《絶対守護者の學園生活記》早朝の出會い、そして二度目の土下座

「……やっぱり、この時間に目が覚めるんだな」

俺は男子寮の自室で目を覚ました。

學園の広大な敷地にものを言わせた大きな學生寮のため、全員1人部屋である。

廊下土下座事件(俺命名)が終わり、カレンとリリィにあるものを渡した後、神的に疲労していた俺はすぐに寮へと向かった。そして寢る準備を済ませ、すぐにベッドへと潛り込んだ。

だが、特訓時の起床時間と同じ四時に目が覚めてしまった。

寮にある食堂にれるようになるのは七時から、登校時間は八時半なので、時間にかなり余裕がある。かといって、もう眠くもない。

「基本は大事だしな。これからも早く目覚めるだろうし、鍛錬でもするか」

俺はきやすい格好に著替え、剣を持ち、外へと向かった。

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「訓練場はいつでも開いてるんだっけか」

鍛錬場を探していた俺は第一訓練場へと向かった。

「ん? 誰かいる……?」

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時間は早朝。相當な努力家でもないとこの時間に訓練場にはいないだろう。

だが、そこには一人のの子がいた。

両手には剣を持ち、仮想の敵と戦っているのだろうか? かなりの速さでき回っている。

しばらくその人のきを眺めていたが、こちらの存在に気付いたのか、きを止めこちらへと近寄ってくる。

その人は見たことのあるような容姿をしていた。

エルフ特有の長い耳と短めに切り揃えられたクリームの髪を除けば、ユフィさんとほぼ同じ顔立ちをした

「貴様、もしかしてレオン=ガーディアか?」

「そうですけど……」

なんで知ってるんだろうか。てか話し方がアリスみたいだ。アリスと気が合いそうな人だな。

「この前の學園長との模擬戦で貴様は有名になったからな。學園では知らない奴はいないだろう」

「忘れてた……」

あの時の戦いは全生徒に見られてたんだよなぁ。初っ端から目立ちすぎだ。

「それに、アリスとも知り合いだそうだな」

「アリスから聞いたのか?」

「あぁ、アリスとは良き友でありライバルだからな。私の名はソフィ=クリエインだ。ソフィでいい」

既に気が合ってましたか……。

「私はいつもこの時間にここで訓練をしているんだ。あいつに勝てるように」

すごい人だと思った。強さに対する執念すらじるほどの気迫だった。

「そこで頼みがあるんだ。たまにでいいんだが私と戦ってはくれないか? そうすればより高みへと行ける気がするんだ」

「もちろん、いいですよ」

「本當か!?」

「ええ」

俺は承諾した。素直に協力してあげたいと思ったからだ。

「恩に著る! 早速だが、これからでもいいか? あと私にもアリスと同じような話し方でいいぞ」

「分かった。それじゃやろうか、ソフィ先輩」

そして、これから毎朝はソフィ先輩と鍛錬をすることになった。

※※※

ソフィ先輩と別れ、シャワーで汗を流し、寮の食堂へと向かう。

食事をけ取り、空いてる席を探す。

「レオーン! こっちこっち!」

呼ばれた方を向くと、手招きをしているカレンを発見した。隣にはリリィもいる。

二人は五人用のテーブルに座っており、空きがあった。

「二人ともおはよう」

「おはよ!」

「……おはよう」

同じテーブルに著き、挨拶をわす。

「ところでアレ、著けてるか?」

「著けてるわよ、ほら」

「……ん」

二人が右手首を見せてくる。そこにはダイヤのような銀の寶石が付いたブレスレットを付けていた。

これは俺があげたで、所持者が危険な狀況に陥ると、俺に知らせてくれる魔道だ。旅立つ前にダルクさんが俺に渡してきたで、ダルクさんの加護の力が込められている。そんな便利なことが出來るのかと驚いたが、加護の力に耐えられるがこの世にはほとんどなく、簡単に出來るものではないらしい。なので全部で十何個かだが貰った。

ただ、俺が二人に渡す時に「俺が二人の危機の時に助けられるようにさ(キリッ」と伝えるのは恥ずかしかったので、魔道だとは教えずに、ただのアクセサリーとしてプレゼントした。

渡したときに二人とも嬉しそうにしていたので、俺も嬉しくなった。

その後も二人と他もない話を続けていた。

「お、レオンじゃねぇか。空いてるんだったら座ってもいいか?」

「僕もいいかな?」

マルクとミーナがやってきた。

「いいか? カレン、リリィ」

「私はいいわよ」

「……私も」

「だってよ」

「んじゃ、遠慮なく」

「失禮するね」

二人の許可を得て、マルクとミーナが席に著く。

「いやー、偶然ミーナと會ったのはいいが空いてる席が見當たらなくてよ。お前がいて良かったわ」

「急にごめんね、レオン君」

「別にいいって。それよりミーナ。またってもいいか?」

ミーナには悪いが、俺のモフリスト魂が反応しているんだ。

「……うん、いいよ?」

「ひゃっほう!」

俺はミーナの耳をさわさわしながら、頭をでる。いつものり方だ。

こまるミーナ超可い。

癒されるなぁ……。

「お前、相當それ好きなんだな」

「あぁ、大好きだ!」

ミーナをでながら答える俺。マルクは若干呆れ気味だ。

「別にそれはいいんだが。それよりもそこでお前を睨んでる二人を紹介してほしいんだが」

「……なんで俺は睨まれてんだ?」

「俺に聞くな」

なぜか俺を睨んでくるカレンとリリィ。二人もモフりたかったのだろうか。

俺は癒しの時間を終了させ、お互いの自己紹介を済まさせる。

「レオンの馴染に義理の妹だと……? しかも……レオン、一回死んでみるか」

「なんでだよ」

「うるせぇ! いっぺん死ね!」

俺に飛び掛かってくるマルク。俺はマルクの腕を片手で摑み、もう片方の手をの部分に置くことで、飛び掛かってきた勢いを利用して一本背負いのようなものを決める。

「ぐえっ」

変な聲を出し、マルクは気絶してしまった。

悪は滅びた……。

「……別に何も言わないけど、それよりもミーナの頭をでてた件について、教えてもらってもいい?」

「……私も」

俺が一仕事終えたところで、カレンとリリィが問いかけてくる。

「いや、ああしてると癒されるんだよなぁ」

「相手が嫌がってても?」

「え?」

嫌がってる? マジ?

俺はミーナの方を向く。

するとミーナは困ったように言う。

「べ、別に嫌ってわけじゃないけど、周りの人にも見られてるし恥ずかしいなぁって……」

「なん……だと……」

ま、まさかそんな思いをさせていたとは……

「というわけでレオン、土下座しなさい!」

「すいませんでしたああああぁぁぁぁぁああぁ!!!!」

そうして俺は、二日連続で土下座をしたのだった。

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