《老舗MMO(人生)が終わって俺の人生がはじまった件》319話 ポンコツ

十分な食事に休息。

ボス戦の疲れもきちんと抜けている。

もよくく。

全員調子は萬全と言っていい。

「ボスの寶箱は戦闘が始まったら慌てて回収するを出すねー」

「ユキムラちゃん、こんなじかしらねー」

「おお、いいねぇその激戦の後ーみたいなじ。いいね。

……いいなぁ、こういう風合いとか凄く……素敵だな……」

ユキムラは新しい趣向に興味津々だ。

今ヴァリィが細工しているのは全員の裝備を一見ボロボロにしている。

もちろん中は新品同様完璧に整備されている。

これはユキムラの作戦だ。名付けて。

『ボス戦を終えた直後の疲弊したじを演出して相手の油斷をって時間稼ぎの助けにしよう作戦』

裝備品や服をダメージ加工している。

ちょっと間違えればくたびれて貧乏臭くなりそうなところを、ヴァリィは見事に蕓的なに仕上げていく。

きっとヴァリィはジオラマとかも上手そうだな、ユキムラはそんなことを思った。

「こんなじかしらね。ユキムラちゃーんいつでもいいわよー」

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「わかったー、皆、打ち合わせ通りによろしく!」

ユキムラは一番奧の扉に手をかける。

「……あれ?」

一瞬何も起きずに不安になるが変化はすぐに訪れる。

ズズズズズズと地面が揺れ、空中に稲妻が走る。

「う、うわぁ……ナ、何ガ起キテルンダー」

「師匠……」

レンもドン引きの棒演技である……

【いやー、い。流石にアッチにも人揃って來たってボスは言っていたが……

ん~~~? 何だよ、ボロボロじゃん。

せっかく疑似まで転移させたのに、あっけなく終わったらアイツラに文句言われそうだなぁ】

空間を砕いて出來たから、ジャラジャラとアクセサリーをつけたチャラい男が現れる。

男がそのから出るとピシピシと空間がそのヒビとを埋めていく。

「ダ、ダレダオ前ハ!?」

「師匠(そんなクソみたいな演技だとバレるので)下がってください!」

「ソ、ソウヨユキムラサン、危ナイワ、私達ハサッキノボス戦デ消耗シテルノダカラ」

「ソーカちゃん貴方も(そんなクソみたいな演技で説明臺詞をするなんて無謀だから)下がって!」

「グルルルルル!」

二人ほどポンコツがいるが、なんとかフォローする。

【へー、そいつは悪かったな。よほど激戦だったみてぇだが……

ホントはデータ収集だったんだが、ま、倒しちまったらしかたねーか……】

ジャラジャラとつけているゴテゴテっとしたデザインの指が変形していく。

糸狀の武、コウの武に近いがその先には苦無のような形態の武がついている。

【俺はギャッパー、ユキムラとか言ったっけ?

お前凄い腕前らしいが、知らねぇ武だと対応できねぇらしいなぁ?】

「え? そうなの?」

「師匠(もう口開かないでください)!! 罠かもしれません、相手の話に耳を傾けないでください(口開くとろくなことにならない)!」

【威勢がいいなぁ……おめぇから踴ってみるかぁ~?】

レンに向かい腕を振るうとギャッパーの指先から5つの苦無が複雑なきをしながら襲いかかる。

「くっ……これは……」

レンは魔法で作った障壁をでその苦無をけるが、一本は頬を掠る。

「は、早い……」

そう? って言いそうになったユキムラをすごい顔で睨みつける。

【言うだけはあるなぁ……だが、足元がおぼつかねぇぞぉ~?】

逆の手も同時に振るうと今度は10本の苦無と糸が襲い掛かってくる。

「何度も同じ手を!」

レンは火球を大量に作り出し苦無に向けて放つ。

【甘ぇ!】

苦無は空中で複雑に変化をして數本はレンに薄する。

「ふんっ!!」

ヴァリィの一撃でめくり上がった巖盤が苦無を薙ぎ払う。

「お相手はレンだけじゃないわよー」

【ヒュ~。やるじゃねぇか、これなら俺が踴っても問題ねーな】

そんなかっこいいやり取りをしてる間にもレンの通信機には小聲でいていいの? ってソーカからの通信がって心のなかでため息をつく。7割ぐらいでお願いします。なぜか敬語で返答する。

レンにとって大変なのはギャッパーの相手ではなく演技ポンコツ勢のユキムラとソーカのお世話だった。

【なんだい、あんたら二人と違ってあの二人は酷いなぁ、よほど先の戦闘がきつかったんかい?

まぁ、見事にあの犬っころがフォローしているみたいだがなぁ!】

ギャッパーの攻撃は10本の苦無と糸による波狀攻撃、予測不可能な変化を起こす苦無と、れるとを裂く糸、両方に気を配りながら立ち回らなければならない。

ユキムラとソーカは変に演技をしようとして、まぁ酷いきになっているが、結果としてそれをタロがフォローすることによって、連戦の過酷さのせいだとギャッパーが勝手に理解してくれていた。

「時間停止は使わないのか?」

【……よく知ってるなぁ……あれは本じゃないと燃費が悪すぎる。

それに、神の力だろうが、あんまりお前らには有効じゃねぇらしいからな、消耗させようってんならその手には乗らねーぞ……】

「……察しが良い子は嫌ねぇ……」

レンとヴァリィは上手に互角の戦いを演じながら報収集もこなしている。

ポンコツ二人とは大違いだった。

戦闘は始まったばかりだ。頑張れレンとヴァリィとタロ!

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