《俺にエンジョイもチートも全否定!~仕方ない、最弱で最強の俺が行ってやろう~》第三十回 最強は修行の果てに

「竜舞姫様、準決勝が行われます。どうぞ」

「ああ」

『ぐああああああっ!!』

コンコン、と扉が叩かれ案役がってくる。彩が席を立った時、ヴェリトとミハルの勝敗が決まった。ミハルの鎖の小さな隙間をかいくぐっていくヴェリト。

そして訓練の末に手にれたスキル―――地獄の焔を使ってミハルを焼き盡くす。

次の瞬間、ミハルが真っ黒になって倒れ、ヴェリトは傷だらけになりふらふらしながらも何とか立ち上がることに功した。

その瞬間、彩の待合室の扉が靜かに閉まった。

「フェルト様、ヴェリト様と戦うことになります。こちらで負けた方は二位2となり、決勝で負けた方は二位となります」

「へえ。ルールがし違うのか」

「はい。二位2が出來たのは、つい最近のことです」

ヴェリトについては撃破できないとは思わないが、一番手強いのは名前以外すべて不明なフェルトと名乗る人だ。

あのヴェリトを一瞬で吹き飛ばすのは、絶対に油斷できない。

それにしても二位2。

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彩は一位を狙わないにしても二位2は狙えるかもしれない、と思った。

「では、リングにおあがりください」

「了解」

リングに上がると、そこではすでにフェルトが待機していた。前髪のせいで目が全く見えなく、真っ黒なローブはどこからともなくオーラをじる。

がにやりと笑うと、彩は背中がぞくりとし、冷たい汗が流れたのをじ取れた。

フェルトが全に魔力を集め始めると、信じられない威圧が彩を襲い、まるでユリウスと戦った時のように膝が震えた。

「はぁ、はぁ」

すると、休憩を終えて治癒魔もかけられ、ダッシュで走ってきたヴェリトが見えた。全く、力溫存だというのに、と彩は呆れる。

ごめん、遅くなったと言うヴェリトだが、彼の目線は同じくフェルトに向いている。

「竜舞姫さん……?」

「っ……んだよ」

「弱者は先に排除しないかい……? ワタシはSランク冒険者だ……サシでやってみたいと思わないのかい……?」

「いや。貴様を倒すためには協力がなければムリだ、それがテンプレ」

ヴェリトは彩がイエスというのかと思ったのだろうか、彩の答えに目を丸くしていた。その後理由を聞いて納得する。

彩一人では本當にやれるかわからない相手なのだ。

それにしてもさすがSランクだ。経験の差がありすぎる。

「はじめっ!!」

審判の聲が聞こえる。

ヴェリトが走りだし、彩が杖を構えての発を準備する。

「遅い……」

「あっ…ぐ……」

『ライトバースト』

「っ」

彩は最初から全力で魔をぶっ放し、ヴェリトを後衛まで引きずると霊魔最大出力最大スキルを放つ。フェルトは一瞬怯んだが、剣を振り下ろす。

『衝撃波』

恐らく彼も半分ほどの力を使ったのだろう、彩の魔を消滅させた後、呼吸はし荒れていたが余裕の表は変わらない。

逆に闘志を燃やしていた。

彩の最大出力で倒れないとなると、これは相當な相手だ。

「やるね……でも力が辛そうだね……さぁ、來なよ……」

ヴェリトが飛び出し、しかしフェルトに手を摑まれ足を払われ無様に転び、剣を肩に刺されてうめき聲を上げる。

そして審判に運ばれていく。

―――強い!!

この出來事は瞬間的に行われ、彩はきが全く取れなかった。

「は……」

膝が笑っている。無様に顔面蒼白な自分を嘲笑うかのように。

「さぁ、終わりだ……」

襟を摑まれ、剣を元に突き付けられる。もう駄目だ、と彩は目を閉じた。

―――『彩。勝て、お前は勝てない奴じゃねえ、やれば出來る奴なんだ』

昔の思い出であるリーゼルトの聲が、瞬間再生された。

主人様。仕えるスキルがございます』

「まだ……終わってねえ……」

「何……? 無駄なあがきを……するつもりなのかなぁ……?」

フェルトは剣を高く上げ―――振り下ろす。

『突破スキル:二重人格』

【スキル「支配者」スキル「空気作」スキル「発」稱號「王者」を使用しますか?】

アーナーとはまたし違う聲の機械音聲が聞こえると、彩のステータスが発的に上昇し、新たなスキルが増えていく。

纏ったオーラに怯み、フェルトは大きく後ずさる。

観客席から歓聲が起こり、彩は襟を正し、杖をもう一度構えた。

「さぁやろうじゃないか。どっちが弱者かどっちが強者か……決めてやろうじゃないか」

「上等だ……」

―――何が、二位2でもいい、だ。

―――準人は言ってくれたんだ、私に不可能は無いと。

―――だから、斷固一位を狙うに決まってるだろ?

彩は覚でフェルトの大のステータス數値の平均を摑んだ。此処までステータスが上昇しても互角よりし上だということも、理解した。

だからこそ実力で上回ったら、それはそれで気持ちがいい。

『一時突破スキル:支配者』

空気が、止まった。

時間の流れが彩の思うように流れていく。

フェルトの額から冷汗が流れた。

彩のから出る黒いオーラとその余裕の笑み。

この場の誰もが、呼吸することそのものができなくなった。

―――ユリウスを圧倒した魔で、人間を倒せなくてどうする。

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