《俺にエンジョイもチートも全否定!~仕方ない、最弱で最強の俺が行ってやろう~》第二十四回 お☆と☆ま☆り~これ誰得!?~
「あぁー、空気おいしいっ!!」
「よくわかりませんわ……」
此処はトセガイ町の中でも一番大きいとされる市場。
しかしニュドセアの場合ならば市場はトセガイの三倍の大きさなのだが。
俺は一度背びをし、大きく息を吸う。
あれから俺は出かけたくなってレスナをったが、レスナはネルタリーをい、自分はサテラの部屋に遊びに行った。しかも、「幸運を祈る」と言い殘して。
時刻は四時。この世界でも時間覚は日本と変わらない。
今日は五時までに帰ってこいとビックレに言われている。
「あぁ、これ買いましょう?」
「あ……はぁ!?」
ネルタリーが目を付けたのは何やら豪華な飾りが付いている、日本では通稱「マカロン」だった。
この世界では「マシュロン」らしいがな。
しかしそこではない。
値札が完全に終わっているのだ。
「三十萬G!?」
日本で言うとおよそ三百萬。それを「買いましょ」で軽く買おうとしているネルタリー。
「たっけぇ!たっけぇ!」
「安いですわ、セールですの?」
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俺のびも、にぎやかな街に吸い込まれて消えた。
今回は俺のおごりというか、俺の今までもらった金を使ってネルタリーに何か買うという約束なのだ。
しかし持ち金は丁度三十萬。これですべて使ってしまったら後がない。
――ー――――――――――――――――――――☆
「……がんばれ、リーゼルトっ!」
此処は市場の曲がり角の向こう。そこにレスナとサテラとケリアンがリーゼルトたちの様子を覗いていた。
「頑張りなさい、わが娘!」
「リーゼルト君のリア充めっ、発してくれませんか!?」
サテラのそれにはきっと誰でも「嫌です」と答えるだろうが、今それをこたえる者はいない。
ケリアンは気分が高しているのか、自分が王家子孫なのを忘れ、はしゃいでいる。
――ー―――――――――――――――――☆
「いいじゃないですのっ!」
「俺の財布がダメだってば!!」
一方こちらは喧嘩中。
アニメならば「チーン」と音が流れるような溫度差だ。
その喧嘩も周りには見えて居なく、二人が目立つことはなかった。
―――――ー――――――――――――――――☆
「はぁ……」
「なんて聲をかけたら……」
あの後俺とネルタリーはマカロン……じゃないマシュロンを買い上げ、ネルタリー家に帰った。
俺の財布がやばい。
橫ではレスナがめているようなしぐさをしている。
ネルタリーは隣の部屋で味しそうにマシュロンをほおばっているらしい。
サテラとケリアンはネルタリーと一緒だ。ケリアンがネルタリーを説教してくれることを願う。
今の時刻は四時半。予定より三十分も早く帰ってきてしまった。
どうやらサテラの予言通りリア充は発したようだ。
「で、殘った時間はどうするよ」
「飯まで後約二時間……」
「……よし、裝するか」
「なんでそうなる!?」
なにかと悪い笑みを浮かべてレスナはリーゼルトを部屋から押し出し、ドアを閉める。
「いいから、いいから」
「ちょっ、ちょっ、は?」
レスナはそのまま指をパチンと鳴らした。
すると俺たちはとある喫茶店の前に居た。
「は、はぁ!?裝喫茶!?」
そう、その喫茶店の名前は裝喫茶。
そして瞬時に此処まで來れたのはレスナの「移魔法」。
彼によると結構力を使うらしい。
「ようこそ裝喫茶へー、今日のお客様は二名様ですね~♪まず、ってくださーい♪」
店の前に居たメイド服のモブのような。
顔は普通だが綺麗とも言えない。
そのに背中を押され、俺とレスナは店にる。
中は騒いでいる気持ち悪いオネェだらけ。中には可い男の娘もいるが、オネェに絡まれている。
「ここで著替えてコーイ!んじゃ、オレも便乗~」
「わっ」
レスナは手元にあったまっピンクのひらひらドレスとかつらと共にリーゼルトを著替え室に押し込んだ。
そしてレスナは一番地味なワンピースとかつらを選び、ゆっくりと著替え室にはいっていく。
しばらくして。
カーテンの音が二回重なる。
「……さすが組織のアップロード……大賢者様ってそんな趣味あったっけ……?」
「レスナって……男の娘だったのか……?」
二人はお互いの裝姿に見惚れている。しかし惚れてはいない。
ピンクとホワイトが混ざったツインテールとリボンだらけのドレス。
はっきり言うと今のリーゼルトは日本で言うプリキュ〇アみたいだ。これでステッキでも持たせたらカンペキだろう。
レスナは銀の長髪かつらでチェックのドレス。
「ご主人様♡」とでも言いそうなじだ。メイド服を著ていた場合はオネェ軍団に絡まれそうな気がする。
「斷じて「娘」の方ではないが……まぁとりあえず席に著こう。」
「……ああ」
俺とレスナは一番隅で一番目立たない席を選び、座り込んだ。
そしてその間ずっと世間話をし、また「移」を使って帰った。
――ー―――――――――――――――――――――――☆
「飯だー!」
ネルタリー家ではすでに夜飯が用意されていた。
リーゼルトは高くび、目にも止まらない速さで席に座りガブリつく。
禮儀もくそもない。
これを戦いで発揮出來たら……とネルタリーはため息をついた。
リーゼルトに付いて行くように皆も一斉に食べ始める。
「そういえば、何処へ行っていたんですの?」
「あ……あぁ、喫茶店だよ」
あえて「裝」というのは隠しておいた。あまり追及されたくないし、変な誤解をされそうだからだ。
「なんか隠しているようですが……まあいいですわ」
あの疑い深いネルタリーが何も追及してこなかったということに幸運をじた俺だった。
ネルタリーは無言で箸をかす。
目の前に居る王家子孫三人。小さなきのどれもが優雅でしい。
俺はし今までのこの世界に対するを改めようと思う。
地球でも、此処でも。俺は日本に帰る。必ず俺の記憶を取り戻す。もう面倒くさいだなんて思わない。
ネルタリーには、謝している。
「あぁー、疲れた」
ご飯を食べた後、俺は部屋に急いで向かった。
らかいベッドに會いたいからだ。
そして俺はをベッドに預ける。
橫ではレスナが何かを書いて、魔法を使って飛ばしている。俺にそんなことを気にしている暇はない。
もう八時だ。
そろそろ寢なければならない。それがこの世界のルールである。
急いでパジャマに著替えて、布団にくるまる。
かちゃ。
ドアが軽く開かれ、ネルタリーがってきた。
「あら、もう寢ましたの?……では、わたくしも寢ますわ。レスナさんも、早く」
「あぁ。分かった」
ネルタリーは寢ている俺を見て、小さな聲でレスナに話しかけた。
そして彼はベッドの橫にあるカーテンを閉めて、パジャマに著替える。
レスナは良かれと思い、その場で著替えた。
二人のパジャマはいつもベッドの上にあったり、地面に転がっていたりしている。
「よいしょ」
レスナは著替えるとそのままベッドにろうとするが、消燈し忘れたことを思い出し、消燈してからベッドにり込む。
時の歯車は差しながらく。
彼の悪夢も、彼の幸運も、もうそう遠くない――ー――――――――――――――――。
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