VOにおける魔法は簡単に言えば二つ、ターゲット指定型魔法と設置型魔法だ。

ターゲット指定型は文字通り使用するターゲットを指定して使う魔法だ。

一度発されてしまうとその後での対応が難しいタイプだ。

設置型魔法、範囲指定型魔法とも呼ばれたりするがこれは発する場所が決まっているために、発前にその範囲外に避けるのが基本だ。

パーティメンバー全に使用される魔法などはターゲット指定魔法に含まれる。

基本的には敵に対しての攻撃魔法と妨害魔法の話になる。

わかりにくいので前者をタゲ魔法、後者を範囲魔法と呼ぶ。

タゲ魔法は発前阻害と発後は魔力盾による防、各種魔法防魔法による対策になる。

範囲魔法も発阻害と単純に範囲外への移だ。

範囲魔法は魔法盾による防は不可能なので、基本的に有効範囲でける場合は魔法防や耐を積んで力技で耐える方法になってしまい、プレイヤースキルを生かせる場はない。

タゲ魔法は魔力盾による防においてプレイヤースキルを憾なく発揮できる。

簡単に言えば通常攻撃と同じようにクリティカルガードと、魔法反だ。

特に魔法反は詠唱者に向かって《反の出來ない》魔法を返せるという利點が大きい。

こんな初期ダンジョンでメイジがいてもそこまで脅威ではない、ファイアーボールとかテンプレな魔法を打ってくるだけなので、覚えたての魔力盾で反してやればいい。

簡単に打ち返すとユキムラはいうのだが実際には理カウンターの半分しか力時間がない。

普通のプレイヤーだとCrGクリティカルガードを狙って偶然出る、そういうたぐいのだ。

前衛の攻撃を軽くカウンターを取っているとメイジが詠唱を開始する。

とりあえず詠唱阻害じゃなくてマジックカウンター狙いをしてみる。

そんなことを考えていたら前衛は全滅させていた。

の序でで倒される敵のみにもなってしい。

聞き取れない言語で紡がれていく炎の魔法。

火球がメイジの杖の上に発生して杖を振ると同時にユキムラへと襲いかかる。

（実際に見るとタイミング難しいな）

自分視界ではなくしだけ俯瞰視點に集中する。

魔力盾を発、ぼやっとが青いオーラに包まれる、手に持つ剣も同じように包まれていく。

目の前に火球が迫る熱もじる。

カウンターも魔法反も焦りは厳、冷靜にいつものタイミングで……

火球を弾く、キィーンと獨特の防音が響き火球は勢いを保ったままメイジへと打ち返される。

このキィーンって音が気持ちいい。

メイジは突然の返球にうろたえるしか無い。

火球がメイジのローブへと激突しぜる。

ブスブスとが焦げる音がする、焼みたいないい匂いじゃないなぁ、と、呑気なユキムラだ。

一気に距離を詰めて、火を消そうとのたうち回っているホビットメイジの首を刎ねる。

「ふー、ちょっとだけ張したなぁ……」

なんだかんだで魔法相手は數ヶ月ぶりだったりする。

人が呼吸するのを忘れないようにカウンターや魔法反のタイミングも忘れない、ユキムラはそういう域へどっぷりとり込んでいるのだ。

「とりあえず今回の目標である２Fマッピング終了まで、がんばりますか」

誰もいない窟で一人つぶやくユキムラ、ここのところこの世界での人のふれあいに慣れてきてし寂しさをじてしまう。

ずっと一人だったユキムラが初めて人のぬくもりをじたのは、一人ぼっちで頑張ってきたゲームの中なんだから、皮なものである。

一階と同じようにきちんと照明を設置しながらマッピングを続ける。

ほとんどのVOプレイヤーが始めてることになるダンジョンであるここでも、地下は5階構造。

普通は依頼をけて侵して最終階でボスを倒し、行方不明になった冒険者を救出するってストーリでー、時間制限がある。

ユキムラはいろいろと実験をしているので今回、クエストを起こさずにダンジョンに侵していれば、捉えられている冒険者もいないだろうと考えている。

この世界では微妙に殘っているVOの要素の一つがクエストだ。

フラグを立ててクエストを起こさなければそれに連する出來事は発生しない。

本來ならダンジョンへの侵を可能にするのにもクエストが必要だけど、この世界ではすでにダンジョンはそこにあるため、イベントを起こさずに侵が可能だ。

時間制限クエストの前に準備をしておくことが出來る。

初見でやると結構時間がタイトなクエストなので、VOの中では失敗しても何度もクエストけ直せばいいが、この世界でダンジョンの餌食となった冒険者が復活するか賭けに出るわけにも行かないので、萬全を期して冒険者救出クエストに挑みたいとユキムラは考えている。

なお、冒険者救出クエは街へ行き冒険者ギルドで冒険者登録をしてLv50になるとけられる。

ユキムラは春になったら街へと行くつもりだ。

ギルドでの打ち合わせと通信設備の設置などやりたいことは々詰まっている。

それまでにレベルを50に到達させて出來る限りのクエストを効率よくこなそうと考えている。

効率廚の鏡である。

のんびりと生きておくと決めておりながらこういう本質は変わらないのでありました。