ラムの言う通り、し歩くとボス部屋に繋がると思われる扉があった。

「さて、いよいよボスだけど油斷しないようにね。できたばかりのダンジョンとはいえボスだけが強い場合もあるから」

「もっちろんよ！なにが出てきても私の魔法で焼き付くすわ！」

「それ、絶対解ってないだろ。それにしてもこの障気、本當にボスなのか？」

「ナーダルは小さいこと気にしすぎ。そんなことよりも、早く行くよ」

「ラムが言うなら仕方ねぇな。じゃ、行こうぜダニエル」

「ああ」

扉にれると、ひんやりとした鉄のが手に伝わる。ずっしりと重い扉を押し開ける。ボス部屋にいたのは……、

「ウルフね」

「ウルフだな」

「なーんだ、ただの雑魚じゃない。さっさと倒しちゃいましょ」

「お前ら、ウルフリーダーには気をつけとけよ。ウルフとはいってもCランクモンスターだ」

ボス部屋にいたのはウルフが10にウルフリーダーが1だ。ウルフリーダーにさえ気をつけていれば俺たちなら楽勝だ。

「よし、行くぞ！」

「先手必勝よ！《フレイムハウンド》！」

カレンが生み出した炎の猟犬がウルフの集団に飛び込む。きが読みやすいので俺たちなら簡単に避けられるが、ウルフにとってはそうではない。今も3のウルフが炎の猟犬の餌食になっている。

「……ッ！」

ラムの放った3本の矢が、ウルフリーダーの両目と心臓を狙って飛んでいく。このままいけばウルフリーダーを倒せる……というところで別のウルフがそのを呈してウルフリーダーに迫る矢をけた。そのウルフを一瞬で絶命したが、ウルフリーダーは健在だ。

「ウォオオォン！」

ウルフリーダーの雄びに合わせて、生き殘っている6のウルフが、3ずつ俺とナーダルに襲いかかってくる。

「ふんっ」

ナーダルが飛びかかってくる2のウルフをまとめて弾き飛ばす。背後から忍び寄って來たウルフはラム矢に貫かれ絶命する。

「そりゃあ！」

正面から襲いかかってきたウルフを袈裟がけで斬り倒し、遠心力を利用して背後に迫っていたウルフも切り飛ばす。

「《フレイムバインド》！」

し離れた位置で様子を見ていたウルフが炎の鎖で縛られ、燃やし盡くされる。

「ウォオオオオオォオオォオンッ！」

「うっ、が」

ウルフリーダーが咆哮で威圧をしてくる。単純な能力で劣るカレンがその場で膝をついてしまった。

「ラム、援護頼む！ナーダル、行くぞ！」

「解った」

「おう！」

ナーダルとウルフリーダーを挾み撃ちにするように駆けていく。ウルフリーダーは咆哮で直したカレンを殺しに向かおうとするが、ラムの矢がそれを許さない。

「おらぁあ！」

ナーダルの大振りな一撃がウルフリーダーのに襲いかかる。しかし、ウルフリーダーは小さく後ろに跳ぶことによってそれを躱す。そして、制を崩し隙だらけとなったナーダルに爪を振りかざし、火の矢に前足をぬかれた。

「おいしいところを全部持ってくんじゃないわよ」

「サンキューな、カレン」

カレンの魔法によって生まれた隙。それを逃さずに、剣を大きく振りかぶる。

「おりゃぁあ！」

そして、俺の剣がウルフリーダーの頭を切り落とした。