《俺にエンジョイもチートも全否定!~仕方ない、最弱で最強の俺が行ってやろう~》第二十一回 宮廷魔法士をあっさりと
宮廷魔法士。
國王の側近の魔法使いであり、全員が天才である者達のこと。
その者達は騎士よりも立場が上で、國王に口出しすることもできるほどの……一言でいえば大である。
彼らは基本賢者より上の者や賢者の命令は國王の命令と同じと言われているため、大賢者のシアンの命令とも來たら絶対こなさなければいけないものである。
それはロナワールも藍も、此処にいる全員の者が知っていたことだ。
そして大魔王城の者達が大昔から恐れてきた存在だ。
「やべえ……マジでやべえよ……」
大魔王城の最上階、屋から一番近い恐らく百十六階の窓から、ロナワールは第二次大戦の狀況を見下ろしていた。
約二百萬の宮廷魔法士に押され、森の方向に忍ばせていた三百萬の魔王軍兵力は徐々になくなっていった。
宮廷魔法士の損傷はない。今では魔王軍の方も二百萬人弱で、やや向こうが勝っている。
ロナワールの後ろでは藍が魔導書を見ながら、何か他の強くて良い技がないか調べている。
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「これは、勝てる可能があるのかしら?」
「あー、今のところユノアを向かわせている。楽しそうに行ったから問題はないと思う」
「ユノアを!?」
(この、単純大魔王!!!)
ロナワールがそう言ったところで、藍は聲を極小に抑えながらもんだ。
彼は分からないようだが、ユノアのは不安定。今戦場に出すのは控えるべきなのだ。
勿論藍自も安定している自信はない。
しかしなくともユノアよりは事を考えられる。一人で出場させてもいいほどユノアは安定していない。
「……ユノアを戻す。待っていろ」
「え、ちょっ!?」
「お前が言うなら、そうする」
「まだ何も言ってないわよ」
ロナワールは全てお見通しだ、と悪戯に微笑んだ。
藍の顔は瞬時にかあっと紅し、ロナワールを追い出した。
殘された彼は、一人で心臓のきを収めようと一生懸命自分を落ち著かせていた。
ユノアはきっとまだ無事だと思う。
第一段階でシアンが向かってくるとは思わないし、ユノアも一度はシアンを裏切ったである。
そう簡単にわされるとも思ってはいなかったが、やはり何だか不安なのだ。
これが現実世界で言う「フラグ」なのかもしれない。
「ユノアが妖をできるようになったら、どうなっちゃうのかしら……?」
シアンがどうして妖を使えるのか、それが気になる。
しかし、いまはそんなことを気にしている場合ではない。
藍はを噛んだ。
(分かっているわ、そんな場合じゃないことくらい―――――――)
力強く目を瞑る。涙が止まらない。嗚咽が部屋全に響き渡る。
ぽん。
と藍の頭の上に暖かくて大きな手が優しく置かれる。
「ルナセスの子供なんだよ、シアンは。」
「え……?」
ロナワールだった。
彼は微笑んで、過去をもう一度思い返しているようだ。
「シアンがどうしてオレを敵に回そうとしたのかは分からない」
「彼の、格かしら」
努力して聲をあげないようにするが、涙が止まらない。
ロナワールはそのままにして、藍を止めることはなかった。
「ユノアを退散させ、エアンとサタンを向かわせた。宮廷魔法士はすでに百萬人まで減っている」
簡単に現狀報告をし、ロナワールはまた窓を見つめた。
彼は単純に戦をしたくなのだろう。
本當に平和をんでいるのだろう。世界を創った一代目の「大魔王」よりも。
その大魔王と言う肩書は、いつか解き放たれるのか。
何分経っただろうか。
突如外から、エアンの聲が響いた。魔法の、詠唱が。
『呪きんじゅ魔法・エラー!』
エアンが両手を合わせて敵陣に向けると、森の半分が更地へ変わると共に、約百萬人まで減った宮廷魔法士も一人殘らず消え去った。
しかし彼らはエアンの繊細な作により、死ぬことはなく地下に閉じ込められる。
それを見たロナワールは報通信機で彼らへの食住を無條件で與えることを命令する。
「エアンのあれは、黒魔法ね?」
エアンのおかげで何とか自分を正せた藍がそう聞く。
「あれはエアンの得意な魔法だ。昔から黒魔法屬に憧れていたものの、最近まで止されていたんだ」
「どうしてまた使えるようになったの?」
「組織の……あのギフトの作者と恐らく同一人のボスと呼ばれる奴が手を回したんだ」
「その人、どう見てもただのお人よしか、何らかの計畫を実行しているようね」
その藍の解釈にロナワールは同意する。
とりあえず厄介だった宮廷魔法士はエアンのおかげでとらえることができた。
もしも終わった時にまだ生きていたのなら、エアンには膨大な功績を與えることが必要だ。
勿論ユノアも功績が大きい。
と、そこで。
窓から見下ろしていたロナワールの表が迫した。
藍はそれを察し、考えるのをやめる。
「どうしたの?」
「エアンが倒れた、いまフェーラに向かわせている」
心配になった藍も窓から見下ろした。
その時のロナワールと藍の距離が近くなっていたのは余談である。
下では、フェーラがエアンに駆けつけ、治癒魔法をかけている。エアンは息を荒くし、魔力の大量消費が目に見えてわかった。
「確かにアレはエアンの得意な魔法だが、力、魔力値がし劣っているために倒れることがあるんだ」
「いつもじゃないのね」
「あいつは能力の調節も得意だからな」
それからエアンの調子は徐々に回復していき、ロナワールと藍がいる此処最上階まで上がってきた。
ロナワールは「大丈夫なのか!?」とエアンを支えながら座らせ、藍はしだけ嫉妬していたものの仕方ないと割り切っていた。
ユノアは、誰にもわからなかった。その場にいた藍とエアンだけが、何かのフラグをじ取っていた。
あれからシアン側からのきは途絶え、何かの準備をしているのかと思われた。
とはいえ、勝利は勝利である。
今日は圧勝會を開こうと思う。食料については、今は考えないでおこう。
ちなみに気は抜いていない。
『邪気眼』
とある場所で、一人の年の右目が真紅にった。
そのの名前は。
―――――――――――――――――妖。
『ねーぼす、まだなの?』
「まだだよアイエリアス。リーゼルトも藍も彩もしの進展もないんだよ、僕が何かする必要はないよ」
そう、霊と話している年の表は、「無邪気」とは言えなかっただろう。
アイエリアス……最上級霊は年のステータスを覗いた。
『あいかわらず、ちーとなのね』
「君に言われたくないな、僕と同じくらい強いのに」
『あれ、かんかくがにぶっちゃったのかな?』
年のステータスは、カンスト……バグっていた。
【書籍化・コミカライズ】無自覚な天才少女は気付かない~あらゆる分野で努力しても家族が全く褒めてくれないので、家出して冒険者になりました~
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