「えっ」

『何故ここに來ることをんだんだい？』

この聲は……カオスゴッド、なのか？

『代わり映えのない毎日。その中で廃れ行くぐらいならと來ることをんだ』

機械的な男ともとも取れない聲が、脳に直接語りかけるように響く。

『しかし、君は代わり映えのない毎日に満足していた。違うかい？』

「お前は、カオスゴッドなのか？」

頭に響く甲高い聲。……嫌な聲だ。

『神の使いが言った噓か本當かも解らなかったことを鵜呑みにした君は、変化をんでここに來た』

「それがどうしたっていうんだ」

なぜこいつは私の前の地球でのことを知っている？

『しかし変化をんだ君も、変わることをまなかったがある。ジョセフィーヌだ。君は、ジョセフィーヌと共にここへ來ることをんだ』

『君にとってジョセフィーヌは掛け替えのないだ。代わり映えのない日々の癒し。君は、癒しの変化をまなかった』

『ところで、変化しないことをまれなかったはどうなったか知っているかい？』

『そう、君の財産だ。君の財産は君にまれなかったから変化した。このダンジョンの力になった』

『力となった財産は、君の権限で々なに変えられた。このダンジョン然り、住まうモンスター然り』

『ところで君は、君の財産の括りをどう考えている？』

『君の財産は膨大だ。それこそ、人の命さえ握ってしまうほどに命を握られた者。それも一つの財産だ』

『執事然り、メイド然り。それらの財産も、変化した』

『人の命は安いものだ。神からすれば、命の価値はゴブリンと等しい。その命は、既にダンジョンを構する一部になっているだろう』

『まなかった彼らの命は、君がまなかったから儚く散った』

『それでいいのかい？君のんだことは、君を信用してくれた人の命を散らせることだったのかい？』

聞きたくなかったことが、嫌な聲が、頭に木霊する。中を駆け巡る。心臓を潰すように、心の中をぐるぐる廻る。

「お前は、お前は一なんなんだよ！」

ばずにはいられなかった。吐き出さずにはいられなかった。

『……ワタシはメッセンジャー。全てを伝える者』

『ワタシは悪夢。混沌を愉しむ者』

『ワタシは斷罪者。審判を下す者』

『審判の刻は、まだ早い』

突然、白いに包まれた。

気づけばそこは、コアルームのベッドの上だった。

ジョセフィーヌが、と尾を丸めて震えていた。