「変な白いっかがこう真ん中に集まってきて、なんとなく一番大きな時にツルハシをったらものすごくいい手応えだったんだよなー。取れたのもほら、上質なものだったし」

レンがそう言いながらアイテムポシェットから取り出したはミスリル鉱石（塊）だった。

塊はさらに分解すると2～8の鉱石になる。

それよりも何よりも、レンの言う見えたものはVOのミニゲームに違いなかった。

「そ、それはこんなじだった？」

興を抑えられずに紙に描く。

「そうそう、さっすが師匠！　なんでも知ってるね！」

それから様々なミニゲームつきの採取などを一緒に巡ってみたけど、一番行っている採鉱でしかそれは現れなかった。

たぶんNPCも同じように経験がたまり、ある一定レベルまで達するとVOプレイヤーと同じように出來るのではないかと仮定がたった。

もしそうなら、訓練次第で上質な材料や製品を作り出すことが可能になる。

ユキムラのゲーマー魂がまた燃え上がる。

今は冬、時間はたくさんある。