《日本円でダンジョン運営》side ダニエル part 7

「さっきのジョセフィーヌって犬、凄かったな」

「ええ、あんなの、勝てる気がしないわ」

先程、ササハラという男が連れたジョセフィーヌという犬と、筋ダルマの大男ことゴルモンドの模擬戦の審判をした。かたや一見するとただの犬。それに対して《ゴーレム潰し》の異名を持つAランク冒険者だ。多分この模擬戦を見た人はジョセフィーヌを心配して見たと思う。俺もいざとなったらゴルモンドを止めるために審判を引きけたし。

だけど結果は誰もが予想しなかったものになった。ジョセフィーヌの圧勝だ。俺自Cランク冒険者で力には自信があるのだが、そのジョセフィーヌの姿を追うことすらできなかった。いつの間にかゴルモンドを倒していたのだ。

「それにあの犬、多分だけど全然力を出してない」

模擬戦の後どこかへ行っていたラムがいつの間にか戻ってきていた。

「どこに行ってたんだ?」

「ナーダルにあの犬とササハラのことを伝えに行ってた。一応ナーダルは報屋だからね」

「へー、あいつ報屋だったんだ。それであいつはどこ行ったの?」

カレンはナーダルが報屋だったことを知らなかったらしい。ちなみに俺も今ここで初めて知った。

「ササハラを追いかけてった。どうにかして恩を売って取りりたいらしいよ」

「取りるって……、ナーダルってそんなこと考えるやつだったっけ?」

「解らない。ただあんなに焦ったナーダルなんて初めて見た」

「難しい話なんてどうでもいいからとりあえず晝ごはん食べに行かない?お腹空いたわ」

「カレン、に忠実過ぎやしないか?でもまあ、確かに腹は減ったな」

に忠実って、それじゃ私が癡みたいじゃないの!」

「カレン、大聲出しすぎだ。みんなお前を見てるぞ」

「えっ、うそ、いやぁ!《フレイムウォール》!」

カレンが炎の壁の中に逃げ込んだ。さて、出てくるまでにどこの店に行くか考えておくか。

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