《俺にエンジョイもチートも全否定!~仕方ない、最弱で最強の俺が行ってやろう~》第十七回 裏で行われた作戦會議
広いとも狹いとも言えない部屋で。
燈りもつけずに。
ロスとシアンは機に座って見つめあっていた。
シアンのその目には悔しさがこもっており、ロスはそれに対してはなさそうだ。
「私を此処に呼んだ原因の目星は既に付いている。言え」
「おう、付いてるんすか。まあ簡単に言うとボスがイライラしてるんだってよ」
ロスによると、シアンが今回勝手に兵力を使い、ボロ負けで帰ってきたことにボスが怒りをじているそうだ。
そのボスは今シアンに何かするつもりはないものの、これ以上の失敗はきっと許されない。
シアンは眉をひそめ、を噛んだ。
「もう一回だ!こんな屈辱は許せない!」
「失敗はなしっすよ??それに俺も咎められちまうんっすよ……ちゃんと考えてくだせぇよ、どうせ俺も「巡査」だから手伝えやしねえんですけど」
困ったようにロスはシアンにそう言った。シアンは気にしていないようだ。
顔を俯かせているものの、その中の表は目に見えてわかる。
巡査隊長の任務は「調べる」「補佐する」「計畫を立てる」という三つが主である。
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間違っても勝手に誰かを手伝ったりはしてはいけない。
これでクビになってしまった例があるため、ロスも勝手な行はできない。
「それは分かっている!しかし、こんな屈辱、お前ならけれられるというのか!?」
聲を荒げるシアン。
ロスというのは、自分を棚に上げ、誇り高く裝っているような男だ。
藍とはまた一種違うが、プライドが高い。
そんな彼がこのような屈辱をけれられるわけがない。
「んなわけねえっすよ、あんの大魔王……俺も殺してえくらいっすよ」
「それでいいのだ、前のは甘すぎた、今回は一際違うぞ」
瞳をこれ以上開けられないくらいにこじ開け、ロスは憎しみと殺気のこもった聲でそう言った。
もちろんその矛先がロスくらいの者に殺されるとは発言したロス自も思っていない。
それを聞いたシアンは安堵したようにロスに向かって言う。
シアンは組織で有名になるくらいロスに頼っている。と言うより霊とロス以外誰も信じようとしない。
ボスも含めて、ただり人形になっているだけのようなものだ。
それはボスも承諾済みである。
「あいつの事が嫌いな勇者……組織の人間も集めよう。冒険者ギルドからもな」
「依頼にするんすか?」
「あぁ。大賢者の依頼をあいつに恨みを持っている奴らが聞かないわけがない」
それは正論だ。
ロナワールに恨みを持っていなくとも大賢者からの依頼というのは重大なもの。
毎回報酬も並みではないため、金がしい、実力に自がある者は參加しないわけがない。
シアンは今回はちゃんと計畫を立てることにする。
あんな過ちはもう二度と起こしてはいけないのである。
「今回はいつもより報酬を多くする」
「どんぐらいっすか」
「そうだな、私の財産の半分でもやろうではないか」
「なっ!?本気っすか!」
ロスが立ち上がり、また座る。
シアンの財産の半分と言えば日本円で約千億強くらいだ。それほどの大金を報酬にしようと言うのだ。
まあ、分からなくもないだろう。
失敗したらクビも免れない計畫なのだ、れはありえない。カンペキな狀況を創らねばならない。
「本気に決まっている、決まったとしたら早速行をするぞ」
「いや、もっと細かく決めないんすか?」
「ああ、そうだな、急ぎすぎた」
シアンの表を読み、言葉を選んでロスは聲をかけた。
はっとしたようにシアンは表を変え、また考え込んだ。
「兵力はいらん。私と勇者と組織の者で充分足りる。そして勇者は一番最初に攻撃だ。それが破られるとは思わんが、その後ろに組織の者を控えさせる。それを突破できるならば、次は私だ」
「そうっすね、俺らまで辿り著いた時には力限界だと思うっすからね」
羊皮紙を取り出し、シアンは適當に今言った作戦の構図を描いていく。
それを見つめながら、そしてシアンの話を聞きながら「おぉ」と聲を上げてロスは納得する。
そしてまた沈黙。
「道でも使って無理やりスキルを進化させよう」
「お、ついに本気ですか。道は痛いっすよ?」
「問題ないし大事ない。この程度の痛みで私をどうにかできるのならば恐れられはしない!」
道を使って進化させるというのはあまりにも無理やりの方法である。
藍のように、進化させることができるが道の場合それは一生に一度のみ。
失敗確率も高いためデメリットが多いのだが、待ちきれない者はよくこの方法を使う。
その道はダンジョンの深層にあり、そのダンジョンの主が持っているという。
道と言うよりも実なのだが。
「行くしかないな。ロス、貴様は來るか」
「ちょーどいいから俺もスキル進化させてえですわ。供さしてもらいやすぜ」
シアンに聲をかけられ、ロスは立ち上がる。
ぱたん。
ドアの音が小さく響いた。この部屋の主は、今はもういない……。
「またなのか……失敗は許さないと言ったのにな」
事務室らしき場所で、水晶球を持った年が、また笑みを浮かべた。
それは「彼ら」を見下す笑みだった。
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