《俺にエンジョイもチートも全否定!~仕方ない、最弱で最強の俺が行ってやろう~》第六回 ダンジョン潛り(2)

皆で固まっていた。

三つに分けられている階段があり、迷うことなく真ん中を選び歩いて結構な時間が経っただろう。

真ん中は、はずれだったようだ。

明るかったのに今では海斗の蝋燭でダンジョン部屋を照らさなければならなくなった。

それでもそれほど見えない。

ここは海斗の知っている印象によると五階層目らしい。

外れ中のはずれを引いてしまったということだろう。

目の前にはスライムの大群があった。

いくら弱くとも、その數が多すぎれば難関ともいえる。海斗たちは初心者なのだから尚更だ。

「それで、スライムってやっぱり理的に?」

「……魔力を活化させて強化して毆る」

「てことは理」

「まあそうだな。魔法はなし……ということで」

この會話は、真顔だった。

命の危険というまでではないが、海斗や此処にいる皆もこの種族が好きではない。

お嬢様まで混じっているため、絶までもが起こった。

「これ倒すしかないだろう」

「いや倒さないと通れなくないか」

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「口より手をかせ」

「おう、僕の手は君よりはいているはずだが?」

こう話している間も、スライムの數は削れていく。

もっとも、外見では全く変化はなく、どれだけ屠っても同じようにみえるのだが。

幻覚を見せることのできるスキルをもつスライムはピンクで、それが何もおりすでに下級の者達が引っかかっている。

構っていられない。

この幻覚に攻撃力はないためいったんは放っておくしかない。

「そうは言われてもなあ……この數はやはりおかしいぞ」

「隣が大魔王城なんだが……関係あったりするのか?」

「あぁ、それだな」

「大魔王ロナワール……恨むッ!」

ここでもまた知らぬうちに恨みを買ってしまうロナワールだった。

スライムの數は三分の一まで減っただろう。

逆に言うとこれだけ屠っておいてこれほどしか減っていないのはおかしい。

海斗も彩も力が限界なくらい戦い続けている。

「はあっ……ら、らちがあかない……小説みたいに転移門でもあれば」

「こういうのは……良いフラグって……いうんだよッ!」

ギリギリの力でスライムの強い當たりを理的に防いでいく。

これは駄目だ、と思い彩は脳みそを絞るくらいの勢いで何か使える知識はないか考えていた。

「転移門」

何処に転移するかは分からないが危機狀態の時に小説の場合主人公の前に出てくる可能が高い。

彩が真っ先に考え付いた生存の可能はこれだった。

(どこだっ……どこなんだ……?)

心を割りながら、それでいてスライムの攻撃も捌きながら彩は辺りを見回し、必死で脳を回転させ続けた。

「有った! あっちだ!」

小節に出てくるものとは正反対。

屆くはずもないようなくらい遠い場所に、黒いから小さなが見えるトンネルを発見した。

しかしその言葉通り、今の囲まれている狀態ではそこへ屆かないだろう。

今見えているのも奇跡なくらいだ。

その前にいるのが明で濁っていないスライムだったという偶然。

「とりあえずほかの人たちは行かせよう!」

「なぜその必要がある? 僕は勝手に行けばいいと思う……」

「命だっ! 私はもう命を無駄にはしないッ!」

そうんだ彩の言葉に、海斗は驚きをじた。

(僕が最初に出會ったの子も如月彩……初めて裏切った子……)

同じようにそうび、同じようにその命を散らしていった。

そう、海斗の手で。

直接やったわけではないのだが……とりあえず今は考えるのをやめることにした。

「……僕がみんなを転移させるよ。だから」

「そうだな。貴様は転移持ちだったか」

「それなら僕ら全員で行けるだろう?」

「いや。これだけのスライムを放っておいたらいつか人命にかかわるんじゃないか?」

々とこだわりすぎる、と海斗は苦笑いした。

しかし、彼はもう二つの特別スキルがある。

もしかしたら。いや絶対と言えるほど、この場に活躍できるスキルだ。

「対・スライム:消滅」

使用者の半徑五メートル以のスライムを消滅させられる。

しかしこれにもデメリットがあり、力の消費がとんでもなく激しいのである。

使うのであれば、使うつもりだったが。

「とりあえず転移させよう。『転移』」

そう、海斗がつぶやくと8人の劣等たちが消え去っていった。

ダンジョンの外に転移される可能もあるし、何ならボス部屋へ行ってしまう可能もある。

このダンジョンは、場所によってボス部屋にドラゴンがいたりする。

それにも當たりはずれがあり、ボスがスライムだったりウルフだったりとあとの二つはまだいい方だ。

つまりはずれを引いたらドラゴン部屋に転移……。

考えたくもない。

「とりあえず海斗は何か妙案あるかよ?」

「……『対・スライム:消滅』」

「うおっ!?」

海斗がスライムの大群に手のひらを向けると、スライムたちの半分は消滅した。

三分の二は減っただろう。

しかしそれで海斗はふらりと足元が揺れた。

力の使い過ぎいだとみていいだろう。

『特別スキル『力回復』を手にれました。現在劣等上級です』

まさかの特別スキルの手である。

早速使ってみる。

「スキル手にれたんだが使っていいか」

「もちろん……」

「『力回復』……治ったか?」

彩は海斗に掌を向ける。

そしてそこから暖かい優しい青のが海斗を包み、癒し始める。

「ああ……大分治った。スライムたちも、怯えて、奧に逃げ込んだようだよ」

「そうか。じゃあ私達も行かなければな」

幸い、まだ転移門は閉じていなかった。

海斗のも案じながら、彩は早歩きで転移門に向かう。

海斗はその後姿を見て、彩の正に確信をれていた。

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