《日本円でダンジョン運営》巨人の街

92階層は、見渡す限り簡素な家が立ち並ぶ住宅街だ。大きさを除いて。その大きさは巨人規格で、1番小さい家でも5メートルは超えている。そんな住宅街で、巨人が暮らしているというのは壯観だ。

「誰だべ、おめぇ」

今のは話し掛けられたのか?いや、巨人同士の日常會話か。話せるというのも驚きだ。いや、冥土とかも話していたからこの程度は當たり前なのだろうか。

「おい、無視するんじゃないべ。そこのちっこいやつ、はやく答えるんだべ」

ちっこいやつか。巨人にも大きさの差はあるのだろう。道を歩く巨人を見ても大きさの差が……ないな。だいたい4メートル位の巨人だな。ということはちっこいやつって、私か?

「お、やっとおらを見たな。んで、おめぇは誰だべ」

上を見上げると、私を見下ろす10メートル程の単眼の巨人がいた。

「えーと、笹原です」

「あぁ?聲が小さくてなにいってるか聞こえないべ」

……これは面倒なやつだな。

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