《俺にエンジョイもチートも全否定!~仕方ない、最弱で最強の俺が行ってやろう~》第十四回 記憶の神と彩の……

『よく、ここまで來てくださってありがとうございます。アヤさん、早速ですが私は神です。神と神は違い、私達は二次元には存在しないのです』

のような微笑みを浮かべ、それでいて大人びた聲でレキストはそう言った。

海斗と彩は頷き、その言葉の続きを聞く。

『私は。私は四次元……宇宙に存在する、十二人の中でもリーダーを務める神です。「レキスト」というのは私のペンネームで、本名はエキストです』

「な……なんで超人スーパーマン的な神がここにいるんだよ……」

恐怖の聲を帯びた彩の言葉を聞いて、レキスト改めエキストは微笑んだ。

それほど変わらない名前ではないか。というツッコミは後にする。というよりする気もないのだが。

『私がアヤさんと運命があると言ったのは、貴方の異世界転移に意味があるからです。アヤさん、貴方の前世は私の妹です。しかし宇宙破滅に耐えきれず、格が分裂して地球に転生してしまったのです』

「ぜ、前世も驚くが、まさか格分裂の理由がこれだとは」

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々驚くことがある。

彩は最近まで、今まで巻き込まれた異世界転移だと思っていたからまさか意味があるなど思っていなかった。

もうひとつは一番驚く點。

神単位の妹。

しかしそれも「如月さん」のあの力を考えれば納得できる。

格が分裂した時に力が均等に行き屆かなかったと想像すればり行きがわかる。

「ま、まぁ……」

『私は記憶の神で、アヤさんは追憶の神です。私は人の記憶を見ることができ、アヤさんは人の過去を、何処までも先まで見ることができます』

しかし未來は見ることができないからエキストが一番上になったのだという。

魔力もエキストの方が微妙に上だったのだそうだ。

『私達を創った神様は創造神クリエイトマスターと言います。黒魔法を創った方でもある、グロッセス様です』

「しかし歴史によるといい人ではなかった気がするのだが」

『彼は良き人だったのです……なぜその力を使って人間たちがグロッセス様に支配されていながらも暴れまわることができたのか、きっと本人しか知らないのでしょう』

これは遠回しに探しに行け、と言うことなのだろうか。

『グロッセス様は人々に「ばあや」と呼ばれて親しまれています。月と呼ばれた世界で現在も繰り返されている歴史をただ一人抜け出した人なのです、レティラーさん……レティラー・リーゼルトは本のリーゼルト君の第二人格のようなものであって別々です。そのレティラーさんがばあやを探すにあたって関わってくるでしょう』

話を切ることはせずに、エキストは一気に言った。

彩はその話をけとめ、探しに行くことを決意していた。心ではやっと異世界転移らしくなったと嬉しくなっているのは「記憶の神」であるエキストのみしか知らなかっただろう。

そしてここでリーゼルトが出てきたことに、彩は驚き海斗は頭に疑問符を浮かべていた。

これも仕方のないことだ、彼は知らないのだから。

『カイトさんはきっと知らないでしょうね。これからはしアヤさんと二人きりで話させてもらいますね』

微笑むことすらせず、強制的に海斗は何処かへ転移された。

『アヤさん。貴方は「追憶の神」として與えられた使命があります』

「私らしいものだといいな」

『貴方らしいですよ。任務と言ってもいいでしょう、リーゼルト君は將來世界を変える未來があります。それの一番の補佐をすることになるのがアヤさんです。そのためには今どこにいるかもわからないリーゼルト君と接する必要がありますね』

その容に、彩はわずかに目を輝かせた。

リーゼルトに、會いたい……その思いがを支配したからである。

「……私らしいじゃないか? 最も」

『リーゼルト君はばあやを探しています。それを伝えるためにも貴方は行く必要があるのですよ、私がいったこと、きちんと伝えてくださいね?』

「あぁもちろんだ……それが私の任務なのなら」

姉の話は聞かないわけには行かない。

エキストの話を聞き、妹だと言われたとき、自分を追憶した。確かに過去に一緒に四次元にいた記憶が見えたから信じたのだ。

『冒険者ギルド。貴が最も夢見た場所です、そこに行って接してもらいます』

「でもそれじゃあシステムが」

エキストは微笑んだ。

そして転移されたはずの海斗がまた帰ってくる。

『それは彼の力も必要ありますね』

どうなっているか分からない海斗に、彼が居なかった間に何を言われたのか説明する。

きっとエキストは妹にしか見せられない表を見せたかったのだろう。

『カイトさんには、「システム破棄」のスキルを渡します。あなたのも使って、アヤさんにかけられたシステムを解いてください』

「……『システム破棄・続・』!!!!!!!!!!!!」

印を結び、彩に向かってシステム破棄が行われた。

海斗のこれは使い切りで、このシステムそのものが長続きしないパターンのものだ。

エキストの用意は分からないが、言われた通りにすることにしたのだ。

そして彩にかけられたシステムが破棄される。

簡単に破棄されたのは神の力も上乗せされたからだ。

(こんな膨大な魔力……半分以上ごっそりと持っていかれました)

エキストの額からは汗がにじみ出ていた。

ボスが自分の手でかけたシステムロックだったのだから。

本気で掛けたものではなかったため、エキストの力でも解けたのだが。

『あなたならば、世界くらい救えます。私からはこれを授けましょう……』

「お……おぉう……鍵?」

エキストは彩の首に裝飾が付いていない錆びてそれでいて優雅な雰囲気のある鍵をそっとかけた。

『何があっても、この鍵は外してはいけません。向こうがそのストッパーを解いてくれるまで』

「分かった!!」

彩の力いっぱいな返事を聞いて、エキストは満足そうに微笑んだ。

『もうひとつ、言いたいことがあります。大賢者が暴れ回り、現在は封印されていますがリーゼルト君の行く手を阻むことになるでしょう。今から彼の全ての悪事をあなたの頭の中に流し込みます。彼、大賢者シアンの退治は任せましたよ』

「了解……ってか、こいつ許せないほど々やってるじゃないか」

彩の頭に流れ込んだシアンの様々な悪事。

自らのプライベートで村を全壊させ、魔力の練習だと言って食料のっている倉庫を消し飛ばし、村長などを脅迫して小さな村を征服し……。

そして彩の転移仲間である藍に手をかけたところまで。

彩は怒りしかこみあげてこなかった。大賢者を自分の手で殺す、と。

『そのためにもばあやに會わなくてはなりません。迷いの森……それがグロッセス様改めばあやの住所です、それではまた、會う日まで』

そう言って手を天高く上げると、エキストのった。

しく優雅に微笑むと、水晶に吸い込まれるようにして消えていった。

「私にできることなら、やろうではないか」

この世界のギルドについては分からない。

ならばここ最近勉強してから旅に出ようではないか、と彩は決心した。

ここから、彩の過酷な「暗記」が始まる!?

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