《絶対守護者の學園生活記》今はまだ、妹として

お兄ちゃんが、助けに來てくれた。

一気に張の糸が解けてしまった私は、そのまま座り込んでしまう。そしたらお兄ちゃんに頭をでられた。とても安心する、優しい手つき。

それと同時に、急事態にも関わらずこんなことを考えてしまう。

でられるのは好きだが、私はただの妹としてしか思われていないのだろうか?

ちょくちょく頭をでてきたり、膝の上に乗せたりさせられるが、どうにも子ども扱いされているが否めない。兄としては、妹に対して邪なを抱いていたら々アウトではあるが、私はあくまで『義理』の妹だ。結婚もできるし、その、子供だって作れる。でもお兄ちゃんの私への接し方はあくまでも妹への接し方だ。

私はあまり自覚は無かったが容姿がかなり優れているらしく、街中をあるけば男の人からの視線を多く集めていたのも察していた。そして、その中にはとても不愉快なものも含まれていた。全を舐めまわすかのように見られることも多々あった。いかにも下心を持った連中に聲をかけられたこともあった。一緒にいたカレンが追っ払ってくれたが。

そんな容姿をしている私でも、お兄ちゃんは一切の邪なを抱かずに私に接してくれた。兄という立場だから當たり前だと思うかもしれないが、私は純粋に嬉しかった。今までは。

ただ、今は違った。

もっと、の子として私を見てほしい。

そんなことを思ってしまった。

助けに來てもらったことで惚れて、こんなことを思ってしまったのだろうか。

それは違うと斷言できる。

そもそも私はというものがよく分からなかった。王子が言っていた惚れるというのも、そもそも惚れるという行為自がよく分からなかった。

お兄ちゃんに『妹』としてではなく『一人のの子』として見てもらいたい。

これが? 私はお兄ちゃんに惚れている?

「リリィ、どうしてこうなったんだ」

私が深く考え事をしていると、お兄ちゃんが話しかけてきた。私は班から離れた後のことを詳しく伝えた。

それを聞いたお兄ちゃんは何かを呟いた後に、深く考え込み始めた。その顔は真剣そのものだった。

私は邪魔するのもどうかと思い、靜かに待っていた。

すると、ドラゴンを倒し終えたダルクがこちらに近づいてきていた。私はこの時、ドラゴンが普通に倒されたということの異常さに気付くことが出來ていなかった。

お兄ちゃんとダルクが二人で話し始める。私にはあまり聞こえなかったが、雰囲気からして前のような親子漫才をしているのだろう。

だが、急に二人の雰囲気が真剣なものに変わる。

そして、その時のお兄ちゃんの様子を見て、思った。

ああ、またお兄ちゃんは何かを背負っている、と。

お兄ちゃんは、私の表から気持ちなどを読み取るのが得意だと前に言っていたのを覚えている。だがそれは私も同じだった。十年も見続けてきた兄の姿から、ある程度変化をじ取れるようになった。

そして、學式にて再會した時は、のあまり気にする余裕がなかったが、後々じっくり見てじ取ったものがある。

お兄ちゃんはなにか無理をしている。

なにかがお兄ちゃんを苦しめている、そうじた。

私にはそれが分からない。

最近は學したばっかりの頃と比べて、多はマシになっているようだが。

お兄ちゃんは優しすぎるがうえに、自分一人で何かを背負い込む傾向がある。

私はそんなお兄ちゃんに何かしてあげられないだろうか。

そして私は、一つの決斷をする。

私は『一人のの子』として見てもらいたい。そして、傍で支えてあげたい。

これがなのかは分からない。

もしだとしても、気持ちを打ち明けて関係が壊れるのが怖い。

だったら、今は『妹』として彼の傍にいよう。

私が彼の癒しになってあげよう。私とれ合うことで、彼の心がしでも楽になるなら。

彼にをしている人からしたら、彼と気軽にれ合う私は邪魔な存在になってしまうかもしれない。

でも、今は、今だけはこのままで。

だがいつか、私の気持ちに整理がついたその時は――

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