《絶対守護者の學園生活記》閑話 第2回子會

「ここに、第2回子會の開會を宣言します!」

「うむ」

「……わー」

「……このメンバーだと盛り上がりに欠けるわね」

なんだろう、すごく虛しい。の子が三人集まれば絶対にしくなるわけではないと分かった瞬間だった。

そんな開會のくだりはともかく、子寮の私の部屋にはアリスとリリィが集まっていた。

これは私が事前に呼び出したためで、あることについて話し合うべきだと思ったからだ。

「それで? なぜ私たちは呼び出されたんだ?」

「リリィについて確認しなきゃいけないことがあるからよ!」

「……私?」

「そう! 今回の議題は〈リリィが最近レオンにやたら積極的になっている件について〉よ!」

私が話し合うべきだと思ったのはこれ、リリィが変わったというかやたらレオンに対して積極的になっていることについて。

馴染であり、同じの子でもある私からしたらリリィはレオンにをしているような気がしなくもない。はっきりとしないのは、すごく微妙なラインだからだ。をしているように見えるが、レオンとただ一緒にいたいだけのようにも見える。

「ふむ、私はリリィとはそんなに一緒にいることはないから、いまいち分からんな。どれくらい積極的なんだ?」

「えーと、自分から抱き著く。自分から膝の上に乗る。自分から手を繋ぐってじかしら」

「? 普段からそんなじじゃないか?」

「違うのよ。いつもならレオンからしてたはずなのに、最近はリリィからするようになったのよ」

「自発的になったということか」

何かしら思うことがあって、そんな変化をしたのだと思う。私はその思うことについて聞きたい。

「リリィ、あなたに何があったの?」

「……分からない」

「分からない?」

そしてリリィは、聞いてるこっちが恥ずかしくなるような説明を始めた。

ある時から妹ではなく、一人のの子として自を見てほしいと思ったこと。だがリリィにはと言うも、惚れるという行為も分からない。レオンに対するこの気持ちは果たしてなのか。仮にだったとしても、今のこの兄妹という関係が崩れてしまうのが怖い。だから今はそのままで、何かを背負って無理をしている兄のために、自分が癒しになってあげようと。

説明を聞いて、リリィが積極的になった訳は分かった。長年付き添った兄の異変に気付いて、自分なりに出來る助けをしているのであろう。

それよりも、だ。

私はアリスに顔を近づけ、リリィに聞こえないように小聲で話しかける。

「どう考えても、よねぇ」

「ああ、どう考えても、だろうな」

「あと、兄に似て不用よねぇ」

「ああ、兄に似て不用だな」

「それに、々考えすぎてて面倒臭い」

「ああ、々考えすぎてて面倒臭いな」

なんだこの兄妹。

兄の癒しになるためにくっつくという考えに至るとは。もっと他の方法だってあっただろう。

とりあえずそれは置いとくとして。

「正解を教えてあげるべきかしら? そのはまさしくよ! って」

「それは駄目だろう」

「やっぱりそうよねぇ」

これはあくまでも本人が解決すべき問題であろう。見ていてじれったいじもするが、手出しは流石にしてはいけない。

そんな私たちに出來ることは。

「見守るしかない、わね」

「そうすることしか出來ないだろうな。若い々と考え、悩んでおいた方がいい」

「あんた何歳よ……」

アリスの発言はともかく、リリィが自の気持ちに気が付くその日までは見守らせていただくとしますか。

レオンが世話の焼ける馴染だとすれば、リリィは手間のかからない妹だ。……レオンに関しては今は婚約者だけど。

そんな妹の長を見るのが、今から楽しみにじてしまう私であった。

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