《老舗MMO(人生)が終わって俺の人生がはじまった件》304話 子會その1
「ちょっと早いけど今日はここでキャンプとします。今日で6日目なので明日は一日休息日とします。
明後日からは上に戻って帰宅となります」
ユキムラ先生のお話である。
イベント戦闘を終え、第一回目のアリシアを伴った訓練は大変有意義なものだった。
全員の長は見て取れるし、特にアリシアの長は目を瞠みはるがあった。
し時間は早いが、白狼隊名のバーベキューで労をねぎらう。
久々のドラゴンの登場にソーカのテンションもフルスロットルだ。
「子の皆様は二次會がご用意されておりますので、々お腹に余裕を持っておいてくださいますように」
ナオがアナウンスをする。まぁ、ノリってやつだ。
「だ、男子も二次會やるぞー!」
ユキムラが乗り切れずに乗ってみたの図である。
「皆さん、二次會前にはお薬出しておくので先に飲んでおいてくださいね……」
レンは呆れ気味だ。どうせ酔っぱらいの世話はレンが世話することになる。
「レン様、どうか楽しんでください。自分が後はお世話致しますので……」
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レンにも強い味方が出來た。コウはヴァリィ並のザルだった。
この世界の人であるコウは飲酒も可能だ。
「二日酔い対策の薬は渡しておくから、朝死んでる人いたら口に突っ込んで、二日酔い防止用の薬は多酔いにくくなるから言われたら出してあげて……」
苦労人から々と飲み會のときの作法を教わるコウであった。
男たちが男子會と言う名のただの飲み會の延長戦にはいった頃、子たちは室で子會を開催していた。
テーブルの上には子の夢が広がっていた。
「フルーツやケーキ、各種スイーツを取り揃えました。
あちらのケースにはシャーベットやアイスクリームなども取り揃えております。
カクテルもご要があればおっしゃってください、あちらのカウンターでお作りいたします」
ソーカもアリシアもメリアも目を輝かせている。
タロは尾を振っている。マスコット代わりに穏やかな子會に參加中である。
「「「「かんぱーい」」」」
シャンパンで乾杯だ。この世界でシャンパンというか炭酸の飲料は貴重だ。
お酒などは製造段階で炭酸が生じることもあるが、保存しておく技がそこまで発達していない。
キンキンに冷やしたシュワシュワとした炭酸飲料というのが貴重なのだ。
どんなお酒も原材料があればスキルでポンと出來てしまうのがユキムラ達の恐ろしいところだ。
子たちは誂あつらえの良い絨毯の上に好きなクッションを抱えて會話に華を咲かせている。
はじめは今日のアリシアの功績を稱え、ソーカとの師弟の熱い関係、そしてズッ友だよの契り。
いつの間にかソーカとアリシアは長年の友人のように気心の知れた関係を作っていた。
そして段々と話は関係の話になっていく。
この頃にはナオも仕事を止めて一緒に話に混じっている。酔っ払ってきたソーカが命令した。
「だって……アリシア素敵だから……ユキムラさんとられるかって怖くってさぁ……」
「お互いあの時は酷かったもんねぇ、だってユキムラ先生かっこよくて、しかもとんでもない冒険者で、しかも神様の使い……運命の人かな~って浮かれちゃったの……ごめんねソーカ……」
「今は……今はもう、いいの?」
「うん。自分の可能を見つめているのが楽しすぎて、あー、でもね。怒らないでねソーカ。
人間として、目標として、ユキムラ先生のことは以前より尊敬しているし好きだな。
じゃなくてね。人間はここまで長できるのか、って目標的な……」
「……わかる……」
いきなりアリシアに抱きつくソーカ。
「やっぱりアリシア大好き。同じ人に同じこと考えるんだもん」
「ありがとうソーカ。私もこんなに対等な友達が出來て本當に嬉しい……」
「……それにしても……凄いわねこれ……」
抱きつくと凄くらかいクッションが當たるかのごとくソーカのを包み込んでいた。
ソーカも旅による長ですでにDぐらいには長していたが、それを完全に包み込む。
人をダメにするクッションのように包み込む。
「ちょ、ソーカ。あんまりまないでよ……」
「アリシア様……部屋著だと……一層凄まじいですね……」
「……いいなぁ……」
メリアはもう伴も居るし、しふくよかではあるが母としても魅力的なつきをしている。
ナオは、今後の長に期待したい。
「ナオちゃん、良いことばかりじゃないわよ……男どもはバレバレのいやらしー目で見てくるし、なにより服が可いものがなくて、あと、肩こりも……」
「いい薬あるわよー、私も最初の頃訓練でバキバキだったから、ほんとユキムラさんはありとあらゆる事に詳しくて……」
ソーカはシート狀のり薬を取り出しアリシアの肩にり付ける。
「ひゃう!」
冷たさにびっくりしてしまうが、すぐに心地の良いひんやりが肩に広がり驚くように張りと痛みが引いていく。
「凄いわねこれ……」
「ソーカ様、よかったら私にも頂けませんか? 最近の連戦で肩と腰とふくらはぎが張ってしまって……」
全員激しい戦闘で何らかののダメージは蓄積している。
あっという間に布だらけの陣だ。
部屋に用意されたアロマの香りと布の香りがりじる。
それでも布による心地よさは陣をけさす。
「そ・れ・に・し・て・も、ナオー?」
「は、はい! 何でしょうか?」
突然アリシアに後ろから抱きつかれて驚いてしまうナオ。ほんとにすげーなコレとダブルで驚く。
「コウとはどうなのよ?」
アリシア氏、気持ちよく飲んで珍しく酔っていらっしゃる。
長い夜はまだまだ続く。
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