《俺にエンジョイもチートも全否定!~仕方ない、最弱で最強の俺が行ってやろう~》第五回 魔法訓練その二

あれから、約一日が経った。

敵陣は、全くきを見せない。

ロナワールは一度屋から降りた。もう今が何時かもそんなの數えていない。

ただ単に、戦いたくない。

「……ランが、戻ってこない、と」

一日が経ったのに、藍が戻らない。

大魔王城は広いため、裏で訓練していても音や聲が聞こえることはないのだ。

風が吹く。

長いロングヘアーがそれに合わせてしくなびく。

「っろ、ロナワールさまっ!!」

「フェーラ……??どうした」

様子を見に行こう、とロナワールが背を向けたとき、フェーラが走ってきた。

どうやら急いでいたらしく、額からは汗が流れていた。

それを見てロナワールは冷靜に聲をかける。

「ランさんが、ランさんが訓練を止めてくれません!!!もう、丸一日魔力を消費し続けているのです!このままでは、ランさんが死んでしまいます!」

魔力切れ。

この國では、誰もが魔力を持っていて、それが切れると死ぬ。

それは常識であり、藍もそれを知っていた。

「な、なんだと……!?どういう、ことだ……?」

必死に冷靜を保ちながらも、ロナワールの額からは一筋冷汗が流れていた。

「それは後です!とにかく行ってあげてください!!」

ロナワールは頷き、強化をかけてから目に見えない速さで裏に向かって駆けていった。

フェーラもゆっくりと向かう。

――――――――――――――――――――☆

「ランッ!!」

ずざっ。

と砂を薙ぎ払う音がして、ロナワールが裏にたどり著いた。

盾のついた剣を振り回していた。

丸一日訓練をしていたからには、それはもう練まで來ていたのだが、どうみても通常の狀態ではない。

「は……はぁ……はっ……あっぁ……」

ぎながら的確に的を切っていく。

しかし。

「ラン!止めろ!もうやめるんだ!」

遠くからロナワールはそう聲をかけた。そして藍にしだけ近づいた。

藍はその聲が聞こえったようで、一度きを止め、微笑んだ。

その顔は青白く変しており、無理をしているとわかる。

「私は……そう……必ず……助けなきゃ……私が……力になるのよ……。それしか……」

ロナワールにも聞こえるほどの音量で、途切れ途切れに藍はそう言った。

昨日の聲が、聞こえていたとでもいうのか。

「無茶だ、やめるんだ、ラン!聞こえないのか!?」

「聞こえて……いるわ……で……も……私……は……」

カラン。

と音がして、藍の握っていた剣は手から落ちた。

藍もそれに沿って倒れ……なかった。

「フェーラ!急いで連れ帰れ!ポーションをかけろ!」

「分かりました!」

ロナワールが間一髪で抱き上げたのだった。

そして駆けつけたフェーラに藍のを預け、フェーラはそのまままた走っていった。

「はあ……世話を焼くやつだな……はっ」

殘されたロナワールは一人でそう笑った。

    人が読んでいる<俺にエンジョイもチートも全否定!~仕方ない、最弱で最強の俺が行ってやろう~>
      クローズメッセージ
      あなたも好きかも
      以下のインストール済みアプリから「楽しむ小説」にアクセスできます
      サインアップのための5800コイン、毎日580コイン。
      最もホットな小説を時間内に更新してください! プッシュして読むために購読してください! 大規模な図書館からの正確な推薦!
      2 次にタップします【ホーム画面に追加】
      1クリックしてください