《老舗MMO(人生)が終わって俺の人生がはじまった件》334話 新世代
ユキムラは過去に例がないほど集中していた。
ユキムラの戦闘における強さは、あらゆる攻撃方法に対する知識。
敵の行に対する反応の多彩さと早さ。
そして、長年培った超能力に近い反応によるものだ。
つまり、既存の型にはまった攻撃にはめっぽう強い。
しかし、目の前に立っている魔王エテルノは、既存の型にはまらない複合して強化しているなどとは別次元、全く新しい攻撃を繰り出してくる。
ユキムラは初めて見るそれらの攻撃に対する対処をその場で考えてなんとかしている。
その狀況がずっと続いている。
未知の攻撃でも膨大な知識と経験で限りなく正解に近い答えとしての行を起こしているが、いつもとことなり、完全な正解ではないために、相手を圧倒するに至れないのだ。
「あーもう! ユキムラにーちゃん避けないでよ!!」
子供である堪えのなさによるムラがなければ、ユキムラは為すなくやられていた可能も高い。
それほどに魔王エテルノのポテンシャルは高い。
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「避けなかったら、負けちゃうからね」
エテルノが放った魔法弾を避け、反撃に転じようとしたら背後で発四散し、その無數に飛び散った礫がランダムでさらに発する。
榴弾のような魔法攻撃、ユキムラは表こそクールだが、心臓バクバクで間一髪防する。
エテルノが怒りで雑な発魔法を放った瞬間に幻影魔法を展開して罠を仕掛ける。
「そこだー!!」
エテルノの個別ユニーク武、想像イマジナリする銀シルバー。
エテルナの意思に従って様々な形態に変化する流金屬。
ユキムラが調子に乗っていろんな最上級鉱石を食べさせたせいで、今では神話級の能力を持つ武に自由自在に変化するチート武になっている。
鎧もこの金屬が織りなしている。
変化させたサイズとしては大剣だが、エテルノが扱う際は重量は意味をなさない。
もちろん、この大剣の一撃をけ止めれば、並の武なら一撃で砕される重さがある。
本當にチートです。
付與も、付與と言うか、何というか……
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事象をエテルナの有利なように書き換える能力だそうだ。
どうしろというのだ。と言う能力になっている。
同じ格の武による圧倒的なエネルギーによる損傷を繰り返し、っているエテルノの気を済ますか、魔力切れを狙うしか無い。
大は前者で決著がつき。
「もういい。止める!」
と、言わせれば勝利。という仕様になっている。
「そこだー!!」
大剣の一振りがユキムラの幻影を真っ二つにする。
幻影でなければ即死だ。何を考えているのだ。ユキムラの心の中を代弁してみた。
同時に地面から大量の柱がエテルナを包み込む。
そのはに屆くことなく鎧から発せられるバリアで防がれてしまう。
しかし、その隙に必死になって構築していた周囲の魔法陣から一斉に極大魔法が放たれてそのクロスポイントの中央にまんまと引き込んでいた。
「効かないもんね!」
すぐに回避しようとするエテルナだが、すでに先程の柱に潛ませていた拘束する鎖、捉える蔦などの魔法がバリアごと移を阻止した。その一瞬で魔法が到達する。
もちろん、普通の敵にこんな恐ろしい魔法攻撃をしたら、塵も殘さず消えてしまうので、に対してなんてことをユキムラはするんだと言う話になるが、このチートにとってこの攻撃でも傷ほど追わせられないことはユキムラもわかっての選択だ。
「もーーーー!!」
しかし、まだ子供のエテルナの興味とやる気を削ぐには効果的だ。
普段であれば「もーやだー!」と試合終了になる。
ユキムラが予想外だったのは、エテルナのダンジョンへの熱が想像以上に高まっていたという點だ。
「怒ったんだから! ユキムラにーちゃん死んじゃうからやらなかったけど、ここまで邪魔するなら知らないんだから!」
流金屬の武が全を包み、拳闘士のようなスタイルになる。
がボクシングの真似事をするみたいで可い。妙に大きなグローブはポコポコと子供同士の戯れの準備のような姿に見える。
しかし、その実、その姿は悪魔のような戦闘の幕開けとなる。
エテルナは魔法攻撃を完全に捨てて、ユキムラに超高速で接近、攻撃。
ただ、それだけに攻撃の選択肢を絞ったのだ。
「ぬわ! なに、これ! ちょっと! 無理! やばっ!
