《絶対守護者の學園生活記》対策會議

「「我が友よ!」」

ガシッ!っと効果音がつきそうなくらいの勢いで、大の大人の男二人が抱き合う。

ただただキモかった。

知ってるかい?この二人、英雄様と國王様なんだぜ?

この前の襲撃から數日が経った。

決勝戦は結局中止となり、あの現場を目撃していた生徒達には緘口令が敷かれた。無暗に國民に知れ渡ったら混するのが目に見えてるからな。學最強決定戦が一般公開されるようなものでなかったのが幸いであった。

當然、口止めをされた生徒達も混を見せていたが、皆にとっての憧れである英雄様の一聲によって落ち著きを取り戻していた。

そして國も諸々の対応に追われていたが、それも一旦落ち著きを見せたので俺と親父は國王様に呼び出された。恐らくは今後の対策を立てるのだろう。

そしていざ謁見の間にったところで、誰得なシーンを見せられたのである。

「はぁ……」

その景に、俺達をここへ連れてきたアリスはまたかといった風に首を橫に振っている。いつも會うとあんなじなのね……。

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アリスはその景を見屆けた後、退室していった。

「王様、さっさと本題にらないか?」

「おう、そうだな。というかレオン。王様じゃなくてお義父様でもいいんだぞ?」

「……義父さん、早く本題にれ」

「分かったぞ、我が義息よ」

ああこのニヤニヤ顔、親父と同じじの笑い方だ。要するにうざい。

「さて、この前の襲撃者についてだが、実際に戦ったレオンから何か話しておくことはあるか?」

ニヤニヤ顔をやめ、一瞬で真剣な顔付きになる王様。國を統べてる人なだけあって切り替えが早いな。

俺から話しておくことか。

「そういえば、襲撃者の魔法は俺の知らない屬だった。禍々しいというか、で表すなら黒かな?」

「……そうか。ダルク、これは」

「まあ確定だろうな」

思い當たる節があるのか。まあ俺も何となく予想はついているが。

「魔族だろ?」

「レオンも気付いたか」

この前の野外実習の後に王様と魔族の生き殘りがいるのではないかという話をした事を思い出し、もしかしたらと思った。二人の反応からして當たりだろうな。

「魔族だったとして、今回の襲撃の目的はなんだったんだ?」

「アリスを殺すことだって言ってたぞ」

「……ほう?」

親父の疑問に答えると、王様が殺気を出しながら立ち上がる。

「気持ちは俺もよく分かるけど落ち著け!」

「……そうだな、話を続けよう」

俺だって嫁を殺すって言われて怒りのはあるが、今は対策を考えなくてはいけない。

「なぜアリスを狙ったのか。これについては分かるかレオン」

「恐らく、戦力を削る為だろうな。こちらの士気を削る目的なら第二王よりも第一王や王子、王様を狙うはずだ。王様と王子は守りの堅い城にいるから狙いづらい。だったら學園に通っていてる第一王を狙うのが得策のはずだ。だがアリスを狙った。その二人の違いは強さだ」

「なるほど、だから戦力を削る為と。たしかに、親の贔屓無しとしても、アリスは國のトップクラスの実力を持っている」

「ん?ちょっと待てレオン。それならお前だって狙われるんじゃないか?」

そう、そこが気になっていた。

自慢というわけではないが俺はアリスより強い。だったら俺を狙ってきてもおかしくないはずだ。

……ん?

「そもそも、相手はどうやってアリスの事を知ったんだ?」

警備隊が目をらせてる中で、魔族がウロウロ出來るとは思えない。それならアリスの報はどうやって?そして俺の事はなぜ知らなかった?この前堂々と親父と決闘までしていたのに?

これらを踏まえて考えてみると、一つの可能が浮かび上がってきた。

「こちら側に通者がいたのかもしれない。そして俺と親父の決闘より前に、その通者は消えた」

「なるほどな」

俺の意見に同意する親父。

しかし、そうなると通者はそれなりの地位にいることになる。一般人では集められる報に限界があるからな。俺の事を知らない偉い奴か……。

……あの太った貴族様がいたな。あくまで推測だから決めつけるわけにはいかないが。

「ふむ、今考えられることはこれぐらいか。國としての対策としては報収集と警備の更なる強化、新たにいるかもしれない通者探しか」

「俺も流石に隠居とか言ってられないな。王都に移るか」

「俺は……何をすればいいんだ?」

報収集能力なんかは俺個人より國に任せた方がいいだろう。國の安全は警備隊と親父が守ってくれるはず。親父は加護の力による察知能力があるからな。それに俺も參加したいが學園がある。俺に出來ることとしたら何があるんだ?

「お前は嫁さん守ってろ」

「そうだな。アリスを、學園の皆を守ってやってくれ。」

それは當然なんだが……

「お前気付いてないのか?推測だったが、もし本當に相手が戦力を削りにきてるとしたら、なぜそうする必要がある?」

相手の戦力を削る、魔族側にとって強い力を持つものは排除しておきたかった。

出來るだけ先に邪魔な芽は摘んでおく。そんなことが必要ということは……

「魔族が、攻めてくるっていうのか?」

「ああ。これも結局推測になっちまうがな。だから念には念をってことで、いつも以上に警戒しとけってこった」

「そういうことなら、了解だ」

そういうことなら例のブレスレットを配っとくか。

現在で例のブレスレットを持っているのはアリスとカレンとリリィ、それにミーナだ。あと渡しとくべき人は……。

俺がそんなことを考えている時、アリスを守ってくれと言った後からなぜか黙っていた王様が閃いた!といったような表を見せる。

あ、脳センサーさんが……

先にどんなことを言われても驚かないように心構えをしておこう。

……よし、さぁ來い!

「いっそのこと、アリス達と同棲しろ、レオン」

………は?

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