《最強転生者の異世界無雙》旅立ち
翌日の朝、俺は目を覚ました。
最初はいつ寢たのか思い出せなかったが、父さんと戦った後に気絶したことを思い出した。
まあ、とりあえず朝食でも取るか。と、を起こそうとすると、全に鋭い痛みが走った。
「痛っ⁉︎クッソ、これじゃまともに立てんぞ」
どうやって立とうか苦悩していると、誰かが部屋にってきた。
「ユーマ様、目を覚まされたんですか⁉︎」
ってきたのは、うちに仕えているメイドユーリだった。
「ああ、大丈夫だ。でも、全が筋痛でろくに立ち上がることもできないけどね」
俺はそう答えた後、回復魔法を使えばいいことに気がついた。なんで今まで気づかなかったんだろ。結構限界だったのかな。
「良かったです。ユーマ様、3日も目を覚まさなかったので、とても心配しました」
「は?」
いやいやいや、3日?俺、そんなに寢てたのか⁉︎
と、心驚愕していると、ユーリが話しかけてきた。
「そういえば、ライオス様が執務室に來いって行ってましたよ」
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「わかった。今から向かうよ」
と言って、自に回復魔法をかけてから立ち上がり、執務室に向かった。
そして俺が執務室にると、そこには真剣な顔をした父さんがいた。まあ、いつもと変わらないんだけど。
「來たか、ユーマ。お前は俺よりも強くなった。そこで、だ。お前は冒険者になって、旅をして、もっと世界を知って來い。幸いお前は三男でうちを継ぐ必要もないからな」
え?突然だな。というか、うちを継ぐ?ああ、そういえば、神に公爵家の三男がいいって言ったな。ていうか、疑問がつきないんだけど。
俺、兄弟にあったことないし、公爵家が隠居しててもいいの?家名とかないのかな?
俺は気になったことを父さんに聞いた。
「ああ、お前の兄弟は今、騎士団として働いていてな。王都にいるんだよ。それに俺とシャーリーは昔王都に魔が押し寄せて來た時、2人で王都を守りきったんだ。それで形だけだが、シーザーの家名と公爵の地位をもらったんだ」
「そうなんですか、それで兄達は騎士になったようですが、どうして俺は冒険者なのですか?」
俺が率直に聞くと、父さんは答えた。
「うむ、それなんだがな。昔あの2人は王都で迷子になった時に騎士に助けてもらってから、騎士に憧れてたんだ。本當は冒険者になって自由に生活してしかったんだが…」
なるほど、そう言ったわけがあったのか。でも、俺も騎士に憧れていることも否めない。
「そうなんですか」
「ああ、でも騎士はほとんどが貴族でな。上層部は腐敗していることも否定できないんだよ。あの2人は聡いから大丈夫だと思うんだが、利用されたりしないか心配でな」
前言撤回、絶対に騎士にはならん。俺の夢は今から世界最強の冒険者だ。
「それは…嫌ですね。わかりました。僕は冒険者となって最強を目指します」
そう考えたので、父さんにも俺の意思を告げた。
「本當か⁉︎それは良かった!1週間後に旅に出なさい。それまではを休めて準備をしておきなさい」
「わかりました」
そう言って俺は執務室を出た。
さて、このことを母さんとユーリにも言っておかなきゃな。
そう思って俺は、母さんの元へ向かった。
數十分後、母さんの部屋、臺所などいそうな場所をあらかた探し終えた俺は、母さんのことを見つけられず途方に暮れていた。
「はあ、母さん。どこにいるんだよ」
「なあに?」
「うおっ⁉︎」
ついつい獨り言をこぼしていると、目の前に母さんがいた。
「どこに言ってたんだよ!」
「えっと、ちょっと森に裏手の畑に野菜を取りに行ってたのよ」
そうだったのか。俺はそう返答して、んだことを謝る。ちなみにうちは、基本的にも野菜も自給自足だ。畑に関しては、知っている前世知識で収穫量を増やそうと思ったが、どういう理屈か明らかに面積とあっていない量の野菜が取れていたので諦めた。
まあ、そんなことは置いといてさっき決めたことを母さんに伝えると、
「まあ、頑張りなさい。たまには帰ってくるのよ」
と、思ったよりもあっさりとした返答が帰って來た。うーん、やっぱり父さんと話し合っていたのかな?
まあ、次はユーリだ。
ユーリを探し始めると、思ったより早く見つかった。普段の活範囲は母さんよりも広いからもうし時間がかかると思ったんだけど。
「ユーリ、俺さ、1週間後に冒険者になろうと思っているんだ」
俺がそう告げると、ユーリは優しく微笑んで、
「知ってますよ。ライオス様の話を聞けば、ユーマ様ならそう答えると思ってました」
と答えてくれた。
そこから準備を始め、早いことにもう1週間経った。
今俺の前には両親とユーリがいる。
「ユーマ、お前の実力なら1人でも十分やれると思うが、できることなら仲間を作れ。俺にとってのシャーリーのような信頼できる仲間を」
「はい、父さん」
「ユーマ、元気でね。たまに戻って來てくれると嬉しいわ」
「わかりました、母さん」
「ユーマ様、私たちはあなたなら最強の冒険者になることができると信じております。頑張ってください」
「分かってるよ、ユーリ」
父さんたちの言葉は、どれも俺へのに溢れていて、前世で亡くなった両親を思い出してしまった。家族の暖かさに若干涙目になってしまったがそれを父さんたちに見られないように、背中を向け、しかし決して俯くことはせず、前を向いて、俺は旅に出た。
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