えっ! これ、まずっ!」
嵐のような単純な攻撃、ユキムラは完全に防形態で避けるかけるかしか無い。
避けるにしても正確に急所を狙い続ける攻撃、無理に避ければ被弾する。
ければけたでごそっと魔力と力を削られる。
単純な力押し、本來ならカウンター一閃で終わる話だが、カウンターの初よりも早く次の攻撃が飛んでくる。はっきり言ってゲームだったらクソゲーだ。
なんとか打開策を探るも、単純な勝負に地力で勝る敵に乗せられてしまった。
みるみる消費される武防の耐久値、このまま防が機能不全になれば、間違いなくユキムラは死ぬ。
「まいった!!」
様々な手を模索したが、その全てを力でねじ伏せられた。
リトルタイフーン、巻き込まれたら為すはない。
ユキムラ、完敗である。
「ちょ、ちょっとまいったって! 止めて! 負けた! 負けました! 壊れるから止めてー!」
ライオネルが飛び込んで來てくれなければユキムラの命は消えてしまったかもしれなかった。
「ごめんユキムラにーちゃん。ちょっと必死になってたからー」
【エテルナ様お気をつけください。もうしでユキムラ殿がひきになっておりましたよ】
「し、し、死ぬかと思った……」
この世界に來て初めて『死』を目前にじたのは、模擬戦で、との戦い中だった。
「制限無しで、負けるか……こりゃきついね。久しぶりだ……」
死の恐怖もさておき、敗戦のショックがゆっくりとユキムラを包み始める。
覚醒前のサナダ街での敗戦は、あまりにも突然で負けたことよりも皆が助かったことが嬉しかった。
今の敗戦は、対等な條件で準備もして、そして力押しで敗北。
悔しさがにじみ出てくる。
「大丈夫ユキムラにーちゃん」
「ああ、ちょっとだけ待ってね。レンが戻ったら連絡するから」
しかも相手は魔王とは言え、年場も行かないの子だ……
「うん?」
ユキムラは違和に気がついた。
「エテルナ……長してない?」
「うん! ユキムラにーちゃんとの戦いはすごい経験になるみたいで戦いながら長したんだよ!」
魔族とはでたらめな種族だった。
戦い始めは5・6歳児な魔王は、戦い終えて小學生高學年くらいまで長していた。
燃えるような赤い瞳、黃金に輝く髪、ダークエルフのような黒いは水をも弾くほどきめ細かい、スラリと長い手足、すでに將來を予想させるモデルのような型だ。
規格外に完された型、これが新人類(魔族)と言うやつか……
【以前の魔王様の面影がはっきりと……】
「ライオネル、魔族ってレベルと年齢がリンクするの?」
【やはり過酷な環境に生きてきた名殘ですかねぇ】
手のひらくるっくるなライオネルだ。
「おかげで俺は死にかけたけどね……」
「ごめんってユキムラにーちゃん。いやーあれで倒せなかったらどうしようかと思ったよー」
「あれは、反則だよ……システムに頼らない戦いも鍛えないとなぁ……
……エテルナ」
「は、はい!」
ユキムラはエテルナをじっと見つめて、そして頭を下げる。
「君の力が必要だ。今後の戦いのためにも君との訓練は絶対必要だと思う。
どうか力を貸してしい」
突然のマジモードのユキムラの嘆願にエテルナは虛を突かれてしまい戸う。
忘れてしまいがちだがユキムラは息を呑むほどの男子なのだ。
「い、いやこっちこそユキムラにーちゃん達の訓練に參加させてもらえるなら嬉しいけど……
な、なんか、変なじだな……えへへ……頼られるってのは……」
くねくねとを捩らせながら髪のを指でいじっているエテルナ。
【……ん?】
ライオネルは野生の勘でフラグの気配を察知した。
しかし、そういうことに疎いせいでスルーした。
その後、レン達の帰還を待って合流する。
「あれ、師匠にエテルノちゃ……ん……?」
「気持ちはわかるよレン」
「レンおにーちゃん私も特訓に參加する!」
「えっと、師匠これはいったい……」
それからレンも含めて白狼隊全員を集めて事の顛末を説明した。
ユキムラを真正面から破ったことに何よりも全員驚いたが、その後、自で戦うことでそれを理解する。タロでさえも、引き分けるのがギリギリだった。
そして、4戦を終える頃には高校生ぐらい、ユキムラ達と同じくらいのがそこに立っていた。
「あ~、タロちゃんには勝てないかー……」
(やばい、今やったら瞬殺レベルだ、強すぎだろ魔王様……)
タロとの戦いを見ていたユキムラは長とともに加速度的に強くなるエテルノにビビっていた。
「と、言うわけで。エテルノは皆が使っているような特殊シスな能力テムに頼らない戦闘方法で俺たちを圧倒する。俺たちも、これから先の戦いに勝つためにはシステムを上回るエテルノのような力が必要になってくると思う。
これからはエテルナにビシバシ鍛えてもらおう。
そして、エテルナと互角以上に戦えるようになったら、異世界への門を開けてもらおう」
異論を出すものはいなかった。
ユキムラによって與えられた俯瞰視點などのVOのシステム補助。
気が付かないにそれに頼り切って、それらを越すと言う可能を見失っていた。
もちろん規格外な存在であるエテルノがいなければ、そんなものに気がつくこともなかったが、気がついてしまった以上、きちんと対策を講じないと進みたくない。
ユキムラのゲーマー魂だった。
こうして、子高生エテルナちゃんにしばかれる特訓の日々が始まることになる。
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