《俺にエンジョイもチートも全否定!~仕方ない、最弱で最強の俺が行ってやろう~》第六回 組織(笑)出現

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「うわあああああああっ!?」

「逃がしませんよぉ……せっかくの獲何ですか、らっ!」

「ぐげえっ」

男は、魔力で作り上げられた刃を二つ握っていた。強化すらかけていない生の足で、強化をかけたSランク冒険者を追い上げる。

死まで追い詰められたSランクもさすがに悲鳴を上げ、男に殺される。

男はにやり、と笑った。その後行われたことは、見るにも無殘な―――。

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「やっ……來ないで……」

「來るなと言われて、話を聞く敵がいるかよぉ? あぁ!?」

「いやっ……ワタシ、死にたく、な」

「ざっけんなよぉ、この俺様に向かってぇ……頭が高けえんだよバーカ」

男は、自分の長よりもはるかに長い鎌をに振り上げた。

そして振り下ろす。

しぶきが飛んだ。

の目は虛ろで、失と絶が取り巻いていた。

「ふん」

しかし次の瞬間、魂だけが抜かれたようには初期と変わらず修復されていた。

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しかし、命だけがない。

「みっともねえAランクだ。さいなら、最弱Aランク」

男はを擔いで手荒く馬車に放り込んだ。この後行われたことは、見る者が聲を上げる―――。

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朝、ギルドは騒ぎに包まれていた。

「んだようるせーな。昔みたいに喧嘩を売りたくなっちまうぜ?」

「はや……いや、リーゼルト。昔みたいなことをしていたら、ギルド職員に目を付けられて除名されるぞ?」

「現実的なこと言ってんじゃねえよぉおおお!?」

折角夢を語っていたのに、とリーゼルトは肩を落とす。

賢者組、レスナとサテラは組織に呼ばれたと言ってどこかに去っていった。二人が所屬するのは、組織の中でも小さな『會社』だ。

組織本部の奴隷のような。まるでそんな無くてもいい組織の一部である。

しかしそこでも本部の『下っ端』に呼ばれるような『鋭』が二人だ。本部の下っ端は子會社の社長ランクということになる。

藍たちは休日だからし遊びたい、と言って今は街を歩いている。

ちなみに彼達は全員でグループになった。

人數が多すぎて、これではひとつの団と言われても仕方がないだろう。

「で、こりゃ何の騒ぎ何だぁ?」

「知るか。そんなの付嬢の方のサテラに聞いておけばいいだろう?」

うわ、面倒くせ、とリーゼルトは飲んでいるジュースのストローらしきもの、ステルスとよばれる木を極限まで薄くしたものを噛む。

木を薄くし過ぎて、ストローとそこまで変わらないのに心した。

「悪かったですね。では私が出向いて教えましょう」

「うおお!? どこから湧きやがった!?」

「失禮な。付嬢たるもの、これくらいできなくてどうしますか」

付嬢の定義にそんなもんねえよ!?」

綺麗だ、可い、と噂されるギルドの制服を著たサテラが、リーゼルトの後ろに気配もなく忍び寄る。彼の前に居た彩は気づいていた。

リーゼルトは久しぶりの二連続ツッコミに疲れて椅子にもたれている。

「新たな悪質組織が作られたようです。早速Sランク冒険者2人とAランク冒険者5人が殺されたのです」

「あー。組織(笑)だな」

「そうだな。組織(笑)だな」

「笑い事じゃありませんよ!? 悪質なのに!!」

「いやそんなの屁でもねえ。さっさと駆除するわ」

「いやぁ……組織って聞くと怖気がするな。でも組織(笑)は大丈夫なのでは」

最恐最悪最強組織を相手にしているリーゼルトと彩にとって、いくら悪質でも新人組織など目にすられていないのだ。

もしボスが強いなら、と考えているが、そんなの機組織に比べたら本當に屁でもない。

笑いながら話す二人にサテラはし呆れる。

サテラは組織の存在を知っているので、二人の態度に疑いをかけることは無い。

そんなことよりも、リーゼルトと彩はシアンの妹シオンの方が気にかけている。

妹がいるなんて聞いてない!!!!! というじだ。

「さて壊滅しますかー」

「人間死んだとなると、さすがに無視はできないからな。いつ私達に被害が及ぶかわからんからな」

「自分優先ですかッ!!」

「今の狀況自分優先が命守れるからなぁ……しみついたか」

リーゼルトと彩はそう言って席を立った。

サテラは呆れながらも、何とも思えない信頼じていた。

「さて報集めだ」

「ちょっとまてよ、リーゼルトぉおっ――――!?」

「ふふ」

なのに―――自分は。

走っていく二人を見て、サテラはがきつく縛られるような覚になってしまう。

組織のことをこんなに知りたがっている二人なのに。

どうして自分はこんなにもけなくて、命しさに何も言えないのだろう。

『自分優先ですかッ!!』

先程自分が言った言葉だけど、無にイライラした。彼らより、自分の方が自分を優先しているのに。

「サテラさん! 代わってくださいません??」

「あ、了解です!」

それでも付嬢サテラは笑顔で付する。

今日も、闇を抱えてしまったみんなのマドンナは、仕事を進めていく。

忙しさに、闇を包んで忘れようと試みるが―――それが無くなることはない。

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