《絶対守護者の學園生活記》知識

俺は9歳になった。

長もびたが何よりも特徴的なのは髪と目のだ。真っ黒であった。親はどちらとも黒ではないのに俺だけ黒髪黒目になってしまい、気味悪がられるかと思ったが、親はれてくれた。2人には今まで育ててきてくれたことも含め、謝の気持ちでいっぱいだ。

俺は6歳になったあたりから父親の畑仕事と狩りを手伝わされるようになり、狩りに至っては今では子供用の弓矢で小さなウサギ程度なら狩れるようになった。

そして今まで生きてきた9年間で、この世界について知ることが出來た。簡単に纏めてみる。

まず、この世界の名前は〈ディファード〉というらしい。〈ディファード〉は4つの大陸によって出來ており、それぞれの大陸につき1カ國ずつ國が存在する。大陸の場所としては、漢字の「田」の線が海で、線に囲まれた白い部分が大陸といったように、北東、北西、南東、南西に大陸があり海によって分斷されているため、大陸間の普通の移方法は船のみとのこと。さらにこの世界には人族以外にも4種類の種族が存在するらしい。獣人族、エルフ族、ドワーフ族、魔族である。魔族は昔に起こった戦いで人族の英雄によって滅ぼされたため、今はいないらしい。英雄……カッコいいな。殘りの種族は、今では大陸毎にまとまって暮らしているとのこと。人族はその他の種族と現在、友好的な関係を築けているらしい。人族の大陸は南東に位置しており、名前を〈ガルーダ〉という。國の名前も〈ガルーダ〉であり非常に覚えやすい。國が1つしかないからだろうな。

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だがそんなことよりもさらに重要なことがある。それはこの世界には魔法が存在するということだ。これを知った俺は魔法を使える! と大はしゃぎしたもんだ。俺だって中二の病的な何かにかかって異能力とか魔法とかに憧れたもんだ。

魔法には基本屬である火、水、風、土と、統屬である雷、氷、さらには希として重力、空間がある。基本屬と希はそのまんまだとして、統屬はその屬を扱うことが出來た魔師のを継ぐ者しか使えない屬の事だ。その屬を持つ多くの人は貴族や王族となっている。てか貴族とかいたんだな……。まあ村人の俺にはあんまり関係ないかもしれないが。

と、俺が9年生きてきて知ったことといえばこれくらいだ。

あれ? 他の大陸の名前は? などと思ったかも知れないが、俺に知識を與えてくれた母曰く

「村人である私たちが知ったって意味ないと思うわ~。てか私自もほとんど知らないし~」

とのことだ。この人はおっとりというよりお茶目って言葉の方が合ってる気がする。

おっと忘れてた。この村についてが殘っていた。

俺が住んでる村の名前は〈ボーン村〉という。勿論ガルーダ王國に屬している。周りのほとんどを森に囲まれている。俺が知って最も驚いたのは俺とリリィ以外に子供がこの村にいないことだ。他の村人も比較的年老いた人ばっかりで若い大人と言えば俺の両親ぐらいじゃないだろうか。こんなんでこの村やっていけるの? と思ったが、この村を出て王都で働いている若者たちがちょくちょく村に帰ってきて食料を持ってきてくれたり、畑仕事などを手伝ってくれるので割とやっていけている。

俺がこっちの世界に來て知った報を軽く頭の中でまとめながら我が家の椅子でだらけていると、誰かに服の裾をクイッと引かれた。我が家でこんなことをするのはリリィしかいない。

「リリィか。どうした?」

「……絵本………」

リリィは片手に絵本を持っていた。どうやら俺に読んでほしいようだ。

リリィは8歳になった。容姿はさらっさらの銀髪を腰までばし、鮮やかといえる碧眼、顔立ちもパーフェクトといえるくらいに整っており、母曰く「お人形さんみたい」とのこと。母は顔の評論家かなにかなのだろうか。

そんな義理の妹はかなり気な格をしており、他の村人を見るたびにビクッとする。そのため昔から俺の背中に隠れるようにして、てくてくてくっと付いて回るようになった。

正直に言おう。

めっちゃ可い。

俺の後ろから一生懸命追いかけてくる姿などはリリィ自長も低いのが影響しているのか、小を思い出させる。

俺はかなりのシスコンになっていた。

「よし。お兄ちゃんが読んであげよう」

俺はリリィの頭を軽くでた後、リリィの両脇に手を挾んで持ち上げ、俺の膝の上に乗せた。

(いやーマジで軽いな)

リリィの重さをじつつも、絵本を読んであげるのであった。

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