《俺にエンジョイもチートも全否定!~仕方ない、最弱で最強の俺が行ってやろう~》第十回 ユリウスのスパルタ(優しい)教育?
「くっ……あぅ……んんんんん!!!」
「まだだ、まだなのだ!」
庭で、ユリウスのスパルタ教育が始まっていた。
しかも実はそこまでスパルタではなかったことが判明。
彩の人格は昨日から「如月さん」のままで、変わっていない。
そこでユリウスはまず「如月さん」の意識を維持したままで彩を呼び出すという訓練をすることにした。
彩は魔力を引き出し奧深くに語り掛けるイメージまで出來ているのだが、なぜか呼び出すということまではできないのだ。
そしてこの地味な作業はかれこれ三時間続いているのだ。
「んあああああああああっ!!!」
「魔力を暴走させたら上手くいくかもしれぬ……」
キィン。
と言う音がして、彩の姿が二つにぶれた。
ユリウスはとっさにこれの原因を分析し、対処方法を考えたのだが。
結果、このままの方が行けるのではないか?という結論になった。
魔力の暴走。
全魔力がの中で駆け回り、発しそうになるくらい膨れ上がる現象。
いつ起こるかというものは解明されていない。
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しかしこれで彩の二重人格が解消される可能は大いにある。
その點、ユリウスの判斷と彼の知識を舐めてはいけないことがわかる出來事だったのだ。
「はあっ……あっ……痛……うぅっ……」
「助けんぞ! しっかりやれっ!」
スパルタ系なのは変わらなかった。
この狀態を見て常人が放っておけるわけがないのだが、ユリウスは簡単ではない。(主に神)
きっと心臓に負擔がかかっているのだろう、彩は苦痛の表を浮かべた。
「あああああっ!!!」
「行くぞ! 海斗! セシア!」
「了解!」
「了解です!」
彩のが耐えきれなくなったところで、ユリウスの掛け聲を先端に待機していた海斗とセシアが彼の魔力を吸う。
そうは言っても吸い取るわけではなく一時的に預けるだけなのだが。
魔力が減った彩のは靜かに二重人格を合わせることができ、負擔が減る。
「はっ……あぁ……はぁ……」
二つにぶれたそのがひとつに合わさると、彩はふらりと倒れた。
しかしユリウスによるとまだ「ひとつ」にはなっていない。
いつかが発した時などに、また分かれてしまう可能があり、安定していないのだという。
とりあえず彩を自室に運び込んだ。
「……うぅ」
気絶しながらも時々苦痛の聲をらしているのはいきなりのことでが耐えきれなくなったのだろう。
海斗とセシアはそれを見てため息をついた。
ユリウスは魔導書などを見続けており、なにかやれることはないか考えていた。
「とりあえず、このままでよい。あとは我に任せるのだ、明日これを安定させて見せよう」
「!! 方法が見つかったのか!!」
「ああ。我をあの場から助けてくれたお禮に、全力でお返しをしてみせよう!!」
彩が知らないところで、ひとつ計畫が作られたのであった。
恐らくユリウスの命を賭けるだろう、魂を利用する斷の魔法。
そのランクは「無」。
人間がまねできる範囲で一番高いランクの魔法だ。
それをドラゴンが全力で放つのなら、きっと彩の質が治ることは間違いないだろう。
しかし彼の命は、どうなるか分からない。
優しい心の持ち主だった。
「僕たちに何かできることは無いのか?」
「うむ。貴様らは我に常時魔力の補注をしてほしいのだ」
「分かりました。魔力を流す練習とかしますか?」
「魔力の活化、魔力を全にまとわせるという練習は必要だと思うぞ」
海斗たちはそう言って魔力を全にまとわせる。
これは「魔法」ではなく「魔」と呼ばれる原始的なやり方である。
しかし魔法で流すとしたら圧迫によりユリウスにも負擔がさらにかかってしまう。
魔は比較的緩やかで優しく強力である。
魔力の消費が激しいという點に目を瞑れば効率がいいものだと言える。
「あぐっ……!」
「彩ちゃん!?」
「如月さん!!」
「アヤっ!」
彩が突然悲鳴ともいえる聲をらし、そのが緑に輝いた。
ユリウスは驚きながらも意識を立て直し、これの原因を考える。
「これは……神の加護!?」
「運命が如月さんを死なせない、ということか。てことは危ない狀況じゃないか?」
「……アヤの調、魔力が回復次第行うぞ!!」
魔力の活化は比較的難しいもの。
しかし海斗やセシアにとっては変わりない。
ユリウスの言葉に良い返事をし、自の仕事を続ける。
ユリウスも暇と言うわけではない。
自らの魂に魔力を注ぎ込み、それを空中に出す準備をしている。
口で言うと簡単だが、実際にやると難しい。
まず自分の魂をかすことそのものが驚ける範囲なのである。
魂とは本來心臓と同じもの。それをかし、魔力を注ぎ込むという高レベルなことをしているのだ。
「ふっ!!」
ユリウスが全魔力を魂に注ぎ込んだとともに、彩のき聲がなくなった。
力と魔力が一定な量回復したのだろう。
そして、計畫は始まる。
空中に向かってユリウスは一気に魂を放出する。大量のが吹き飛ぶ。しかしユリウスは痛みに耐え、人差し指と中指を絡めて長い詠唱を始める。
この詠唱は海斗とセシアからの魔力をけ取り、彩に流すための詠唱。
信じられない集中力と魔力の洗練さがいるそれは、常人にできる技ではなかった。
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