《絶対守護者の學園生活記》閑話 レオン観察記録

ある日の事、男子寮の一室にて一人の男が頭を抱えていた。

「あいつ……後で絶対毆る」

 

その男の名はマルク。彼は自室で恨み言を呟いていた。

なぜこんなことになっているかというと、全ては友であるレオンが原因だ。

あの英雄親子の決闘以來、マルクにレオンの事に関して聞きに來る人が急増したのだ。しかも圧倒的に子が多かった。つまりは気になるあの人の事を教えて! という人が増えたのである。

レオンはクラスの男子とはある程度仲は良いが、一番共にいることが多い男友達がマルクだ。學園の生徒はそのことを知っているため、報を聞きにマルクの元を訪れる。

小遣い稼ぎとして報屋紛いのことをしていた彼だが、圧倒的に客數が増えたことで対応しきれなくなっているのだ。

「かといって、斷るわけにはいかないしなぁ」

客の頼みを斷ることは信頼を失うことに繋がる。しかし一人一人対応していては埒が明かない。

「こうなったら……尾行調査だ」

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マルクは一つの決斷をする。それはレオンを一日尾行して行を記録し、客へと渡すといったもの。

プライバシーの侵害ではないか? と気になるところではある。が

(レオンなら許してくれるだろ? だって俺達、友達だもんな?)

明らかに日頃の恨みがこもっているであろう考えをしながら、あくどい顔をするマルク。

こうして『レオン観察記録』が作られることが決まったのであった。

※※※

 これはレオンのとある一日を観察し、付けられた記録である。

レオンの朝は早い。昔からの癖らしく、午前4時に起床する。

支度を整え、訓練場へとむかう。これはレオンの日課となっている鍛錬を行う為だ。

そして共に鍛錬を行うのが2-Aクラス所屬のソフィ=クリエインである。たまにだが同所屬、アリス=フィル=ガルーダも參加する。

最初は世間話などをしだけ行い、その後は2時間程鍛錬をこなす。

鍛錬が終わると、レオンは自室へと戻って汗を洗い流し食堂へと向かう。

食堂ではお決まりの席、お決まりのメンバーで食事をとる。

メンバーは1-Aクラス所屬のカレンとリリィ、1-B所屬のミーナである。

同所屬のマルクも本來ならいるのだが、今日は欠席のようだ。

余談であるが、カレンはレオンの婚約者の一人である。皆様もご存知の通りアリスも婚約者であるため、レオンが複數の妻を持つことを容認しているということだ。レオンを狙っているそこのあなた! チャンスはまだ殘っています!

決して筆者がハーレムが羨ましすぎるあまり、いっそのこともっと増えて修羅場になってしまえ! と思って煽ってるわけではないことを理解しておいてしい。

食事を終えると、レオンはミーナと教室へと向かう。しかしここでミーナが忘れに気付き、レオンに先に教室へ向かうよう伝えて去っていく。

一人で教室へと向かっていたレオンだが、途中で山積みとなったプリントを持って、ふらふらと危なげに歩いている生徒を発見する。

レオンは生徒に話しかけ、代わりにプリントを全て持つ。生徒は禮を言っているが、レオンは別に構わないと告げる。

プリントを無事運び終わり、生徒は再びお禮の言葉を伝えると、レオンはまた何かあったら言ってくれと笑顔で言い殘して去っていく。殘された生徒は、頬を赤く染め、その場で立ち盡くしていた。あれはレオン特有の無自覚イケメンスマイル(筆者命名)の影響であろう。うん、死ねばいいいと思う。

そして教室に著き、座學の時間となる。

レオンは首席學なだけあり、かなり頭が良い。よく生徒に質問をされて答えるところを見かける。

座學の授業を全て終え、晝休みになるとレオンは食堂へと足を運ぶ。

朝食の時と同じメンバーで晝食をとる。

晝食に関しては、レオンは魚料理を好む。前に聞いたところ、だけの生活はもう嫌だと言っていた。

そして午後の実技の時間となる。

実質學園最強であるレオンは、教師の許可を得て教える側へと回ることが多い。教え方は丁寧で、生徒には大変人気である。

そして放課後。レオンは街へと出掛けていく。そしてしばらく歩いたレオンは一つの建へとっていく。どうやら孤児院のようだ。

ってからしばらくして、子供を數人連れて庭へと出てくるレオン。

そして子供達と遊び始める。どうやら子供達もレオンにかなり懐いているようで、とても楽しそうにしている。

しばらく遊び続けると眠くなった子が出て來たので、お開きとなる。

恐らくこの孤児院の院長であろうお爺さんとしばらく話した後、レオンは帰途へとつく。

寮へと戻ってきたレオンは、夕食を食べて部屋へと戻っていった。

そしてレオンの一日が終わりを告げた。

いかがであっただろうか?

この記録がしでも皆様の役に立つことを願い、私は筆を置かせてもらうとする。

※※※

「できた……!」

本當に観察記録? といったような、筆者マルクの本音も織りじったカオスな資料を手に、達を味わうマルク。

そして翌日、冊子に纏められた『レオン観察記録』が売られることとなる。

報を求めていた客に記録のことを伝えると、流石にそれは…と引かれてしまう。

しかしその反応とは裏腹に、用意していた在庫全てが無くなった。完売である。

作戦がうまくいき、満足気のマルク。

だがしかし、彼は大事なことを忘れていた。それは、守義務の遵守を徹底しなかったこと。

後日、観察記録のことが本人にバレ、OHANASHIをすることになるのであった。

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