《日本円でダンジョン運営》罪ト裁 審判を下す者

「ハァッ!」

裂帛の気合いと共に放たれたバルトの鉤爪。振り下ろされたそれは易々とカオスゴッドのを切り裂き、霧散させた。しかし瞬時に霧散したが集まり、カオスゴッドは再生する。

ここで、し前にカオスゴッドの腕がゾンビメイドに切り落とされ、それをいまだに再生できていないことを考えてはいけない。

再生する際し後退したカオスゴッドを追うようにして、バルトの口腔から圧倒的熱量を持った業火のブレスが迸る。

カオスゴッドは、それをの障壁ドームを展開することでけ流す。

業火をけきり、カオスゴッドがの障壁ドームを消した、その直後、間髪容れずバルトの尾が地面を抉りながら迫る。業火のブレスを目眩ましにし、飛び上がり空していたのだ。

カオスゴッドは殘っている腕を巨大化させ、地面を抉り迫る尾を真正面からけ止めた。勢いのままに10メートルほど押されていく。

そこからはバルトの一方的な近接戦だった。鉤爪を振り上げ、振り下ろし、毆り、蹴り、時には尾で攻撃する。バルトの巨軀を生かし全方位から迫る攻撃に、カオスゴッドは防戦一方である。

「どうした!貴様の力はそんなもんだったのか!?といっても、今まで戦った時は余の姿を真似ておるだけだったがな!」

攻。魔法も織り混ぜ、一方的にれ打つ。それはさながら、大地の上で荒れ狂う嵐のよう。

「守ってばかりでは我は倒せぬぞ!我を真似ておった時程の力さえも出していないではないか!」

防。全ての攻撃をけ止め、衝撃を吸収する。それはさながら、嵐の中悠然とそこに在るだけの大地のよう。

一見バルトが優勢に見えるが、実はそうではない。カオスゴッドは守らなければならないのではない。ただ攻撃していないだけなのだ。

バルトならそれも判っている。解った上で、無意味な攻撃を続けている。

カオスゴッドが腕を上げた。突如巻き起こった暴風がバルトを吹き飛ばす。

「──ワタシは〈裁き〉を実行する──」

が揺らめき出でる。バルトに纏わりつく漆黒の焔。贖罪を強制する混沌の災禍。

「グァァアアァアッ」

バルトが苦しみに吼えた。贖罪の焔がバルトを焼き盡くす。

やがてバルトは地に臥した。左腕は煤となり朽ち果て、全に黒い紋様が巡っている。まるでそのを蝕む茨のように。

「〈裁き〉は未來を苛む」

「審判の刻は、まだ早い」

カオスゴッドが私を見ている気がした。

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