《俺にエンジョイもチートも全否定!~仕方ない、最弱で最強の俺が行ってやろう~》第三回 城の「部」見學

今日、世界各地からやってきた劣等たち、そして前から居た者達。

どれだけ前から居ても、千年前から居ても見せることのなかった部屋を見學することになった。

理由は、海斗のスキル【未來暗視】というもの、いわゆる勘の的中率を上げるスキル。それを使って暗視したところ、その部屋が未來へのを燈すらしい。

彼は意外にも思い立ったらすぐに行するタイプだ。

今日見學する部屋は二部屋である。

ひとつは噂に聞く運命の者しか抜けない聖剣の部屋と、もうひとつは誰も知らない神的な部屋。

初代、一代目の才能のみが見たことのある部屋という噂はある。

しかし誰一人そこに何があるか知る者はいない。

「これはさすがの僕も張しちゃうな、獨斷なわけだし」

誰かに命令されたわけではない、これは海斗の獨斷なため、責任は全て彼にある。

此処は地下だ。

何百人もいる劣等をグループに分けて、もうひとつのグループはセシアが擔當している。

それは能力順だったため彩は海斗のグループだ。

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海斗のもつ蝋燭臺に燈されている火がゆらゆらと揺れる。きっとこれがなければ真っ暗で何も見えなかっただろう。

「責任は私に関係ないし、どーでもいいけどな」

「彩ちゃん……どうでもよくはないだろう?きっと僕のことが」

「どうでもいいさ」

後ろの男子たちが頷いていることは黙っておこう。

しばらく歩いて一度振り返ると、り口が見えなくとんでもなく歩いていたことがわかる。

地球ではお嬢様だった者達はすでにへばっている。

ちなみに今彩たちが歩いている部屋はだれも知らない謎の部屋のほうだ。

この部屋に來ている者は皆~中級くらいの能力の高さで、やく50人いる。

海斗の選抜では全員れないため明日にも続行するらしい。

セシアの所には150人辺りいる。そのため人數が足りないのだ。

「それは置いておいて、なんでこんなに続くのかな」

「道の事か?きっとなにか神聖なもんでもある……わっ!?」

いきなり通路が輝き、50人の足元には違う場所へと転移させる、転移スキルを持っていない者達のよく使う魔法陣が組み込まれ、そして50人は消えていった。

蝋燭臺だけが、力なく地面に落下していった。

「うわあっ!?」

先に聲を上げ、飛び起きたのは海斗だった。

きょろきょろ見回してみると、すでに彩が水晶を前に呆けていた。

「どうしたんだい?その水晶」

「どうやら此処が私達の目當ての場所のようだ、この水晶を保管しておく部屋なのだろう」

その水晶は彩の手のサイズの二倍くらいの大きさである。

彩の手は普通のの手よりしだけ大きいのだが。

海斗は頷き、考え、そして水晶を見つめた。

それは碧く濁っており、中に小さなが絶え間なくっていた。

――――――――――――――――――――☆

わからない。

全く分からない。

セシアたちは最上階に上がったあと、そののドアを開けると、るということはなく、聖剣と思われる金の剣が鎮座していた。

そして皆に抜かせようとしているのだが……。

(これ抜いていいやつなのかな)

しためらっているうちに、全員試し終わったようだ。

いながらもセシアはその聖剣を力いっぱい抜いてみる。

「うくっ……」

か細く優しいその聲で、セシアがうめき聲を上げた。

陣が黃い笑いを浮かべているが、今はそれにかまっている場合ではない。

聖剣が、抜けてしまったのである。

「えぇ……待って信じられないよ」

きっと一代目でも抜けなかったであろうその聖剣が、抜けてしまった。

あろうことか代表的な才能である海斗ではなく、その劣化品だと心から信じるセシアがそれを抜いてしまったのだ。

セシアの心では、驚きと、喜びと、そして、これが本當に良い事なのか、という複雑なが生まれていた。

「海斗と合流しなきゃ、魔導書に使い方が載っているかもしれない」

魔導書とは、大昔に先祖様たちがかいて殘した本のことだ。

セシアはこの場を、今ここで一番強い年に任せ、海斗と合流することにした。

地下の扉を開ける。

長い廊下を進んでいき、海斗たちと同じように水晶の置かれている場所へと転送された。

「海斗!どうしよう、聖剣が、抜けちゃった」

「ええ!?あ、あの聖剣が……」

セシアは海斗と彩の背中を見つけ、それに向かってぶ。

それを聞いた海斗が驚き、セシアの持っている聖剣を見てそれが本當であることが分かった。

最初は信じていなかったが、証拠を見せられてはいうことがない。

「ふむ。貴様は聖剣に選ばれたということだな、時間があったら鑑定してみるんだな。何かスキルが増えているはずだ、選ばれたのなら使命もあるはず」

「うん、分かったよ。さすが中二病」

「!?がはっ」

毒舌だということが今分かったのであった。

毒舌優男。

こういう者に限って強かった、という記憶が彩にはある。納得した。

水晶がった。

いくつかの転送型魔法陣が出現する。

「どうやらもう歓迎されていないようだな」

そんな彩の言葉と共に、皆はそれぞれの部屋に送られた。

どうもご丁寧な魔法陣である。

彩はベッドに座って、眼を閉じた。そして彼の得意である妄想を繰り出す。

「私は、この世界には歓迎されているのだろうな」

自分の知識を引き出すことができる機會を與えてくれたこの世界は、きっと裏切らない。

彩はそう信じて、薄く笑った。

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