《日本円でダンジョン運営》臨時議論

「ところで、ここからどうやって順位を決めるのじゃ?」

アドゥルをどうしたものかと悩んでいると、唐突にサンが訊いてきた。

「それは、カオスゴッドが1位でバルトが2位で、サンかマルがそれぞれ3位と4位で、アドゥルが5位で、オレイノスとイヴがそれぞれ6位と7位で、ワルドとフレイがそれぞれ8位と9位じゃないか」

「ボクはフレイムイフリートに勝てる気がしないけどね。まあ、その順位でも一向に構わないんだけど」

ふむ、確かにマルの言う通りだ。実際の強弱に伴わない順位がこのままではついてしまう。

「我は構わぬぞ。ここまでの戦いを見て、これだけの力を持つ者なら力量差も理解できた筈。故に、順位など然したる問題ではない」

フレイが言うには、力の差は理解できたのだから順位は気にしなくていいとのこと。

「しかし、この順位で階層を並べかえるんだからちゃんと弱い順に並べなくちゃ駄目じゃないか?」

「主よ、このダンジョンは何階層まで突破されたのだ?」

「ちょっと待ってくれ、確認する」

バルトに訊かれたので、懐から攜帯型ダンジョン報端末(100000円)を取り出す。見た目は完全にスマートフォンだ。これはどこにいてもダンジョンの報を確認できるという優れものである。ただし、ダンジョンコアのように地形を作したりはできない。

この報端末スマートフォンを使い確認すると、現在19階層をナーダル含む冒険者パーティーが探索していた。もうすぐ20階層へと続く階段を見つけるのではないのかと思われる。

「19階層だな」

「ここまで來ないと思うのじゃ」

「癪に障るけど、ボクも同だ」

間髪れずにサンとマルに言われた。

「そういうことだ。階層をれ換えなくとも何も変わりはしない。侵者がここまで來れたとしたら、その時にれ換えればよいではないか」

「それもそうか」

確かに、バルトが言う通りまだ誰も大ボスに辿り著く気配がない。なら細かいことをそこまで気にしなくてもいいのか。

「そんなことより、3位決定戦をやるのじゃ!」

「まさか決勝でもなく3位決定戦で當たることになるとは思わなかったけど、臨むところだ」

相変わらず気盛んな子供達だ。

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