《俺にエンジョイもチートも全否定!~仕方ない、最弱で最強の俺が行ってやろう~》第二十八回 また面倒くさいことが

「……怖いぜ」

ウルフ討伐を依頼された現場に來てから一時間。貴族の護衛という名でっているらしいのだが、この貴族の通る道はどうも魔が多いそうだ。

ウルフ以外の魔も出て、遠慮なく彩の経験値の糧にされていった。

そして今彩とヴェリトとユリウスが怖いと連呼している理由はただひとつ。

「強い。霊のパワーがなくても私は余裕でCランクのレベルはあるな……力にはなれるだろうか」

「僕も、Dランクちょっとの力があるみたい」

「む、我は上級の竜だが……神に屆きそうなくらいいってしまったな」

「「常識外れは黙りなさい」」

「はい」

ウルフと戦いすぎて、というかウルフの討伐が簡単すぎてさくさくと倒せてしまう。レベルも上がりっぱなしで、レベルを頼りにステータスが上がっていっている。

Cランクまでは霊を頼りにしなくても良くなった彩は一時的にアーナーの補助を解除した。解除しても遠慮なくナビケーターはってくる。

ユリウスの神越え事件については、あまりれないでおきたい。自のライフのためにも。

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「さて、お貴族様が著いたようだぜ」

「うん。じゃあ僕が挨拶してくるよ、ユリウスさんとアヤは待ってて」

たたた、と走っていって目的地が見えて一息ついている貴族に挨拶をするヴェリト。相手は男爵なのでそこまで気を使う必要もない。

彩は傍でため息をついており、アーナーに転移魔を使えないか問うていた。

『限界突破をしたいのですか? 激痛が伴いますよ?』

「おう。やめよう」

『そのほかの方法もあります。アーナー自が限界突破をすることです。アーナーに痛覚はありませんので、痛みをじることもありません』

「あーそれいい。だが本當にアーナーは大丈夫なのか?」

『はい。心配はいりません。霊ともある者が痛みなどでんだりしませんし、大ナビケーターになった時點で痛覚は消えていますから』

同じようなことを理由を加えて説明するアーナー。ギルドマスター室まで行くのが面倒くさいので転移魔しいのだ。

しばらく暇をつぶしていると、限界突破を終えたアーナーが聲をかけてきた。

限界突破とは本來長するはずのない所まで引き上げさせるものだ。本來は一時的なものだが、霊にそのような制限はない。

『終わりました。ヴェリトさんが戻ったら使いますか?』

「アヤー! 終わったよ」

「早速だ。使おう」

『了解しました。主人様マスター、転移発!』

「え、ええ!? アヤ!?」

「すまんヴェリト突然で! 転移を取得し――――――」

言い終わる前に無慈悲に転移魔陣が展開される。ぐふふふふ転移……憧れていまた魔だよ、と言いながらよだれを垂らしている彩をヴェリトは心配そうに見つめた。

ユリウスは顔面を引きつらせてはは、と苦笑いしている。

―――――――――――――――――――――――――――――☆

「今度は転移魔を取得したんだね? その霊、ずいぶんな代じゃないか」

聞こえてきたその聲で、彩はギルドマスター室に移することに功したことを知った。今だ目を瞑るヴェリトの肩を叩いて起こす。

ユリウスは興味深そうに床の魔陣を見つめていたがそれはすぐに消えた。

ユリウスは殘念そうにため息をついて彩の方を見る。

「ああ。取得したんだよ。私の霊は優秀だからな」

『あら主人様、褒めるのがお上手で』

「そうだなアーナー。というかルカに霊のことなど話した覚えがないのだが?」

「ギルドマスターの報量を舐めないでしいかな。それで、これが報酬だ。そこからもうひとつ面倒臭い依頼らしきようで依頼じゃない依頼が來たんだよ」

「言葉の言い回しが辛そうだな」

羊皮紙で作られた現実世界とは質が程遠い袋に詰められたものを彩がけ取ると、その重さと大きさから報酬がっているのだとわかった。

それよりもルカが言う面倒臭いだろう依頼じゃない依頼の方が気になる。

「武道大會……まあ、強さを競う大會が行われる。Cランク以上は強制參加で、それ以外は參加自由。アヤちゃんは必然的に……ね?」

「面倒臭い」

ルカのオブラートに包んだ言葉を理解して彩は容赦なく面倒臭いと切り捨てた。ルカは仕方ないよ、と苦笑いする。

ヴェリトは參加自由だが、目を輝かせているので恐らく參加。

彩は今すぐにでもリーゼルトを探したい。

せっかくBランクになったのだから自由に探し回ってみたいのだ。

「參加できない理由でもあるのかい?」

「私だが、會いたい奴がいるんだ。そいつを探したいから、面倒臭いことはもう勘弁してほしい、ただそれだけだ」

「そう? 武道大會で優勝すると有名になれるんだ。それをたどって向こうから會いに來れるんじゃないかな?」

「……盲點だった。參加しよう」

「アヤよ……ちょろいのう」

「うるさいぞユリウス」

武道大會のルールを知らなかったのだからこのことは許せるのだが、彩自はこれを盲點だと思っていた。斷る前に話を聞けばよかったと後悔している。

參加する、と言った後にルカが二枚の個人報を書く欄がたくさんある羊皮紙を渡してきた。

「ヴェリト君もね。これは參加申請書、適當にれていけばいいよ、特に重要なものじゃないんだよそれ。ところでそっちの君は參加しないのかい?」

「冒険者じゃないのでの。観客席でおとなしく見ていることにするのだ」

それは良い、と彩が苦笑いする。

実際ユリウスが大會に出るものなら彩の優勝は無いと斷言していいだろう。伝説級のドラゴンが出て擔架で運ばれない人がいたら逆に怖いくらいなのだ。

もし、この大會にリーゼルトが出るものならまた例外だったかもしれないが。

と、しだけ妄想もしてみる。

ルカはそんな彩の反応を見て興味深くユリウスを見つめていた。

「じゃあ、今日は帰った方がいいね」

「どうしてだ?」

「ちょっとした……修羅場が作られる可能があるんだ。組織関係ではあるけれど、あまりアヤちゃんには関わってほしくない事項だ」

「そうか。貴様がそういうのならば帰ろう」

やけに素直だね、というルカの言葉には満面の笑みで煩い、と答えておいた。

結局その日はそのまま宿に帰った。

ベッドに倒れた彩は目を閉じて今日の選択を振り返ってみる。

(これで本當に見つけてもらえるのなら)

だとしたら――――――ルカには土下座するほど謝しなければいけないな。

と彩は思うのだった。

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