《絶対守護者の學園生活記》努力家

試合開始の合図と共に二人はき出す。

お互いに直進して距離を詰め、剣がわる瞬間。

「ふっ」

ソフィが自の真下から風を吹き上げさせ、それを利用して前宙をしてアリスを飛び越えようとする。そのすれ違いざまに攻撃を仕掛けたが

「甘いっ!」

素早く反応したアリスが雙剣をけ止めてそのまま押し出し、ソフィを弾き飛ばす。それと同時に火球を數個発生させ、追撃をかける。

著地をしたソフィは迫りくる火球を魔力を乗せた斬撃で消し飛ばす。

が、アリスは火球に上手く自を隠しながら接近していた。

これは火球を全て消し終わった瞬間に姿を現し、一撃を浴びせるためだ。

ソフィが最後の一つに取り掛かった瞬間、全力の一撃を浴びせようと地を強く踏み、剣を上段に構えるが。

「いるんだろ?」

そう呟いたソフィが、風魔法によって薄い壁を正面に作り出す。

壁に火球がぶつかり、壁に沿うようにして火が広がる。簡易的な火の壁が出來上がった。

これはレオンと學園長の試合において、レオンが風の竜巻を火魔法で強化していたのを見て編み出した対策法。強さを求め続けるソフィだからこそ気付けたことである。

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「くっ」

突然目の前に出來た火の壁に驚きの表をし、きを止めるアリス。

全力を出そうと強く踏み込んでいた影響で、次のき出しが遅れる。

ここが攻め時だと悟り、ソフィは仕掛ける。

雙剣によって繰り出される隙のない剣戟に、対処するので一杯となっている。

魔法の使用には集中力が必要なため、一方的に攻撃をけている時に発するのは厳しくなる。

本來であれば、アリスの狀況は芳しくない。

どこかに隙を見つけ、立て直さなければならない。

だが

「ふんっ!」

アリスのを包むように火が噴き出す。

瞬時にソフィは攻撃をけるやめて距離を取る。

「やはりそれは厄介だな」

「私もあの戦いで得たものがなければ危なかった」

互いを認めあってるからこそ、通じ合うものがある。

戦い方を知り盡くしていてもなお、それでも上を目指す事を諦めずに索を繰り返す。

「流石は努力の鬼だな」

「私にはそれしか無かったからな」

アリスが先程使った火を纏う技は簡単に出來るほどではない。それを可能にしたのは才能と弛まぬ努力である。王族という筋により、恵まれた才能を持ったにも関わらず、そこで慢心はせずに己を鍛え続けた。

一方ソフィは努力のみでここまで登りつめた。エルフ族は本來、魔力量が多く魔法に特化した種族である。そのため、近接戦を好まない。それでもソフィは強さを求めるために手を出した。そこにはどれ程苦しい道程があったのだろうか。

「続けようじゃないか」

「ああ」

アリスの言葉にソフィが頷くと、激しい戦いが再び幕をあげる。

一撃一撃の鋭さ、技き。さらには魔法行使。どれをとっても學園最強とナンバーツーと呼ばれていても納得出來るような戦いを披する二人。

観客の多くはその景に目が釘付けとなっていた。

しかし數分が経つと、疲労が見え始める。

二人はこれ以上長引かせるわけにはいかないと悟ったのか、自の殘りの全てをかけた勝負に挑もうとする。

そして二人がき出したその瞬間――

ドガーン! と大きな音を立てて訓練場の壁が崩れた。それと同時にそこから飛んできた何かが、戦いの舞臺を囲っていた結界に叩きつけられた。

あまりに突然の出來事に観客が固まるが、それでも冷靜でいたアリスとソフィが確認をしにいく。

そしてその何かを確認したアリスが呟いた。

「れ、レオン……!?」

傷だらけのレオンが、そこにいた。

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