《俺にエンジョイもチートも全否定!~仕方ない、最弱で最強の俺が行ってやろう~》第二回 現在狀況の説明

六時に藍は自然に起きた。

大魔王城のルールのひとつ……であったのだが、藍の起きる時間は五時。

ロナワールは四時。

こいつら寢てんのか?とでも言われるような非リアの敵である二人。

藍もロナワールも「リア充」である。

彩も浮いてはいるが「非リア」の類とまではいかない。

つまり!うちの主人公たった一人が非リアなのだ!!!

ということは置いといて……。今はもう七時。

藍は今ロナワールと朝食を食べている。「同じ」ものである。

普段ならばあり得ないのだが、藍は重用されているらしいのであり得るという。

作り方としてはパンを揚げて皿にのせただけなのだが、量が半端ない。

「それで、戦爭が起きようとしているのですね?」

「ああ、部下の反もよくあるのだが、大賢者までもがき出してな……」

藍はロナワールから現在狀況の説明をけている。

彼によると、部下三人の反がおきているのだという。

そして天敵である大賢者シアンがそれに乗って一緒に攻撃をしてきているという。

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つまり大変危険な狀態に、藍という救世主が舞い込んだということだ。

「では、私も戦うのですね?」

「そういうことになるな。ここ最近は魔法の訓練をしてもらう」

朝食が進まない。

藍は黙々と食べるロナワールを見つめてみた。

き通るような長い髪。それによく似合うローブ……。

付き合い始めてやましい意味はない一日もない。しかし藍はロナワールを優しいと評価を付けた。

大魔王というからにはチャラいしこき使われるのかと思ったが、意外にユニークで怒りがない。

城もきちんと管理されていて、指揮もてきぱきこなす。

どうみても、反されるようだったり、天敵が生まれるような人格ではなかったのだ。

「大魔王であったら、自然と攻撃されるんだよ……」

そう言った彼のその言葉は、いつまでも藍の頭の中に響き続けていた。

――――――――――――――――――――――――――☆

「今日はイベントがたくさんあるのね?」

ここは藍の部屋。

部屋に案されたとき、メイドのフィーラと仲良くなった。

フィーラは藍が部屋にいるときに限り全てのことに応対ができるようにされている。

特にやりたいこともなかったためコミュニケーションをしたら仲良くなったのだ。

「今日はですね、魔人との自己紹介、魔との魔法のふれあい……ロナワールさまとの修行が組み込まれていますね」

「……ロナワール様がやるのっ!?聞いてないわよ……」

フィーラは一枚の羊皮紙を何処からともなく取り出し、それを見ながらそう言った。

貝のようにる紫と黃が混ざった髪。

の最大の特徴であり、最大の魅力でもある。

余談だが、大魔王城ではフィーラのモテ度はとても高く、彼が好きという者はわんさかいる。

ロナワールは全魔子、から好かれている。

……イケメンなのは藍も否定しない。

ロナワールと共の訓練。嫌というわけではないが……まさかの大魔王との訓練とはなんだか呆れる。

魔人との自己紹介イベントでは、藍が完全に魔人たちに好かれた。

魔人は男の種族であり、藍もそれを知ってはいたのだがやはり暑苦しかった。

そして藍はフィーラよりは劣るが同じくらいモテた。

との魔法のふれあいは大いに知識になった。

オトナの魔からはいじられたりはするも悪い気はしなかった。

藍の格が「魔らしい」とここでも好かれた。

……。

そして、(作者も)藍が一大イベントとするロナワールとの訓練。

普通大魔王との訓練なんかするのか疑問におもう。

気になってフィーラに尋ねてみると、ロナワールがそう決めたことのようだ。

その理由を聞いて、藍も納得した。

『強すぎて、誰もランさんの相手にはなりませんよ!?』

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そして、大魔王城の庭……二つ目の庭にロナワールと藍はいる。

暇だったため、フィーラに大魔王城の造りを尋ねてみると、大魔王城には訓練できる庭が六個あるそうだ。

庭がありすぎても守備が甘くなるのではないかと言ったら、フィーラに呆れられた。

『攻撃なんてしないので、中まで攻めてこない限り出はするわけないじゃないですか?』

し、優しすぎなのではないかと藍は心の中で思った。

ひょっとしたら大賢者の方が悪そうな予がする……。失禮ながらその思いを隠せなかった。

「魔法……昨日出したな」

強化ですけどね?」

強化はスキルにも魔法の種類にもらない。魔力を全にまとわせたり一部分に集中させればいいだけなのだから。

魔法の使い方は分かるが、昔は・・特別スキルなどなかったのだからわかるはずもない。

昔の場合は魔力強度と力、レベルを測ったらあとはレベルによっての魔法を好きに使える。

しかし今では安全や犯罪防止のため、なんか面倒くさいステータスになってしまっているらしい。

「特別スキルの出し方は大強化と同じだ。違うのは威力が強いため詠唱が必要になるということだけだ」

「では、試してみますね……」

イメージ。

藍が現実でよく苦労したことのある「イメージ」。

魔法はイメージが必要だ、藍もよく練習した。今ではきっと、できるだろう。

『特別スキル:蒼なる!』

藍は両手の人差し指と親指を立ててカメラ型にし、それをぴったりと目にはめた。

するとそこから青いが凝し、放たれた。

狙った先はもちろん、大魔王様♡

「うっ!?」

「……解放の仕方なんて解りませんよ?」

ロナワールはそのままけなくなった。に白いがまとわりついている。初めての発だったため的にどう解除すればいいのか分からない。

「……そ、そのまま……もう一度を放て」

「あれ、喋れるんですね?」

「たりめーだ!オレは萬単位だぞ!?」

藍はそれ以上何も言わずに、もう一度カメラ型にしてを放った。

するとロナワールのにまとわりついていた白いがすっと消えていった。

つまり、重ね掛けは無理だということを知った。

千単位と萬単位。

拘束することはできたがそれ以上のことはできなさそうだ。藍の推測だとロナワールが抵抗するならば時間と共に自力で抜け出せそうだ。

「油斷したぜ……てか攻撃通ったの90年ぶりだぞ……?」

「通ったんだから認めてください」

「うっ!?」

藍の言葉がロナワールにクリーンヒット……。

フィーラによるとロナワールは約五百年くらい生きてきているという。

そして、その景を、藍の部屋ではとあるメイドがニヤニヤしながら見ていたということは余談である。

――――――――――――――――――――――☆

「はあ……疲れたわ」

「ランさん、お疲れ様です。見事な拘束でした。」

「見てたのね!?」

部屋に戻った藍はベッドに倒れこんだ。フィーラは部屋を掃除している。

フィーラが今日修行現場を見ていたということはし呆れがある。

気になるわけではない。

もう午後の八時。

夕食はもう豪華なダイニングルームで済ませている。もちろん二人きりではない。

ロナワールとその妹セナールと藍の三人で約三十人が座れる機を使ってステーキを食べた。

距離が大きすぎて話すのにも一苦労だった。

もちろん藍は何か言われない限り話しかけることはないのだが。

仲に進展してくれたらいいんですけどねー!」

「それはありえないわよ、相手は大魔王よ?」

にこやかな笑顔でフィーラはそう言った。

藍がベッドに潛るとともに消燈される。

素直な気持ちで言うと、失禮ながらロナワールには興味がない。

あまり格も分からないし、まだそんなに接したこともない。

とりあえず、藍はこのことをよく考えて振り返ることにした。

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