《絶対守護者の學園生活記》迫りくる影

俺は観客席から離れ、通路に出る。

アリスとソフィ先輩が舞臺に現れた時に、一瞬ではあるが殺気をじた。

集中して発信源を探したら、禍々しい魔力をじ取れた。

親父との特訓の影響で気配察知や魔力察知にはある程度自信がある。出來なければ、下手したら死んでたからなぁ。

そんな回想はともかく、急いで魔力をじ取った現場へと向かう。

「いた!」

しばらく通路を進んでいると、黒いローブですっぽりとを覆った誰かがいるのを発見した。

黒ローブは舞臺の方を見つめて靜かに佇んでいる。

だが俺に気付いたのか、顔だけをこちらに向ける。

「……お前は」

かなり低い聲だ。恐らく男だろう。

「あんた、ここで何をしてるんだ?」

「答える義務はない」

「そうか」

何を教えるつもりはない、か。

「ふむ、お前は敵か?」

「敵?」

「私はアリスというを抹殺しろと命令をけている。お前がその障害となるなら排除させてもらう」

「なんだと?」

アリスを抹殺? 命令?

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なぜアリスを狙うんだ?そもそも命令ということはこいつより上に誰かいるということか?

「アリスを殺させるわけにはいかないな。大切な人なんだ」

「そうか、なら……死ね」

直後、魔法が飛んでくる。反応出來ないものでは無かったので、腕を振って弾く。

今の魔法.....どの屬でもなかったぞ。一これは.....?

「なるほど。私では適わないか」

今の俺の対応を見ただけで実力を把握したようだ。それだけで相手がかなりの猛者であることが分かる。

「それではこうしよう」

男が俺から視線を外し、別の方向を向く。

俺もそちらを向く。そこには席を外してきたのであろう、子生徒がいた。

まずいっ!

「きゃっ!」

男が生徒の後ろに回り込み、腕を摑む。

「この娘の命が惜しければかぬ事だ」

「くっ……」

人質を取られてしまい、こちらから手を出せなくなる。どうしようもないのか.....。

「お前はこの場で排除する」

言葉と共に、圧された魔力の弾丸が飛んでくる。けないため、衝撃に備える。

これは長くは持たないぞ.....!

しばらく耐えていると、生徒を連れたまま男が近づいてくる。

「飛べ」

男が俺の橫腹に蹴りをれる。

なんて重い攻撃だ.....っ!親父以上だぞこれは!

威力をけ止めきれずに、吹き飛ぶ。壁を突き破り、何かに背中からぶつかる。

衝撃で腹の中の酸素が吐き出される。

「きっついなこれは……」

ダメージが蓄積し、膝をついてしまう。

「れ、レオン……!?」

試合をしていたはずのアリスとソフィ先輩が俺の元へ駆け付けてきた。ここまで飛ばされたのか。

すると破られた壁のところから、男が現れる。生徒はもういない。男は何故かソフィ先輩の方を向いていた。

「……なぜお前のような人形がここにいる」

「っ!?」

男の言葉を聞いて、ソフィ先輩が息を呑む。

人形? どういうことだ?

「まぁいい。目撃者は全て排除する」

男が観客席を見回した後、俺達の方を向いて言う。やらせる訳ないだろ?

俺は立ち上がり、刀を構える。流石にこのダメージで加減なんてしていられない。

そして俺が男に切りかかろうとした時

「ヒーローは遅れてやってくるってな」

俺と男の間に、馬鹿親父が立っていた。

「大丈夫か息子よ」

「大丈夫そうに見えるか?」

「俺にはハーレムを築いているたらしが見えるな」

「反論できない……っ!」

こんな狀況でなんて會話してるんだと思うかもしれないが、親父に隙は全く見けられない。

「ダルク=ガーディアか」

「お? 俺って結構有名人なのか?」

「この前したこと忘れたのかクソ親父よ」

「クソ親父だって? 俺はそんな言葉遣いする子に育てた覚えは無いぞ」

「そのネタはもういいから.....」

なんだこの締まらないじ。今の狀況分かってるのか?

だが男は全くく様子を見せなかった。

「流石にこの狀況では無謀であるか。今回は失禮させてもらおう」

そう呟いた男が腕を縦に振るうと、宙に裂け目が現れ、その中にっていく。そして裂け目が閉じ、そこにはまるで最初から何も無かったのかのようになる。

「逃げた、か」

「みたいだな。これは後が大変になるな」

親父は観客席、そしてアリスとソフィ先輩を見てそう言う。

謎の襲撃者。一あれは何者だったのであろうか。

 

後に殘ったのは、疑問ばかりであった。

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