《俺にエンジョイもチートも全否定!~仕方ない、最弱で最強の俺が行ってやろう~》第二十六回 最強侵者VS最強三兄弟

「またしても豪邸かよ」

「いや、それほどでもないよ」

俺達は今、アスリーン達の家の前に居る。

苗字は教えてくれなかった。

レジアス家という豪邸から來た俺達。

この家は恐らく二階建て。

レジアス家には劣る……と言っても貴族、王家子孫と比べたら可哀そうだ。

「じゃあ君たちはさっさと二階に行ってて、僕らは後で行くよ」

「おう、ありがとな」

了承を得て、俺とサテラとレスナは走ってこの家の二階を目指す。

宿よりはよっぽどいい環境に居ただろう。

しかし俺は自分がどれだけ幸運なのか気づいていない。

サテラもレスナも野宿などしたことがないため、冒険でもこれが當たり前だと思っている。

金持ちは違うなぁ、と実した俺だった。

「レジアス家よりはボロイか」

「こら、王家子孫と比べないであげてください」

二階に著いた俺達。

のペンキで塗られた壁と地面は優雅な雰囲気がする。

そこで俺は思わず思ったことを言ってしまったがそんなに怒られることはなかった。

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周りが金持ちだらけで謝した瞬間でもある。

レジアス家よりボロイとじた理由は所々ペンキが外れていたり、裝飾が劣るということだけだ。

面に関しての批判は別にしない。というよりレベルが違っていないのだ。

町一番というからには報酬も多いのだろうか。

「ってか、どの部屋行けばいいんだこれ……」

「適當にっちゃえばいいんじゃないですか?」

「リオン、ここは人の家だぞ」

いつもはサテラの方が禮儀は正しいのだが、人と場所によるらしい。

このナビ賢者め。

いつだったかサテラは俺を導くために分を作ってナビ代わりにしているらしい。

ということは俺がこうしている間も、たくさんの人が転生、あるいは転移をしているのだろう。

俺は中途半端な五歳に転生してしまったがこれが転生なのか転移の部類にるのか未だよくわからない。

恐らく転移の部類だ。

ここに彩が居れば、恐らくは分かったはずなのに。

そんな俺の小さな考えも、現実によってかき消されるのだが。

「あぁ、好きな部屋にっていいよ、二階はゲストルームが多いからさ」

「あ、了解」

話しているとアスリーンがもう二階に居た。

アレンとアスラは恐らく一階にて何かをしているのだろう。

返答をした俺は手あたり次第、自分の目の前にあった部屋にった。

二階の部屋はおよそ四つ。

その中の二つ目にったのだ。

中は木で作られていて、木の匂いがする。しかしニュドセアに居たときの家で慣れてしまった匂いだ。

(そういえば、シアノン、どうしてるかな……?)

俺は微かにそう考えた。迷ばかりかけてしまっていた一人のの名を。

「うあぁ、づがれだぁぁぁ」

「リーゼルト君、濁點が多すぎますよ」

「いや、実際オレも疲れてんだよな」

「さ、ざずがナビ」

部屋にった俺たちはベッドにドスッと音を立てて座った。

疲れて仕方がないのだ。

「じゃぁ、オレはなんか買いに行ってくるよ」

「おぅ!」

そう言ってレスナは出ていった。

それに差するように、

「あ、良かったまだ居ました!お兄様の部屋で遊びましょうよ!」

「あー、おっけ」

アレンがってきた。シアノンに似たその笑顔は、本當にその面影があるようだった。

オーガに時間をかけていたのか、今はもう夜。

そろそろ夕食を作ってもいい時間だが、レスナがまだ買い出しに行っているため何もできない。

アレンからいをけた俺は間髪もなく了承した。

人の家に泊めてもらっているからには、言うことを聞かねばならないと思ったのだ。

そう、これこそが最終的にはこの一家を助けることになる行なのだ。

一階のアスリーンの部屋についた。

「お兄様はいま庭にて修行しているので、あたしたちで遊びましょ」

「……姉さま……なにを……するの?」

黒いフードをかぶってなにやら暗そうなアスラ。

アレンとは正反対の格だが、仲良くはやれているそうだ。

「そうね……じゃぁ……」

アレンがそう言った時のことだった。

「終わりだっ!」

耳障りなほど憎く悪寒のする聲が響いた。

アスラと同じ黒いフードを被った男がアレンに向かって大剣を振りかざしている。

『雷電サンダー』

反応が早いアスラの攻撃のおかげで大剣がアレンに屆くことはなかった。

しかし、男には何の衝撃もっていない。

『麗しき瞳!』

サテラが自の必殺ともいえる技を放つ。

サテラの目に赤と黒が混じった電気が凝していく。

もう発寸前だ。

しかし。

『無効化』

男の聲によって、それは強制停止された。

殺気を放っていた瞳が元に戻る。

レティラーが居たのなら彼はこうんだだろう。

―――――――――――――――――黒魔法!?

と。

それにはアスラもアレンも驚いた。もちろん俺もだが、異世界人なためどこまでが最強なのか分かっていない。

『エアアンスト!』

アレンは掌を男に向け、そうんだ。

手のひらから竜巻が起こり、信じられない速さで男に向かっていく。

しかし。

『聖剣』

金にる剣が無數にアレンに向かって飛んでいく。

「あぁ!!!」

アレンは絶を殘し、気絶した。

「姉さま!」

アスラの悲痛なびを目の當たりにし、男は卑劣に笑っていた。

サテラは今まで以上に警戒している。

俺も、今何ができるかを脳漿を絞り出すくらいに考えていた。

・聖神!』

それはサテラが持つ最大の切り札。

それが通らなければ終わりだろう。

俺は最後に考え付いた。。

自分を犠牲にすることでなんだってできると、レジアス家で実している。

線がサテラから飛び出す。

男は一瞬ためらい、次の魔を繰り出そうとしている。

(今だ!)

俺の足は止まることなくき、魔法を持たないものにしては信じられない速さで男の手を後ろに縛った。

「リーゼルト君っ!??」

確かにこのままでは、俺もに撃ち抜かれる。

しかし、そうならない自信があったのだ。

『ウオーターバッグ』

清くイケボな聲が聞こえ、俺と男の境目に結界ができる。

それと同時にサテラのが見事に男に命中した。

「アスリーン!!」

「遅くなってごめん、大丈夫か?」

「兄さま!姉さまが!!!」

アスリーンだった。彼の屬に水があることが分かった。

しかしそれどころではない。

男はすでに死んでいる。顔を見るのは後だ。

アレンは男の聖剣をけて重傷を負っている。

『治療薬ポーション』

レスナも帰ってきたようで、バッグからポーションを取り出し、アレンに振りかけた。

「……ん…?」

「アレンさんっ!大丈夫ですか?痛みますか?」

「姉さま!姉さま!」

意識がもうろうとする中で、アレンはようやく目を開けた。

アスラが悲痛なびをらす。

「ごめん……もう、大丈夫……」

結局今日はアスリーンの部屋で雑魚寢していたのだった。

サテラは徹夜で男を組織に運ぶと言って家を出ていった。

さすがナビ。と思う俺だった。

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