《俺にエンジョイもチートも全否定!~仕方ない、最弱で最強の俺が行ってやろう~》第二十二回 暴れまわる冒険者

あの勝利を祝う會は藍の手によって「勝利歓迎會」へと名を変え、すすめられた。

その一晩、皆が徹夜をし、皆が鮮やかな笑顔を浮かべていた。

そして、その翌日。

またシアンの方面からきがあると伝えられた。

その戦闘準備を開始している軍隊たちは見ただけでも全員が冒険者ギルド特有のカードを所持していた。

つまり、全員が冒険者だということ。

「はあ……攻めてきたもんだな」

ロナワールと藍は相変わらずあの最上階にて魔導書を読んでいたり、簡単な魔力流を確かめたり。

そのおかげで壁にが開いているのは気にしないでおこう。

藍は此処最近自分の屬とレベルで実踐できる技をいくつか覚え、ロナワールはどうしたら仲間をうまくまとめられるか研究し、今では宮廷魔法士の隊長になれるほど指揮能力がある。

たった一日でここまでできるようになったというのは、褒めるというより恐れるべきだ。

「まさかの冒険者とかふざけんなよ」

「えぇ、ごもっともだわ。待機していた三百萬全員出しちゃったじゃない」

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ロナワールは窓から戦の景を見下ろしており、藍は魔導書を読むのを止めてはいない。

しかし上手に苦笑いを浮かべ、肩をすくめた。

冒険者たちは未だに大きなきを見せてはいないが、手慣れの人たちばかりだということはわかる。

どちらにしろ冒険者は甘い存在ではないため待機していた三百萬兵力を向かわせたのだ。

軽く話してはいるが、実は二人とも冷や汗を流している。

「今度も誰か向かわせなきゃ駄目っぽいわよ?」

「これ以上シアンに向けての戦力を剃るのか?」

「シアンが來るまできっと何日かはかかるわ、それまでにはエアンも回復するだろうし……でもどちらにしろ一人だけ戦闘不可能になる可能はあるわね」

そう解析した藍の言葉を聞いて、ロナワールは即決で頷いた。

一人と。

一人戦闘不能になるだけでもずいぶん切迫した狀況になるのだが、もしかしたらと言う希で今まで學んできた指揮能力を生かす。

シアンに向かうためには、この狀況をまず切り抜けなければいけないのだ。

例え後先が、なくなっても。

「分かった。力が一番高いサタンに向かわせる」

「あら、一番高いのは私よ?」

「お前レベルでものなど言えんな、それにお前は最後の戦力だ」

それは分かっている。分かっているうえで、一筋の希を抱いて藍は言ったのだ。

ロナワールの言葉を聞いて、納得はしたものの、心はとてももやもやする。

重大な時に、頼りになれないという自分への怒りと、自分の行き過ぎた能力への怒り。

「……心配するな、お前は一番頼りにしている」

「え……?」

ぽん、とロナワールは手を藍の頭に置いて、何度かでる。

一度微笑むと、彼はドアを開けて、そして閉めた。

サタンは力が優れているものの、魔力はそう長く続かない。

いざの時のために、明化してフェーラも付いて行かせることになった。

……と言う會話を、藍は外で聞いていたのだ。

しばらくすると、ロナワールが帰ってきた。

ほぼそれと同時に、戦闘は始まった。

彼らによると、サタンは今は後方にて待機、危なくなったら即出場ということらしい。

『うあおおぁああああああああああああああああ!!!!!』

窓から聞こえた、そんな掛け聲にも似た絶の聲と共に、冒険者たちは一斉に攻撃を開始した。

狂っているように、魔のように、唾を飛ばしながら、理を失い。

「なに、あれ……」

「妖にかかってはいないというところから、何等かの弱みを握られているか、あるいは……」

「自分から、やっているか、ということね」

それを見たロナワールと藍はブルっと震いした。

いつも「きらっ!」「しゃん!」という効果音でも流れそうなほど端正な冒険者が、狂っているのだ。

しかもそれは彼らがんでそうしている可能が高いというのだ。

三百萬兵力はあっという間に削られていく。

「ざっと見てみんなcランク以上の集まりかしら」

「なんかAランクがいるんだが見間違い……じゃねえな」

Aランクとは「なれた」という事実だけでも有名になることができるランクだ。

さすがに危ないと察したサタンは超スピードで走りだす。

力溫存のために全力とはいかないが。

フェーラやサタンが全全霊で育て上げた「待機していた」三百萬の魔王軍。

サタンの加によって戦闘は良い方向に変わり、互角といったところか。

「互角でも終わんねーぞ?」

「確かに、このままだと負けてしまう可能もあるわね」

このままで相手から何かひとつでも罠がかけられたら即負ける。

それは素人でも誰が見ても分かる。分析はできるか分からないが、負けそうなのは目に見えている。

向こうはあのバトルジャンキーシアンが育て上げている。

もしかしたら洗脳もされているかもしれない。限りなく浮かんでくる可能に、怖気が止まらない。

「魔を放出する、ユノアを呼べ!」

「ユノアを……」

「もう待機はできない!終わらせなければ後が持たない!」

そうんだロナワールの眼は、如何にも大魔王かのようだった。

その熱いまなざしに負け、藍はこくりとうなずいた。

外では、熱い戦闘が繰り返されていた。

『悪魔針デビルハンマー』

ハンマーと言うからには、サタンのその技はとても凄まじかった。

両手を前に向けると、針が無量大數と言えるほど多く集まり、大きなハンマーへと形を変えた。

手首に力をれ、スローモーションでそれを放す。

針ハンマーは「ズバシュ」という効果音を立てながら、橫二列の冒険者を戦闘不能にする。

戦闘不能になった冒険者たちは次々と生け捕りにされ、戦意喪失するものもいる。

しかし一番厄介なのは。

(あいつ……Aランクっぽいけど、あまり攻められたくないな……)

ロナワールも言っていた、後ろで控えている威圧丸出しの男。

サタンがもう一度ハンマーを振り下ろすと。

冒険者はあっという間に半分になり、Aランクだと思われる男も怯み始めた。

しかしその時。

『魔よ、冒険者らを戦闘不能にせよ!』

ユノアだった。

たちはものすごい勢いで冒険者たちに向かって突っ込んでいく。

ある者は、スライムの中に閉じ込められ、ある者は、魔が持っている袋に詰め込まれ。

ある者は、魔の眼によりけなくなり、ある者は、魔に電撃を流され失神している。

攻撃される方法は様々だが、あのAランクを除いた冒険者すべてが無効化された。

その冒険者は冷や汗を流し、くことすらできない狀況だ。

はかつての彼らと同じように、唾を流し、狂ったように彼を見つめている。

さあ、殘った二百萬兵力VSただのAランク冒険者……。

その現実に負け、冒険者はあっという間にひれ伏したのであった。

そのあとその冒険者は無條件で魔王軍に協力することを誓った。

それは極なため、世間には拘束されたということにしている。

そのことも祝って、もう一度「勝利歓迎會」が開かれたというのは余談である。

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