《俺にエンジョイもチートも全否定!~仕方ない、最弱で最強の俺が行ってやろう~》第三十三回 そして、組織へ

選ぶのも面倒くさいため、手當たり次第の宿にはいっていく。

付には優男が接客をしており、こちらをみて微笑んだ。彼が接客を終えると、自ら藍たちに歩み寄り、優雅に頭を下げた。

彼は執事服を著ており、この部屋を見回すとオレンジのライトが當てられていてきれいだ。

差し出された値段表を見て、この宿が相當高級であることが分かった。

「いらっしゃいませ、當店は一週間につき1000Gです。一か月でまとめてくださるのなら20000Gになります。一か月以下で一か月に追加する場合は25000Gになります。いずれも朝晝晩の食事つきです。食事はロビーにて好きなものを一人一セット注文してください」

優男はもう一枚羊皮紙を藍たちに渡してから、また説明を続ける。

「食事の追加には100Gの料金がかかります。お風呂についてですがたらいにお湯をれてつかるだけでしたら毎回1000G、シャワーの場合は2000G、風呂にる場合には5000Gになります。水も高価ですので使いすぎは料金を100G追加させていただきます」

「水屬がいるの?」

「えぇ、うちの姉が風呂や食事の管理をしています」

失禮ながら聞いてみると、優男は顔いろを変えずにそう答えてくれた。

「何日の宿泊になりますか?」

「んー、一週間でいいわ」

「では部屋はどうされますか?」

「全員一部屋で。」

邪魔にならないように隅に寄ってから、優男が付に戻ってなにやら手配をすると、鍵を持って駆けてきた。

「こちら403號室です、一週間が終わりましたらお返しください」

「分かったわ」

優男から鍵をけ取り、三人は奧にあるる階段に向かおうとして。

「あ、僕はルイスです。覚えてくださいね?」

「分かったわ」

同じ返事をしても気分を損なわないルイス。

なぜ教えたか聞いてみると「長い付き合いになりそうだから」だそうだった。それはよくわからないが、とりあえず四階に上がることにしよう。

鍵を開けて、荷を置いて、鍵をかけて。

三人はまた宿を出る。

その際宿の看板を見たら、「高級宿屋:ルイセル」とだけ書いてあった。

ルイスがナルシストなのではないか、とサランが予想を立てたのを付け加えておこう。

「ていうか、トセガイ町って意外と小さいのね」

「ニュドセアの方が大都市みたいだぞ、あっちを越せる者はいないらしい」

「あれ、何か聞こえないかしら」

それは幻聴ではない、確かに藍たちの耳にってきた。

『王城の門は、組織の口。見える者は導かれ、見えない者は王城だとしか見えない。貴たちはわが組織にれる資格を持っていますか?祭のステージのご來場、お待ちしております』

機械ではなく、の聲で。

清楚な、まるでシアンの頭に著けている清らかな緑のリボンのような聲。

そして何か言う暇も與えず、聲は靜かに去っていった。

「つまり王城の門をくぐればいいのね?」

「何か呪文はいらないのか?」

『……封印開かせし時、運命は切り開かれ、最終のステージへと』

「そう言えばいいのか?」

エアンのその問いに、聲が応えることはなかった。

どうやらこれが呪文で間違いはないようだ。

これでようやく組織への道はしだけ切り開かれた、きっと組織あっちによって行われた計畫で。

―――――――――――――――――――――――――――――。

第二章、終了。

次回第三章:目線:彩。

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