《絶対守護者の學園生活記》カレンとデート

子ってのは分かんねぇなぁ」

俺は王都の街並みの中でも集合場所として有名な噴水の前で人を待っていた。

この前の事件の後の話だが、ユウちゃんは孤児院に預かってもらうこととなった。本人がお世話になるだけでは申し訳ないと言い出したので、カレンの後釜ということで子供達の世話を擔當することとなった。ええ子や……。

その為の話し合いも終わり、さぁ寮へ帰ろうと思った矢先、カレンに次の休日は買いに付き合ってと半ば無理矢理予定をれられた。

休日はゴロゴロするという大事な予定があった俺は反論をしようとしたが、

「あんたが今回の件でどれだけ心配させたか分かってるの?」

と、後ろに般若のスタ〇ドを攜えた笑顔のおまけ付きで言われたら、斷るという選択肢は塵と化した。

笑顔なのに怖いってどうなんですかね……。

そんなわけで、なぜか待ち合わせを所したカレンの要を葉えるために、わざわざ一人でこうして待ちぼうけをしてたってわけだ。

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だが言いたい。

周りにいる達の視線が辛い!

俺はやたら見られていた。

なんだ? もしかして俺の格好がおかしかったりするのか? 普通のシャツに普通のズボンなんだが……。

あ、一人のと目が合った。よく分からんけどとりあえず笑顔でも返しとくか。

そう思ってニコッと笑う俺。ニコッていうより俺の場合ニタッてじだが。

「!」

ナンデ!?顔逸らすのナンデ!?

やはり変だったのだろうか……。は頬を染めて顔を背けてしまった。

あまりのショックに思わずorzの態勢をとってしまう。

「……何してるの?」

「カレンか。世の中結局は顔なんだなと再認識してたところだ」

「そ、そう……」

來たばっかりで狀況を把握していないはずのカレンにこんなこと言っても分からんか。それにカレンはかなりのだし、この気持ちは分かるまい。

「それよりも、どう?」

そう言ってくるりと一回転するカレン。恐らくは服裝のことを聞いてるのだろう。

「あぁ似合ってるぞ。いかにもカレンに合ってるってじだ」

「そ、そっか……」

褒められたカレンは、嬉しそうに微笑んだ。お、周りの男共がこちらをチラチラ見ている。確かに可いもんな。

カレンは白のロングシャツに青のデニムというのだろうか?のショートパンツ、さらにはスニーカーと、いかにもアクティブな印象をける服裝であった。手首には俺があげたブレスレットを付けている。俺が地味で申し訳なくなってくるぞこれ。

「さ、とりあえず行きましょ」

「そうだな」

俺達は商店街の方へと歩き始めた。

そして歩くこと十分ほど。俺達はいかにも小灑落た喫茶店へとたどり著いた。

「ここ、前から來てみたかったのよねぇ」

「ほーん」

適當な返事を返す。

二人で店にり、空いてる席へと座る。

「ここはケーキがオススメなのよ。私は定番のショートにしようかしら」

「じゃあ俺はチーズにしようかな」

店員を呼んで注文をする。甘いは好きだからなんやかんやで楽しみだったりする。

「この後しっかりと買いに付き合ってもらうからね。まずは服屋からよ」

「うへぇ……」

子の服選びとかって長いんだろ? 経験はないが、そういう話は前世でよく聞いた。帰ってゴロゴロしたいが出てくる。

「そういえば二週間後には野外実習があるわね」

「野外実習?」

「そろそろ新生も學園に慣れてきたであろうって時期に班を組ませて、野外で魔を狩る経験をさせる行事ね」

「そんなのあったのか」

そんなこと言ってなかったぞあの先生。

「まぁ魔って言っても本當に弱い魔を、大人監修の元で狩るだけだから」

「なんていうか、地味だな」

「そうね、それでだけど班を一緒に組まない? こっちは私とリリィなんだけど」

「もちろんいいぞ。むしろリリィは他の班にはやらん」

「流石はシスコンね」

リリィを有象無象の野郎共に任せる気は無い。

「そこまでこじらせてると、リリィが嫁に行く時も大変そうね」

「いや、それはリリィが本気で選んだ相手なら文句は言わないぞ。何よりも一番の優先はリリィ本人の幸せだからな」

「……あんたが初めてかっこよく見えたわ」

「もちろん! 俺の審査を通ることが前提條件だがな!」

「ごめん、さっきの言葉は無しで」

おいおいなんだよ。これは兄としては誰もがやってるようなことだろう? そうだよな? な?

そんな話をしていたら、頼んでいたケーキが屆けられた。カレンは目をキラキラさせながら、テーブルへと置かれたケーキを見つめていたが、意を決したかのようにフォークをケーキに刺してから口へと運んだ。

「あ、あまくて味しい……!」

しているカレンはとりあえずスルーして、俺も自分のケーキを食べる。

うめぇ……。

お互いに、あまりのケーキの味さに無言で食べ進めていたが、最後の一口というところでカレンがこちらを見つめていることに気付いた。

「最後の一口だけ換しない?」

「いいぞ」

即承諾し、フォークに刺したケーキをカレンの口元へと運んでやる。

「ほれ」

「え、えと……あーん」

パクッ!と口に含んで咀嚼している。わーお目がまたしてもキラキラしてるよ。なぜか頬がし赤いが、幸せそうな表をしている。

「レオンも、あーん」

「あーん」

そして俺もカレンのを頂く。うむ、ショートも味いな。

「た、食べ終わったことだし出ましょ!」

「なんでキョドってんだよ」

「べ、別にキョドってなんかないわよ!」

そう言ってし怒ったかのようにズンズンと先に行ってしまうカレン。いや、どう見てもキョドってただろ……。

その後はカレンが言っていたように服屋へと向かった。

うん、凄く大変だった。

の子の買いは長いってのは本當だったんだな。いろんな服を試著しては想を求められた。後半の方なんかはただロボットのように返事をしていた。「セカイイチカワイイヨ」が口癖になるところだった。

服屋を出た後は、その辺の屋臺をして回った。食べを買い食いしたり、アクセサリーを見たりなどした。

そして時はあっという間にすぎて夕方となった。そろそろ解散の時間だ。

寮の口へと著いた。

「今日はありがと。楽しかったわ」

「俺もなんやかんやで息抜きになったし良かったよ」

「……私も、この気持ちが本だって気付けて良かったわ」

「? なんだ?」

「ううん、なんでもない! それじゃ、また明日!」

そう言ってカレンは笑顔を殘して自室へと去っていった。途中で聞こえないところがあったが何だったのだろう。

しかし、思ったよりも俺も楽しむことが出來た。これなら次も行ってもいいな。

俺はそんなことを思いながら、自室へと戻るのであった。

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