《俺にエンジョイもチートも全否定!~仕方ない、最弱で最強の俺が行ってやろう~》二日目(第七回) 魔の襲撃/初めての不幸
「おはよう~」
「あぁ、おはよう。」
また朝が來た。いま起きているのは俺とサテラだった。今は5時半。目的はログインボーナスを開けることだった。はじめのころは早起きだとかまぶしいに戸っていたが今となってはもう慣れた。
『ボックス!』
『ログインボーナスオープン!』
一度に詠唱を終わらせると、箱の中には鞘に生きている「目」がついている不気味な短剣だった。
『これを初回ボーナスと合し、「攻撃力50up」「格「冷酷で溫なる心」」を保存。次からは防を學習いたします』
今回はこんな文字が出てきた。文字數が多いからか、今回は四秒間続いて、消えた。
不気味な短剣が消えて、俺はし安心した。さすがにあんなのがずっと目の前にあったらし気分が悪くなる。それが終わり、ボックスが自消失すると、俺は地面にへたり込んだ。
「普通の人間が使うとこうなるんだな。」
「なくとも、今のあなたは、ですよ。」
サテラのその言葉に、どんな意味があったのはわからない。だが今はサテラしかより所がないから仕方がない。付いて行かなくてはいけない立場にあるのだから。
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真剣な顔を緩ませて、サテラは、
「さぁ、もうしで午前六時です。し休んだらシアノンさんを起こしに行きましょう。」
「ん。あぁ」
ふと時計を見ると、5時50分。なんだか嫌な數字だ。地球ではそんなに意味はない數字だが、俺にとってはなんだか嫌な數字に見えた。
俺はポケットからメモ帳を出した。ここ最近であった魔法、種族を書き出している。サテラから教えてもらったが、地獄より悪魔の力を持ったまま墮ちた悪魔のことを「墮落の悪魔ダークデビル」天國より聖なる力を持ったまま墮ちた天使のことを「墮落の天使ファイナルエンジェル」と呼ぶらしい。
居る確率はないってかほとんどいない。
「シーアノン!」
「シアノンさん、起きてください♪」
気のせいか、サテラの聲が最初のうざい聲に変っている。いや、気のせいじゃ、ないのだろうか。。。
「ん……あ!もう、こんな時間!」
シアノンが時計を見て俺たちの間を潛り抜けて、キッチンに向かった。
それを見て俺は思った。
――――――――――昔の俺はこんな時間、すやすや寢ていたよ。
此処が地球なら、もし死んでいなかったら……。俺の中に、一つの言葉が浮き上がった。
『帰りたい』—————————、と。
俺たちがゆっくりと階段を降りると、そこにはおいしそうなフレンチトースト。なぜこうも地球と食文化が似ているんだ。違うのは米がないだけだ。。。
橫には汗だくのシアノンが立っていた。
「さぁさぁ、どうぞ!」
シアノンが椅子を引いてくれた。
鼻にすっとってくる香りに、俺は天國にいる気分になった。このまま死んでもいいくらいだ。
「うわぁ~」
「おいしそうです!」
と言いながらがぶがぶとトーストを口の中に運んでいく……。
―――――――――☆
「さぁ、修行です!持ちこたえてくださいねー!!」
「はいっ!師匠!」
食べ終わって10分くらい経って、シアノンとサテラが勢いよく家を飛び出していく。
この家の土地は広い。し練習するくらいじゃ壊れないだろうが、もしシアノンの魔力才能が開花したら、恐らく家までは壊れないが、このあたりの土地に大きなが開くだろう。
「違います!もっとイメージを思い浮かべてください。魔力はあなたのなんです。」
「っふんぬぬ……」
シアノンはどうやっても手から魔能量流という魔力の波を表すものが出てこない。
俺はずっとそばにすわっていただけだった。ふと、小學校に習ったことが頭をよぎった。
――――――――――家庭科の、コンロ。
「シアノン。シアノンの指先はスイッチだ。スイッチを開けると、そこからは水が流れ出す。」
本當は火だけど燃やされたくはない。そんな屬ここで試されたくはない。
「わかった。ふんっ!!……できた!!!できたよ!!!見てみて師匠~!」
シアノンはぴょんぴょん跳ねて喜んでいた。その手からは水が流れ出している。しばらくすると、それは止まった。
『メテオラパワーストーン!』
その魔法の詠唱はシアノンのいる方向からだった。けど、それは上級魔法。さっきの技を見て、シアノンにできる魔法ではない。それに土屬だ。この辺に石なんて一つも浮いていない。
俺は何かに導かれるように上を向いた。
「生意気な人間どもめ!さぁ魔よ、彼らを叩き潰せ!」
薄く蒼いローブを著たピンクツインテールのの子だった。彼はピンクのふわふわなローブを著ていた。彼が手を上げると、黒い、6m余りはあるだろう魔が現れた。
魔は逃げる人間たちを食らい盡くしていった。そこに國王が現れた。國王は金髪で綺麗な髪のの男だった。黒いマント、青い目。そして紫の杖。彼はまだ本気を出していないのだろう。たのしんでいるような覚がする。
しかし彼に威圧はない。まるでとても軽いじの年のようだ。本當にこんな奴が國王なのか。俺は失禮ながらもそんなことを思っていた。
の子のまわりには石が浮いていた。恐らくさっきの詠唱の結果だろう。
「なんだよ、あれ」
「こ、怖い……」
「ちっ。國王も弱くなったもんですね。私が行きます。待機していてください。」
そう言ってサテラは長剣を現化させた。
サテラだけは、舌打ち、駄目、ゼッタイ。
「サテラ。」
「……リオンです。」
イケメンボイスで國王は言った。イケメンは敵だ。ごもっとも、そんなことを言っている場合ではない。
國王がサテラを本當に「サテラ」と呼んだことがかすかに聞こえたが、それも置いておくしかなかった。
魔はもうここに迫ってきている。俺は魔法が使えない。シアノンも初心者だ。
どうしようもないのか……?
「ふん、頭悪いやつらめ。狙いはお前らなんかじゃないんだよ!」
可い聲での子が言うと、その姿も同時に消えた。
魔は毒の槍を現化させ、俺に向かって投げた。國王の杖から出た火と、サテラの剣が魔に直撃したのと同時だった。
「うっ!」
そしてそれと同時に、毒の槍で俺の腹が貫通した。
俺のが流れ出す。そしてそれを俺も見た。大量の赤いが噴出する瞬間の場面を。
口の中が鉄の匂いで充満する。俺の口の角からが一筋流れ出す。
……なん、て、ことだよ……このままだと……俺、死ぬ……。
「リーゼルト君!」
「リーゼルトさんっ!大丈夫ですか!?」
「くそ、犠牲者を出してしまった……」
その國王とサテラとシアノンの言葉と同時に、俺は倒れた。
そして意識も消え去ったのだった――――――――――――――――――――。
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